スクリプト
友人のために書いたスクリプト。
何かが変わるかもしれないし、何もおこらないかもしれない
このスクリプトは、私が作成しました。私は大嶋信頼先生の本を読み、その本に沿ってスクリプトを書きました。どのような効果があるかはわかりません。
私のこの文章がスクリプトと言えるものなのか、催眠療法に効果があるものなのか、わかりません。
もし読んでくださる場合、その点にご留意の上、ご自身の責任の下、お読みください。
あなたは私のことを信頼してくれているよね。会ったこともないのにね。
でも、会ったことがあるような気もしている。
あの、小さな生き物が足元によって来た時、その温かさに触れた時、そのふわふわの身体に触れさせてくれた時、
私はあることを思い出したんです。
私がまだ、幼い子どもだった時、わたしが歩くたびについてくる、そう、あの黒い影のこと。
どこまでもついてきてくれるのが嬉しくて、飛んだり跳ねたり走り回ったあの日。いつもいつも、あなたが後ろにいるのを確かめていた。
背中に当たる陽が、そう、温かくて、何物にも代えがたい温かさ。
その感覚に包まれながら、私はあることを思い出していたんです。
私がまだ、何をするにも誰かの助けが必要だったころ
朝起きるとまぶしい光があふれていたあの頃。
自分を包んでいたタオルの繊維のひとつひとつが、太陽の光の中でキラキラ光っていたあの時。おしゃべりしている鳥の声、ふとんの気持ちのいい手触り。
光の中で、キラキラ光る"何か"が、そう、笑いかけてくる、あの、心地よさ。
家のそばの広場で、そう、夕焼けが世の中を赤く染め上げる頃まで時間を忘れて遊ぶ、私。
「もう帰らないと」あなたがそういうのが怖くて、いつまでもあなたに気づかないふりをしていた。
「さあ帰るよ」大きな腕に抱えられ、地面がワッと遠くなる
大きな声で泣き叫んで、私はその腕から逃れようとするけれど、私よりも強い力に、私の身体は自由になれなくて、でも、
それが心地よくて、いつのまにかその腕にもたれていたんです。
辺りが赤から暗く、ブルーへと変わってきて、カラスが鳴いていて、鳥たちは家へ帰る。
押し寄せてくる暗闇に、覆われるような、心地よさ。
カラスが鳴いていて、どうしてカラスは鳴くの?
とあの歌のように、あの人に問いかけた時のこと、
何でも答えてくれるあの人が、いつだろう、答えを少しためらっているように感じられたのは。
何でも知っているようなあの人にも、知らないことがあるのかもしれない、と私は思ったのです。
夜、ふうっと起きると、暗い中で一部屋だけ、灯りのついている部屋があって、その灯りの方へいくと、泣き声がきこえてきて、
その泣き声は、あの人のものだと、私は気づいてしまった。
びっくりして、私はまた寝床に戻ったけれど、その時の冷たい布団の感覚を今でも覚えています。
朝が来て、まぶしい光と、お日様の匂いに包まれて目を覚ますと、
目の前には大きなお日様があるのです。
「おはよう」
というお日様は、あなたの声をしていました。
私は、あなたのその笑顔をさわる。
私が触ると、あなたの顔はもっとくしゃくしゃになって、キラキラと輝きだす。
その光に身をゆだねるのが心地よくて、もっとくしゃくしゃにしたいなと思ったのです。
私がお菓子を食べるとき、私がふとんの上でゴロゴロと寝返りを打つとき、はじめてすりつぶしたりんごを食べた時、はじめてくつをその小さな足に履いた時、あなたはきらきらと、顔をくしゃくしゃにした。
あなたをもっと笑わせたくて、私はいろいろなことをがんばりました。
毎日重い鞄を背負って歩く道、
辛くない?重くない?
という言葉に、平気だよ、と言ったらいいのか、
大丈夫だよ、と言ったらいいのか、
どうしたらあなたの顔はくしゃくしゃになるのか、考えながら。
そう、いつもついてきてくれる、黒いあの子のように。
ひとつ、さわやかな空気が流れてきます
ふたつ、身体がだんだん軽くなってきます
みっつ、大きく深呼吸をして、頭がすっきりと!目覚めます!
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