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書きたくない近況:2024年4月から


この記事は本当に書きたくなかった。

2024年5月の、私の近況である。

noteでは暗い日記をたくさん書いたので、当分は明るい文章を書く人でいたかったのだけど、もはやそうも言っていられない非常事態になったので、こうして恥を忍んで書いている。
読む人に対しても、申し訳ない気持ちでいっぱいである。ほんの4年前に散々暗い日記を書き散らかしたばかりなのに。


実は、私はいま、地元の浜松にいる。
多分、それだけでびっくりされる方もいるだろう。
なぜなら、知り合いや、Podcastを聞いてくださった方には、私は「しばらく海外に行く」と言ってあったからだ。

それは決して、嘘ではなかったのだが。
事実私はこの春、数年ぶりに、人生の締めくくりとも言える長期旅行……となるはずの旅に、出発したのである。
旅は一度、ちゃんと開始されたのだ。

ところが、たいして旅を進めずに、私は帰国してしまった。

なぜなら……、体を壊したから。

これは完全に自業自得なのだが。
最初はただ、風邪をひいただけであった。おそらく。
しかし私は本当に愚かで、「風邪くらいほっときゃ治るだろう」と、休養も取らず無理して旅を続け、病気をこじらせてしまった。
自分の年齢を忘れ、若い時の感覚のままでいたのが大きな間違いだったと思う。

具体的にこじらせてどうなったかというと、喉の調子が深刻に悪化した。
風邪をひいてからだいたい1週間くらいで、咳は出るし喉は痛いし、なにより、声がまったく出なくなってしまった。
もちろん現地でも病院に行ったのだが、特にもらった薬が効いた気配はなく、なにしろ声が出ないことでカタコト英語のコミュニケーションすら封じられたため、「これは取り返しのつかない状態になる前に、ひとまず帰って立て直した方がいいな」と判断し、急遽日本へ戻ったのだ。

当初、
私のプランでは、こっそりそして早々に日本で病気を治し、回復したらすぐに旅に復帰する予定であった。
「一時帰国しました」というのは、親しい人以外には黙っていようと思ったのだ。
だって、恥ずかしいじゃないか!!
長期で海外に行って来るから、と威勢良く旅立った人間が、この前出かけたと思ったらもう体壊して日本に帰った、って恥ずかしいにもほどがある。
別に南極や北極を旅しようとしたわけじゃないんだから。あくまでちょっと長いだけの普通の「海外旅行」なんだから。そんな普通の海外旅行も予定通りこなせないなんて、そんなダサイことがあろうか?

だから私は、早々に体を治して、帰国のことは隠したまましれっと旅行に復帰しようと思っていたのだ。そうすれば、世間に恥を晒さずに済むから。

ところが、その計画が、見事に頓挫してしまった。

旅に復帰するどころか……、事態は悪化。
不運というのか、運命というのか。
私は……というか私だけでなく、いま我がさくら家は、最大の危機(もしかしたら3度目くらいかもしれないけど)を迎えている。

私は、旅に復帰できなくなった……。
旅どころか、正常な日常、に復帰できることが果たしてあるのだろうか?とすら恐れを抱く事態になっている。

まずなにより、私の体調が、全然戻らないのだ!
喉の不調が、治らなくなっている。
最初に風邪をひいてからもう2ヶ月経つが、喉の苦しさがどうにも回復しない。
帰国してすぐ、咳が止まらず、激しい咳のせいで肋骨3本にヒビが入ってしまった。
強い咳止めをもらって咳はおおむね止めたのだが、その後もず~~っと喉の奥に痰がベタッと張り付いているような気持ち悪さが続き、さらに喉の荒れも治らない。喉が苦しい。そのため、声もうまく出ない。
「それはこういう病気ですよ」とはっきりすればまだ楽なのだが、あちこち病院(耳鼻咽喉科とか呼吸器科とか)を回っても、なんの病気なのかが確定しない。そこが辛いところ。

現時点では血液検査やCT等の結果、器質的な大きな問題は見つからず、
・慢性上咽頭炎
・ヒステリー球(自律神経、心因性での喉の不調)
・感染後咳嗽(ウィルスや細菌などに感染し、その後に後遺症が長く続く状態)
のどれかではないか、ということになっている。
それぞれお医者さんから可能性を指摘されている病名というか症状なのだが、実際に喉は荒れている(炎症あり)ので、ただの心因性という問題でもないような気がする。

一応それぞれを想定した治療も行っているのだが、まだ全然症状が治まらない……。

ただ検査結果において際立った異常が見つからないということは重病ではないということになり、ならば、長期の療養を覚悟して耐え続けるしかないのか……。食欲も無いし、痩せこけると思う。
とはいえ耐えるしかないのだ。もはや旅行の再開とか言っている場合ではない。まずは耐え抜いて、健康を取り戻さなければいけない。やると言ったことをやれていないことは恥ずかしいし屈辱的ではあるけれど、旅は逃げないはず……。

と、いうのが私のこの4月5月の状況である。
私は東京の部屋で、そして近所のクリニックを回りながら、密かに一人闘病していた。


そんな時に、地元浜松の母から、LINEが来た。

内容は、母が「癌になった」というものであった……。


私はショックで倒れそうになった。
まさかの、このタイミングでそんなことが起きるのか。

母によると、脇の付近にでき物ができ、最初は特に気にせず何年も放置していたのだが、今年になって痒みや痛みが出て来たので近所の皮膚科を受診したという。
すると大きな病院に行くよう指示され、総合病院で皮膚の組織を取って検査をしたところ、悪性腫瘍であることがわかったという……。

そして手術をすることになったと。

私は過去のnoteで書いた通りの母親っ子なため、癌ということ自体がショックだし悲しいし、そして、ここを我が家が乗り越えられるのかということに、とてつもなく不安になっている。

母は一人暮らしであり(父は施設に入っていて母が時々訪ねている状況)、私は一人っ子であるので、こうなれば私は浜松へ直行である。
これから、私が母の通院や手術に付き添うのである。それが私の役割である。「こっちも体調悪いから一人で手術受けてね」と、癌になった母親を放置することはできない。

ただ、この私自身の体調を、母の付き添いとどう兼ねあわせるか……。

とりあえず私は、浜松に帰って来た。
帰ってすぐ、私も一緒に病院に説明を受けに行った。
5月末と、6月の2回に分けて手術をするそうだ。癌の名称は「有棘細胞癌(ゆうきょくさいぼうがん)」という呼び方らしい。
1回目の手術で皮膚のでき物と周辺のリンパ節を切り取り、それからまた取った組織を検査して、転移などを確認し2回目の手術を行うそうだ。たしか先生はそう言っていたと思う。私もちょっとメンタルがやられているので先生の話に集中できなかったところはある。

ただ、いずれにせよ私はしばらく浜松で暮らすことになるだろう。
私自身もこちらで新たにクリニックなどに通うことになる。地元でもドクターショッピングかぁ……

結局、私は今年、旅行の計画をまっとうすることは不可能であったのだ。
思えば、私が一時帰国し、さらに体調が戻らず日本に足止めになっているからこそ、こうして地元に駆け付け、母の近くに長くいられるのだ。
なにか親子としての運命みたいなものを感じる。私は右脇の肋骨にヒビが入ったが、母も腫瘍ができたのが右脇である……。偶然とは思えないなにかがある気がしている。

まずはなにより、母の手術成功、無事、回復、転移がないこと、をひたすら願う。

しかし同時に、自分の体がこれからどうなるのか、という焦りも持っている。
毎日ずっと喉が苦しいのだ。喉が苦しい、喋れない。これでは精神がやられる。日々メンタルがギリギリのラインである。こんなことでは母の付き添いに集中できないではないか。
私は私で、ちゃんと社会に復帰しなければいけないのだ。どういう形にせよ。
私は母と違い、年金で生活費が賄える歳ではない。旅のために貯めておいた資金が療養費でどんどん消えて行く中、ずっと病気休暇を取っているわけにはいかないのだ。
先週、人生で初めてQBハウスで髪を切った……。もうなりふり構わず切り詰めなければいけない。

それにしても、なぜこんなことに、とは思う。
別に癌になることは今時珍しいことではないだろうし、私と似たような喉の苦しみに耐えている人も世の中にはいるはずである。
しかし、なにも母1人子1人の我が家に、それが同時にやって来なくたっていいじゃないか。母の危機と私の危機が同時に。

なんとか、ここを乗り越えたい。
心を折ることなく一日ずつ乗り越えて欲しい、そう自分自身に頼みたい。

私が東京で病院通いをしているうちに、母も一人で病院に行き検査を受け、皮膚を切り取り、癌の告知まで受けたのだ。
私は後期高齢者の母を、具合が悪い中一人で病院に行かせ一人で検査をさせ、癌の告知まで一人で受けさせてしまったのだ。
さぞ心細い思いをしたことだろう。その分、これからは私が近くにいてあげたい。最低でも2回の手術を終え、病状が落ち着くまでは。そのためにも私が心を強く持たなければ……。

とりあえず、これが私と母の近況である。
かなり辛い。でもこれが人生なのか。

私の執筆や放送などの活動は、当面のあいだ休止にさせて欲しい。「またかよ」と思われるだろう、大変申し訳ない……。
それで、勝手ながら気持ちを発散する場が欲しくて、Twitterのサブアカウントを作った。今回の私の体調不良とか母親の病状とか、そういうことで愚痴を書く用のアカウント。こちら さくら剛(サブ・暗い話・家族の話や病状など)
病気関連の愚痴など目に入ってもいい、あるいはこういう状況でも私の近況を気にしてくださる方は、上のアカウントをフォローしてもらえればと思う。わざわざサブを作ったのは、メインの方であまり暗いオーラを振りまくのもどうかと思ったので……。


それから最後、これも情けないけれど、母子ともの治療費を稼ぐため心からのお願い。
私の本(電子書籍)や、Podcastの過去放送、noteの記事などを買って欲しい……。
特にnoteの「9月24日のマザコン」シリーズは、我が母子+父との歴史・ストーリーをよくわかってもらえると思うし、完読してもらえると売上げ本数が多くなるので本当に助かる。
また私のnoteアカウントページ、ここの左側(スマホだと上部)に表示されているAmazonリンクを経由してなにか買い物してもらえたら、微々たるコミッションが発生するので(私の本以外の物を買っても)それも助かる。Amazonでなにか買い物をする時に、ふと思い出してもらえたら。
大事な報告の記事をこういう宣伝みたいな形で締めくくるのは情けないし恥ずかしい気持ちでいっぱいなのだけど、どうかお願いします。

またいつかしっかり親子ともに元気になって、次の報告ができたらと思っています。そういう日が来て欲しい。
私と母のことを、応援してもらえたら嬉しいです。



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