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9月24日のマザコン30

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これまで何度も書いたように、精神科の入院というのは、他の科と比べてハードルが高いと思う。
「入院生活が大変」という意味もあるが、私自身は入院の経験はないのでそれは置いておいて、その前になにより、「先生に入院の許可をもらうまでが大変」である。こちらは、何度も何度も経験している。
本人ではなく家族が、ウィダーインゼリーすら喉を通らなくなる心身の衰弱状態に至り、「今日こそは入院させてもらおう。もうこれ以上は無理だ。本当にもう限界だ」と苦しみ極まって先生に入院をお願いし、でも「いやいや、まだ入院するほどではないですよ(笑)」とあっさり断られて。そこからすごすごと病院を出て病んだ家族を車に乗せ、元の家に帰る時のあの絶望感は、どんなに言葉を尽くしても言い表せない。「もうこのまま海に飛び込もうか」「トラックに正面衝突してしまおうか」、そういう破滅の妄想が本気で頭をよぎる。

そんな中で私は、いよいよ一家心中が現実的になってきたら「死ぬ前にダメ元でこれをやろう」と考えていた手段がいくつかある。
家族を入院させるための最後の手段。
幸い、うちは一家心中を考えるよりはいくらか手前で入院できたので、その非常手段を実行に移すことはなかったし、「やろうか、どうしようか……」とリアルに悩む段階までも行かずに済んだ。
ただ、可能性として「このまま入院が適わずにあと何フェーズか進んだら、やるしかない」という考えは7年前も今回も、ずっと頭の中にあった。

今回の記事では、その「私が考えていた最終手段」についてすべて書いてみたい。
強く言っておきたいが、私がなによりも優先して望んでいるのは、「介護殺人や一家心中はなんとしても防ぎたい」ということだ。自分も、他の人たちも。
これらの方法は、決して誰かを傷つけたり困らせるのが目的ではなく、「命を救うことが目的」でやるものだということをわかって欲しい。
こんなことを考えるようになる前に、担当のお医者さんとしっかり話をして、道筋を立てるべきだ。「人間追い込まれるとここまで考えるようになってしまうから、そうなる前に早く行動を起こそう」、ということを伝える意図で、私はこれを書くのである。

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