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仮面ライダーローグVSマッドローグ第9話「北都のビルドと西都のビルド後篇」

前回のあらすじ仮面ライダーグリスこと猿渡一海に対して石動美空を東都に返すように頼んだ仮面ライダークローズこと万丈龍我に対して謎の怒りを見せた一海や何故かエボルトと一緒にいることに対して怒りを覚えた美空に対して万丈はエボルトと同盟関係を結んでいる事を説明したが、それでも納得できない美空の反論に対してエボルトは急に同盟関係の解消を宣言してしまうもののその事に対して怒りを覚えた美空がエボルトに詰め寄るがその間に割って入った一海からエボルトが内海側に寝返った際には同盟を解消する事を約束した上で万丈に戦兎にどうやって報告するのかを聞かれた万丈は絶叫するのだった。一方その頃、東都に残っていた戦兎はエンジンブロスこと鷲尾雷と再会を果たすが、新世界のパンドラボックスで復活した事を告げられた戦兎はエンジンブロスに変身した雷から攻撃を受けてしまうのだった。そして、ビルドドライバーを装着しようとした戦兎だったが、エボルトによって変身能力を奪われていることを思い出した戦兎の目の前にマシンビルダーに乗った少女、森田ひかるが姿を現したのだった。そして、ひかるの腰に装着されたビルドドライバーとラビット、タンクのフルボトルを見た戦兎はこの世界に自分以外のビルドがいることに驚くことになるのだった。そして北都のビルドとしてエンジンブロスとほぼ互角の戦いを見せていたビルドだったがエンジンブロスを撤退させるために取り出したフェニックスフルボトルとロボットフルボトルをベストマッチさせて変身したフェニックスロボの力でエンジンブロスの変身を解除させるだけでなく鷲尾雷を撤退させることに成功したのだった。一方その頃、西都では田村保乃という女性があの最凶のシステムであるカイザーシステムとビルドドライバーを組み合わせた実験を成功させていたのだった。

ひかる「とりあえずあの人は追い払えましたね!」

戦兎「ああ、そうだな。それにしても驚いたよ。この世界に俺以外のビルドが存在していたなんてさ。」

ひかる「それは驚きますよね、すいません。」
戦兎「いやいや、君が謝ることじゃないんだよ。それにしてもどういう経緯でビルドドライバーを手に入れたか位は教えてくれないか?ひかるちゃん。」
ひかる「はい、分かりました。」
そして戦兎に尋ねられる形でひかるはビルドドライバーを手に入れた経緯を明らかにするのだった。
ひかる「私、北都で探偵をやっているんです。」
戦兎「探偵?」
ひかる「はい。こんな感じでやっているんです。」
そしてポケットから1枚の名刺を取り出したのだった。するとそこには可愛いフォントで森田探偵事務所所長森田ひかると書かれていたのだった。
戦兎「その探偵事務所はひかるちゃんだけでやってるのかい?」
ひかる「あ、いえ違います!ゆみちゃんも一緒なんです!」
戦兎「ゆみちゃん?」
ひかる「はい!関有美子ちゃんって言って昔から私と一緒にいてくれる所謂幼なじみみたいなものなんです!」
戦兎「なるほど、そうだったのか。それでその探偵事務所になにか依頼が来たのか?」
ひかる「はい。依頼というか協力して欲しいとある人物に頼まれたんです。」
戦兎「ある人物?」
ひかる「はい。それも戦兎さんが絶対に知ってる人ですよ?」
戦兎「俺が知ってる人だって?」
ひかる「葛城忍さんですよ。」
戦兎「嘘だろ?父さんだって!」
ひかる「はい!」
そしてひかるは副所長である関有美子と共に起きた葛城忍の出会いからの出来事を語り始めるのだった。
回想
ひかる「ゆみちゃん、まったく依頼が来ないんだけど~!」

有美子「そんなこといっても仕方ないけん。気長に待ってみようよ。」
ひかる「そんなこと言ったって気長に何ヶ月も待ってるんよ?それなのに全く依頼が来ないなんておかしいよ!」
そんな事を話していたひかると有美子の元に1本の電話がかかってきたのだった。
ひかる「ほら、来た!はい、森田探偵事務所です!」
?「あ、もしもし?ひぃちゃん?」
ひかる「え?もしかして保乃ちゃん?」
保乃「そうやで!ビックリしたやろ?」

ひかる「ビックリしたよ!それでどうしたん?」
保乃「あのな。じつはほのな、ひぃちゃんとゆみちゃんに会わせたい人がおるんよ。」
ひかる「私達に会わせたい人?」
保乃「せやねん。だから今から言う場所に来てくれへん?」
そして、私とゆみちゃんは西都にいる保乃ちゃんに会いに行きました。
ひかる「保乃ちゃん!」
保乃「ひぃちゃん、ゆみちゃんも久しぶりやな!」
有美子「本当だよ。同じ北都の出身なのにさ、全く顔出さなくなって。」
保乃「ごめんってば。あ、そうだ!紹介するね!保乃のカイザーシステムに協力してくれてる葛城忍さん!」
忍「どうも、葛城忍です。噂は田村くんから聞いてますよ、なんでも北都に探偵がいると。」

ひかる「そんなに大した活躍はしてないんですけどね。」
有美子「そうなんです。」
保乃「そんな冗談、通じひんで!葛城さんは最近現れてるスマッシュ対策のために保乃に力を貸してくれてるしひぃちゃんだってスマッシュと戦う力が欲しいって言うてたやん!」
ひかる「確かに言ったけど別にそれを大声で言わなくても良いじゃん!」
そんな私とゆみちゃん、保乃ちゃんのやり取りを聞いていた葛城さんが私にアタッシュケースを渡しながらこう言ったんです。
忍「そうか、森田さんはスマッシュと戦いたいわけか。」
ひかる「まあ、地球を守る為だったら少しでも協力出来たらなと思っただけで…」
忍「こんな小さい身体でそんな強い意志を持っているとは!だったら森田さんにこれを託そう!開けてみてくれないか?」
そして忍さんに促されて私がアタッシュケースを開けるとビルドドライバーとラビットフルボトル、タンクフルボトル、北都のフルボトルが入っていたんです。
有美子「これって?」
ひかる「ビルドドライバーですよね?」
忍「ああ。この2つのフルボトルは私の息子、桐生戦兎が使っているビルドの基本形態に変身できるものだ。あとは君の出身地である北都のフルボトルにだけ対応したテクノロジーを入れているから他のフルボトルは反応しないようにしているよ。」
ひかる「ありがとうございます!」
忍「頼む、森田さん!戦兎を助けてくれ!」
ひかる「え?どういう事ですか?」
忍「これから先、あいつがビルドに変身できなくなる出来事が起きるはずなんだ。そうなったらの為に東都に向かってくれ!」
ひかる「分かりました、行ってきます!しばらくの間、ゆみちゃん留守番お願いね?」
有美子「こうなる事くらい予想しとっちゃったけど仕方ない。行ってらっしゃい、るんちゃん!」
回想終了
ひかる「これが私がビルドになった理由です!」
戦兎「そういう事だったのか…話してくれてありがとう、ひかるちゃん!」
ひかる「あ、いえいえ!きっと今話しておかないとこの先、戦兎さんと一緒に戦えないかもしれないと考えたので話しました!」
全ての話を聞いて戦兎は理解したのだった。ひかると有美子が旧世界での戦兎の父親であり科学者だった葛城忍が新世界となった今でも戦兎の事を必死に守ろうとしてくれていたことを。そして、そんな忍の頼みを聞きいれて北都から西都に向かいさらには東都にやってきたひかるに感謝を述べて喫茶店から戦兎が出ようとした矢先、戦兎とひかるに向けて銃弾が放たれたのだった。
戦兎「ひかるちゃん、危ない!」
ひかる「クエーっ!」
戦兎「だ、大丈夫か?なんかアマゾンの野鳥みたいな声がしたけど。」
ひかる「あ、すいません!ビックリするとこんな声が出ちゃうんです!でも、大丈夫ですよ!」
戦兎「そっか、それなら良かった。でも一体誰がこんなことを。」
ひかる「戦兎さん、あれ!」
ひかるの呼びかけに反応した戦兎が見た先にいたのは鷲尾兄弟の兄、鷲尾風が立っていたのだった。
戦兎「お前は鷲尾兄弟の兄貴の方だよな。なんでこんな所にいる?」
風「なんでだと。下らない質問をするな、桐生戦兎!決まっているだろ?この手で貴様とこの前雷を痛めつけてくれたその女を消すためだ!」

そう告げた風は再びネビュラスチームガンの銃口をひかると戦兎に向けたのだった。
ひかる「そ、そんなこと言ったってそっちから仕掛けてきたんでしょ!こっちは悪くないじゃん!」
戦兎「そうやって俺を狙うように頼んだのもエボルトの仕業なら俺は許さない!」
風「エボルトだと?あんな裏切り者、どうでもいい!全ては難波重工とあの方のためだ!」
そう叫んで放った風が放った銃弾は戦兎とひかるに届く前にとある人物の叫び声とバイクによって回避されたのだった。
?「ちょっと待ったー!ひぃちゃんと戦兎さんはやらせへんで!」
風「な、なんだお前は!」
戦兎「だ、誰?」
ひかる「え?保乃ちゃん?」
保乃「またせたな、ひぃちゃん!それからやっと会えて嬉しいで、戦兎さん!こんにちは、田村保乃です!はじめまして!」
戦兎「は、はじめまして。ひかるちゃん、もしかしてこの子が?」
ひかる「はい!この子が北都の出身で西都で研究者をやっている保乃ちゃんです!」
風「お前が誰であろうと私と難波重工の邪魔はさせない!」
そう叫んだ風はネビュラスチームガンにギアリモコンボトルを装填したのだった。
『ギアリモコン!』
『ファンキー!』
風「潤動」
『リモートコントロールギア!』

リモコンブロス「まずはお前から消してやる!」
保乃「それやったらほのやって戦うで!」
そう叫んだ瞬間、保乃は懐からビルドドライバーを取り出して装着したのだった。
『ビルドドライバー!』
『ギアエンジン!ギアリモコン!カイザーベストマッチ!』
『Are youready?』
保乃「変身!」
『禁断と破壊のテクノロジー!カイザービルド!フィーバー!』
カイザービルド「さあ、行くで!」
ひかる「え?保乃ちゃんがビルドになった!」
戦兎「おいおい、あのビルドはなんだ?」
ひかる「なんだってカイザービルドじゃないんですか?」
戦兎「カイザービルドだと?あれじゃまるでバイカイザーじゃないかよ!」
保乃が変身したカイザービルドを見た戦兎は違和感を覚えたのだった。その姿はまるでビルドではなく最強最悪のマッドサイエンティストこと最上魁星が変身したバイカイザーに酷似したビルドに戦兎は驚きを隠せなかった。
カイザービルド「行くで!ハアッ!」 
そして両肩に装着された歯車型のエネルギー波をリモコンブロスに向けて放つも、なんとかリモコンブロスは回避したのだった。しかし、この歯車型のエネルギー波にはある特徴があったのだった。
リモコンブロス「貴様、カイザーシステムを手にした位で良い気になるな!ハアッ!」
そしてネビュラスチームガンをカイザービルドに放ったがカイザービルドも華麗に銃撃をかわすと共に両手を広げて叫んだのだった。
カイザービルド「Uターンやで!ハイヤーッ!」
すると回避した歯車型のエネルギー波がそのまま帰ってきたのを防ぐ事が出来なかったリモコンブロスは直撃してしまうのだった。
リモコンブロス「グハッ!こ、この力は最上魁星の力か!」
カイザービルド「せやで!これが最上博士が開発したカイザーシステムの発展やで!ハアッ!」
そして一気に畳み掛けるように格闘攻撃を連続で放つも、ネビュラスチームガンで受け止めたリモコンブロスは銃撃をカイザービルドに向けて放つのだった。
カイザービルド「キャッ!」
リモコンブロス「お前ごときにやられる訳には行かないと言ったはずだ!」
そう叫んだリモコンブロスだったが着実にカイザービルドが与えたダメージが蓄積したのか片膝を着いてしまうのだった。
リモコンブロス「クソっ、ガタが来たか!」
カイザービルド「ほらな!せやったら一気に決めさせてもらうで!」
そう叫んだカイザービルドはビルドドライバーのレバーを回し始めるのだった。
『Readygo!カイザーボルテックフィニッシュ!』
カイザービルド「これで終いや!ハアッ!」
そして左足と右足から放たれた歯車型のエネルギー波で拘束すると共に強烈なキック技であるカイザーボルテックフィニッシュを放つのだった。
リモコンブロス「俺はこんな所でやられる訳には行かない!難波重工のためにもな!」
そう叫ぶと共にネビュラスチームガンでカイザーボルテックフィニッシュをリモコンブロスは弾き返したのだった。
リモコンブロス「今度はこちらの番だ!」
『ファンキードライブ!』 
カイザービルド「キャー!!」
そしてリモコンブロスはネビュラスチームガンにギアリモコンを装填して発動する歯車のような形状をしたエネルギー弾を発射するファンキードライブをくらってしまったカイザービルドは地面を転がってしまうのだった。そして反撃に転じようとしたカイザービルドに異変が起きたのだった。
カイザービルド「な、なんやと?これがあんたの本気の力か!それやったらほの…キャー!」
そして、リモコンブロスに向かって走り出そうとしたカイザービルドの全身から火花が大量に上がってしまい悲鳴とともにカイザービルドは動けなくなってしまったのだった。
カイザービルド「な、なんやねん…これ…」
ひかる「保乃ちゃん!戦兎さん、あれってどうなってるんですか?」
戦兎「体があの力に対応出来ていなかったか…それかシステムのテクノロジー上、何かしらの問題があったのか…だったらこのボトルを使え、保乃ちゃん!」
そして天才物理学者なりの方法で対抗策を考えた戦兎はカイザービルドに2本のボトルを投げたのだった。
カイザービルド「これは…?」
戦兎「安心しろ!これは西都のボトルだからカイザービルドで使っても暴走する事は無い!だから安心して使ってくれ!」
カイザービルド「ありがとう…戦兎さん、使わせてもらうわ!」
『サメ!バイク!ベストマッチ!』
『Are you ready?』
カイザービルド「ビルドアップ!」
『独走ハンター!サメバイク!イエーイ!』

カイザービルド「これやったらいけるわ!ハアッ!」
リモコンブロス「お前がどんな姿になろうと関係ないんだよ!」
そしてネビュラスチームガンから銃弾を放ち、サメバイクフォームとなったカイザービルドの前には無意味だった。
カイザービルド「このバイクのタイヤみたいなん、スゴイわ!コレやったらいけるで!」
そして、サメの尾鰭のような右腕とバイクのタイヤが装着された左腕による連続コンビネーションを放ち、そのコンビネーションを回避する事が出来なかったリモコンブロスは大ダメージを受けると共に吹き飛ばされてしまうのだった。
リモコンブロス「な、なめやがって!こいつを喰らえ!」
『ファンキードライブ!』
そして、怒りに任せてリモコンブロスは必殺技であるファンキードライブを放つも、カイザービルドはかわしたのだった。
カイザービルド「危なっ!でも今度はほのの番やで!」
そしてカイザービルドはビルドドライバーのレバーを回し始めるのだった。
『Readygo!』
『ボルテックフィニッシュ!』
カイザービルド「本当にこいつで終いや!ハアッ!」
マシンビルダーと巨大なサメのエネルギー体を召喚した後、カイザービルドを乗せたマシンビルダー、巨大なサメの順に強力な体当たりを繰り出す必殺技であるボルテックフィニッシュをくらったリモコンブロスは変身を解除したのだった。
風「ま、まさか…西都のビルドの力がこれ程とはな…覚えていろよ、次はこうはいかないからな!」
そう告げて逃げ出した風を見送ったカイザービルドの変身を解除した保乃はゆっくりとひかると戦兎の方向に向かうのだった。
保乃「戦兎さんのお陰で助かりました!ありがとうございました!」
戦兎「助かったようでなによりだよ。」
ひかる「あとは戦兎さんがビルドに変身出来たら…」
戦兎「俺はもういいさ。ビルドにならなくても天才物理学者として活動できさえすればな。」
保乃「あ!もしかしたらこれを使えば戦兎さんも変身できるかも!」
戦兎「これは!」
そして、保乃が取り出したボトルを見た戦兎は驚くことになるのだった。果たして保乃が取り出したボトルの正体は何なのか?

次回に続く


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