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仮面ライダークウガ完結編~五代雄介、最後の戦い~第1話「帰還」

長野県警の刑事、一条薫は一枚の写真を眺めながらとある記憶を思い出していた。
一条「フッ。あれからもう20年経つんだもんな。お前は今、どこで誰を笑顔にしてるんだ?五代。」
今から遡ること20年前。長野県の九郎ヶ岳遺跡から大量に復活を果たしたグロンギと呼ばれる未確認生命体。そして、そのグロンギを倒すために戦っていた古代の戦士、クウガの力を引き継ぐ事になった冒険家五代雄介は、相棒の刑事である一条薫と共に次から次へと迫り来るグロンギを倒し続けていた。そして、グロンギの数が残り少なくなるうちに明らかになった未確認生命体第0号ことン・ダクバ・ゼバの存在。そして全てのグロンギを倒せばみんなの笑顔を守り抜くことが出来ると信じていた五代は最後まで戦う道を選ぶのだった。そして、遂に最後の1体となったン・ダクバ・ゼバを倒すために究極の闇の力を手に入れた五代は、この戦いが終わったら旅に出ることをお世話になった人々に告げるのだった。そして、一条もまた究極の闇の力であるアルティメットフォームの力を手に入れた五代の最後の変身を見届けるために長野県の山へと同行したのだった。
五代「椿さんに聞いたんですけど、ベルトの傷、やっぱまだ直ってませんでした。だから、狙う時は“ここ”をお願いします。」
一条「五代……」
五代「いやもちろん、万が一、俺が“究極の闇をもたらす存在”になっちゃったらですけどね。」
一条「……こんな寄り道はさせたくなかった……。」
五代「え?」
一条「君には……冒険だけしていて欲しかった。ここまで君を付き合わせてしまって……。」
五代「ありがとうございました。」
一条「……?」
五代「俺、良かったと思ってます。だって、一条さんと会えたから。」
一条「五代…….。」
五代「じゃあ、見てて下さい。俺のーー変身。」
そして、五代はクウガの最強の力、アルティメットフォームとしてン・ダクバ・ゼバを倒すために戦い、お互いのベルトに傷をつけて最後は素顔の状態で拳でお互いに殴り合うのだった。五代は泣きながら殴り、ダクバは笑いながら殴り合うのだった。そして渾身の一撃でダクバを倒した五代は一条の叫び虚しく長野の山から姿を消したのだった。
一条「お前がどこかで笑っているならそれで良いさ、五代。」
実加「一条さん。何やってるんです?」
一条「実加ちゃん。どうしたんだ?」
実加「さっきから1階にお客さんがいるってずっといってるじゃないですか?あ、その写真って五代さんですよね?懐かしいな。もうあれから20年だったんですもんね!」
一条「そうだな。実加ちゃんが俺と同じ刑事になったなんて五代が知ったらあいつきっとビックリするんだろうな!」
実加「それできっとこういうんじゃないんですかね?大丈夫!実加ちゃんなら立派に刑事を務めきれると思うよ!だから、大丈夫👍ってね!」
かつて、五代に助けられた夏目実加もまた刑事であり、一条の部下として活躍していた。そんな実加もまた五代と再会を果たしたいと思う人物の一人だった。
実加「私も五代さんにあって伝えたいんです。私もなんかやるときが来るの答えが出来ましたってね!」
一条「そうだな。」
なんかやるときが来る。その言葉を五代が実加に伝えたのは五代がペガサスフォームの力を手に入れる原因となったグロンギと戦った時であり、その時は実加が父親をダクバに殺された後の捜査が続かない事に苛立ちを覚え、人間不信になると共に自分の生き方に悩んでいた時だった。
五代「実加ちゃん。君にもいつか、なんかやるときが来ると思う。お父さんもきっと、それを楽しみに見守ってくれてるよ!」
その言葉を胸にグロンギとの戦いに協力した後、実加は懸命に勉強して警察に入り、一条薫と同じ捜査一課の一員として活躍していた。そんな実加が一条に会わせたいお客さんこそかつての仲間であるあの人物だった。
一条「それで、俺に会わせたい人って?」
実加「ああ、そうでした。じゃあ行きましょうか!」
そして、1階に降りていくと懐かしい声が聞こえてきたのだった。
?「もう、一条さん!屋上から降りてくるまでに何分かかってるんですか?」
一条「遅くなってすいません!それからお久し振りです、桜子さん!」
桜子「本当に遅すぎますよ!お久し振りです、元気でしたか?一条さん!」
彼女は沢渡桜子。古代文字を解読し、五代雄介が仮面ライダークウガとして戦うための力を与えるために協力してきた研究者であり、五代や一条の良き理解者の女性だった。そんな桜子が再び一条の目の前に現れた事から人類は再びあの未確認生命体の恐怖に苛まれる事になるのだった。
一条「それで、俺に何か用があったんですよね?桜子さん。」
桜子「そうなんですよ!実は一条さんと実加ちゃんに見てもらいたい映像があって。」
一条「良いですよ。じゃあ会議室へ行きますか。」
そして、桜子と一条、実加は長野県警の会議室でとあるDVDを見る事になるのだった。
桜子「じゃあ再生しますよ!」
一条「はい。」
実加「お願いします。」
そして、そこに映された映像は一条と実加にとって衝撃を受ける内容のものだった。
一条「これって九郎ヶ岳遺跡ですよね?」
桜子「はい。でも良く見ててください!あり得ないことが起きますから。」
実加「一条さん、これって!」
一条「嘘だろ?未確認生命体、いやなんでグロンギがこんなに復活を?これだったら五代や俺達がやったことは無駄だったって事ですか?」
桜子「それにここを見てください。未確認生命体第0号だと思うんです。」 
一条「確かにこの姿は未確認生命体第0号ですね。でも、なんで奴までもが復活をしたんだ。あいつだって五代が。」
実加「一条さん!その隣にライオンみたいなグロンギと鳥みたいなグロンギがいますよ!」
一条「本当だ。ということはこいつらも第0号と同等の力を持った奴ということか。」
桜子「そう思ってもらっても過言ではないかと。ただ問題が一つだけあるんです。」
一条「問題?」
桜子「ええ。ここを見てください。グロンギ同士で戦っているんです。しかもこのグロンギ、クウガみたいに色んな力を使ってるみたいで。」
一条「こいつは未確認生命体第46号ですね。まさかこいつまで復活していたとは。」
実加「じゃあ説得すれば彼を味方にすることも出来るって事ですよね、一条さん!」
一条「さあ、どうだろうな。こいつらは自分達の戦いをゲームとしか思っていない。たとえ46号が裏切り者の烙印を押されたとしてもこちらにとっては得策ではない。むしろ最悪の展開が訪れるかもしれない。あれから20年経ってクウガがいないこの時代に大量のグロンギと一匹狼のグロンギか。桜子さん、ありがとうございました。杉田さんと作戦を練ってみます。実加ちゃん、行くぞ!」
実加「あ、はい!」
桜子「待って、一条さん!ああ、もう!せっかく一条さん用にアークルを作ったのに!」
桜子が見せてくれた映像を元に再び未確認生命体対策室を立ち上げることを胸に秘めた一条と実加を見届けた桜子は一条にとある贈り物をしようとしたが、失敗に終わるのだった。そして、長野県警から帰ろうとした桜子がテレビで見たものはなんと3体のグロンギが街で暴れている映像だった。
桜子「そんな…私達は…どうしたら良いの?五代君!ううん、こうしちゃいられない!一条さんにアークルを届けないと!」
そして、桜子は一条達の元へと向かうのだった。
一条「そんな。嘘だろ、あり得ない!何故第0号が警察を破壊しているんだ?」
実加「一条さん、危ないですって!」
ン・ダクバ・ゼバ「ねぇ、遊ぼうよ!」
そう告げながら火炎攻撃で長野県警を破壊するダクバを見た一条と実加は動くことが出来なかった。
一条「くそっ、俺達は何も出来ないのか?ただ黙ってあいつの破壊を見てるだけなのか!すまない、五代!お前の頑張りが無駄になってしまった!」
実加「あいつのせいでお父さんが。お父さんを殺した敵が目の前にいるのに何も出来ないなんて。私はやっぱりあの頃から何も変わってないのかもしれない…五代さん、私やっぱりダメかも。」
そんなことを一条や桜子、実加が思っていたその頃、日本に1人の男が20年振りに帰ってきたのだった。
?「んー!やっぱり久々の日本はいいな!空気が新鮮で美味しい!さて、みんなは元気にしてたかな?一条さんにみのり、桜子さん、実加ちゃん!早くみんなに会いたいな!ん?あれってトライチェイサーだよね?もしかして一条さん達に何かあったのかも!」
そして、謎の男はトライチェイサーに乗り込むと一条達がいる長野県警へと向かうのだった。
ン・ダクバ・ゼバ「ねぇ、みんなで遊ぼうよ!」
そうして火炎攻撃を再び長野県警に放ったダクバの前に呆然としていた一条を発見した桜子がアタッシュケースを手にしながらやって来たのだった。
桜子「一条さん、これを使ってください!」
一条「桜子さん、これって?」
桜子「一条さん、前に言ってましたよね!五代君の助けになるなら自分も戦いたいって!」
一条「確かに言いましたけど。」 
桜子「これは、五代君のアークルを参考に作ったプロトタイプのアークルなんです!だから、これを使うと一条さんもクウガになれるんです!」
実加「五代さんがいない今、グロンギを止めれるのは一条さんだけなんですよ!だから戦ってください!」
一条「俺が五代の代わりに。分かりました、やってみます!」
そして、一条が腰にプロトアークルを装填しようとした矢先、長野県警にバイクの轟音が鳴り響くのだった。
五代「何やってるんですか?一条さん!桜子さんに実加ちゃんまで!」
一条「五代!」
桜子「五代君!」
実加「五代さん!」
五代「みんな、ただいまです!👍」

そこには20年振りに日本に帰ってくると共に相変わらずのサムズアップをしていた五代雄介だった。
ン・ダクバ・ゼバ「久し振りだね、もう一人の僕。」
五代「お前!」
桜子「五代君、戦っちゃダメよ!」
実加「そうですよ!今度こそ究極の闇になったらどうするんですか、五代さん!」
一条「五代、お前の代わりに俺が戦う!」
五代「待ってください、一条さん。あいつは俺が倒します!だから見ててください。桜子さんも実加ちゃんも俺のーー久々の変身。」
そう告げると腰にアークルを出現させた五代がポーズをとりながらアークルの脇のボタンを押すのだった。
五代「変身!」
次の瞬間、五代の体が黒く光り輝くと共に究極の闇の力に対抗できる最強形態、アルティメットフォームに姿を変えたのだった。

クウガ「じゃあ、行ってきます!」
そう告げてクウガは再びダクバと相対する事になるのだった。




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