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超能力を持つ者達~ミュータント~第1話「街に現れる爪の男」

雨は嫌いだ。雨が降ると記憶が無いのに何故か頭が痛くなる。そしてその失われた記憶の先に俺がこの力を手に入れた理由も分かるかもしれない。俺は、ミュータントだ。ミュータントとは超能力を生まれながらにして持っている種族…らしい。しかし俺はこの力を何処でどうやって手に入れたかなんて全く覚えていなかった。そしてこの世界には、ミュータント法がある。ミュータントだからと言うだけで迫害を受ける者や差別される者、馬鹿にされたり虐められる者。そんな奴らを見ると俺はこの世界ではミュータントが生き残る術はないんだろうと考えるようになった。そして、そんなミュータントが人類と敵対する世界だろうと何だろうと今から話す事は全て本当の話になる。例え記憶が無い俺でもこの話だけは真実だと胸を張って言うことが出来るだろう。正義と悪に別れたミュータント同士の戦い、ミュータントを守るための学校、そして俺の仲間となる雷、念力、目からレーザーを出すために力を制御している女、俺たちを率いるリーダーの女、そして敵として立ちはだかる重力を操る女やどんな奴にも変身できる女、俺を執拗に狙う男。俺はこんな戦いに巻き込まれる事になるなんて思いもしなかった。あの日、たまたま入ったレストランの駐車場で一人の女と出会うまでは。俺の名は佐藤〇〇。俺の力は…追々明らかになるだろう。

雨が降る道を1台のバイクが轟音と共に駆け抜けていた。そのバイクに乗っている男の名は佐藤〇〇。彼は旅をしながらたまたまやって来たこの街で空腹を満たそうとレストランの駐車場にバイクを止めると物陰で何やら揉め事が起きていた。
〇〇「はっ。またナンパとか言うやつか。俺には関係ない、捕まった女が悪いからな。」
そう告げてバイクから降りた〇〇はタバコに火をつけてレストランに歩き出した。
男A「良いじゃん、1人なんでしょ?遊ぼ?」
?「やめてください」
男B「俺らと遊んだ方が楽しいよ?ご飯も奢るし。」
?「離して下さい!やめて!」
男C「嫌がるのも可愛いね。早く行こ?」
?「嫌だ!誰か助けて!」
男D「助けを求めたって無駄無駄!誰も来ないよ?早く一緒においで?」
?「やめて!キャー!!」
次の瞬間、ナンパを装って連れ去ろうとした男たちに女性は口から音波のような衝撃波を放ち、男たちを吹き飛ばした。
〇〇「ん?今のは…まさか!」
そしてその衝撃波を感じ取った〇〇が振り返ると吹き飛ばされた男たちが立ち上がり、口々に叫ぶのだった。
男A「お前、ミュータントか?」
男B「なんだよ、普通の女だと思って損したぜ。」
男C「お前みたいな奴がこの世界にいる事が不愉快なんだよ!」
男D「消えろ、化け物!」
?「お願い、やめて。助けて!」
そして女性に対して男たちが木の棒や鉄パイプで攻撃しようとした矢先、〇〇が背後からその攻撃を止めた。
〇〇「おい、やめろ。嫌がってるのがまだ分からないのか?」
男A「はぁ?あんたには関係ないだろ?引っ込んでろよ!」
〇〇「悪いがそういうわけにはいかない。」
男B「うるせぇな、邪魔だよ!」
〇〇「お前らみたいなクソがな。」
男C「おいおい、喧嘩売るなよ。正義のヒーローぶりやがって!」
〇〇「悪いことは言わない。武器を捨てて早く消えろ!」
男D「うるせぇな、黙れ!」
そう告げて1人の男が〇〇の頬に木の棒で殴ると次の瞬間、全員が驚いた。
男A「お、お前…まさか」
男B「この傷の治り方…」
男C「ヒーリングファクター…嘘だ!」
男D「アダマンチウム製の鉄の爪…お前が…ウルヴァリン…」
?「え?」
〇〇「ウルヴァリン?なんだ、それ?」
そして〇〇は男達が口々に言うウルヴァリンという名前に疑問を抱きながらも男達に鉄の爪を見せつけながらゆっくり立ちはだかるのだった。
〇〇「悪いな。俺はどうやってこの力を手に入れたか全く覚えてないんだよ。」
男A「記憶喪失ってやつか!なら…」
〇〇「だから俺は…手加減なんか出来ない!」
そして襲いかかる男Aを〇〇は鉄の爪による一撃で吹き飛ばした。
男B「や、やりやがったな!」
〇〇「甘いんだよ!ハアッ!」
そして男Bのパンチを交わした〇〇は鉄の爪による強烈な一撃で壁に吹き飛ばした。
男C「2人を潰しやがって…この化け物が!」
〇〇「甘いな。そんなチンケな攻撃…当たらねぇよ!ハアッ!」
そして男Cの鉄パイプによる攻撃を何度も受け止めた〇〇は鉄の爪で鉄パイプを真っ二つにすると共に鉄の爪による一撃で吹き飛ばした。
男D「た、頼むよ…命だけは助けてくれよ!」
〇〇「安心しろ。お前らの命なんか取らねぇよ。」
男D「よ、良かった…」
そして男Dに背を向けて歩き出した〇〇に男Dは木の棒を持って襲いかかった。
男D「騙されたな、化け物!」
〇〇「これではっきりわかったよ、お前ら人間は…クズだってな!」
男Dが振り抜いた木の棒を交わした〇〇は木の棒を踏んづけた状態で振り向き、鉄の爪による一撃で吹き飛ばした。
〇〇「大丈夫か?」
?「は、はい。助けてもらってありがとうございます。」
〇〇「礼には及ばないさ。それよりもあんたもミュータントなのか?」
?「は、はい。私、何かに襲われそうになると助けを求める代わりに音波?みたいなのを出すんです。」
〇〇「なるほどね。そういう力か。」
?「は、はい。あと私は森田ひかるって言います。」

〇〇「ひかるか。俺は加藤〇〇、呼び方は好きにしてくれ。」
ひかる「じゃあ、〇〇さんで。」
〇〇「分かった。よろしくな、ひかる。」
ひかる「はい、よろしくお願いします。」
こうして加藤〇〇と森田ひかるが出会ったことにより〇〇はミュータント同士の全面戦争に巻き込まれる事になるのだった。そして、ファミレスに向かって歩く2人を見つめる謎の影の正体は一体何なのか?
?「フー…フー…見つけたぞ、ウルヴァリン!」
to be continued…




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