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定年延長は絵に描いた餅。定年前に企業が潰れる。

  企業の平均寿命は30年です。新卒で入社した会社に70歳までいられる可能性は低い。同じ会社でずっと頑張ろうと思っていても、50歳で会社が潰れるでしょう。そうなったら、もう転職が難しい。定年が何歳だろうと、それ以前の話だ。

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 はっきり言って企業の側から言うと、70歳まで残られると損なのです。慣例として給与を下げられない。でも70歳は50歳と同じ働きはできません。だから50歳を雇うことはない。その人は、たぶん70歳まで会社に残るからだ。

  仮に道義的責任から高齢者を雇う企業があったとしても、その会社は利益が出ないので倒産するでしょう。残るのは高齢者を雇わない会社だけです。
  だから定年延長は40~50歳の雇用を減らすのです。70歳まで働ける人はいなくなります。
 大局的に見れば良いことはない。

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 結局のところ利益を生まない人材を、法律で守って無理やり雇用させ、給与も保証しようというのは無理があるのです。
 それは今日現在60歳前後の正社員を守るだけだ(注1)(注2)。

注1:繰り返しになりますが、国が企業に対して「高齢者を守れ」と強制することはできません。「今いる高齢社員」を守れと規制をかけることはできる。しかし「あらたに高齢者を雇え」は無理筋。
 また、ここは盲点なのですが、もっと根本的な話として国民に「高齢者を雇う企業を作れ」と命令することはできない。企業が「稼げない社員の雇用」を強制されたら、多くの事業が経営的に赤字で成立しなくなる。だから起業が減るのです。

 こういう事(老人福祉)は国がやるしかないのです。自民党は、それを民間企業に押し付けようとしている。根本的な間違いはそれです。

注2:もし政府が70歳、75歳までの雇用を経営者に強要したら、ちょっと賢い経営者は社員が老人ばかりになる前に会社を精算をする(or計画倒産する)と思います。
 経営的に将来がないとわかったら、事業を畳むのは経営としては当然の判断です。遊びでもボランティア活動でもないですから^^;

 あれこれと策を弄しても、結局のところ、人は生み出した以上に得ることはできません。世の中はギブ&テイクです。これは本質的な話なので、どうにもならないでしょう。
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 ベーシックインカムを導入しても、結局のところ、それは誰かが払うわけだ。つまり高齢者の生活費は若者が払うことになる。
 この状況は、一人の一生に注目すれば、若いうちに自分の稼ぎを老人に渡し、自分が年を取ったら逆に若者からもらうという事。
 でも、それだったら始めから一人一人が若いうちに貯金をすれば済む話です。いたずらに複雑にしない方がいい。自分が使う金は自分で稼ぐというのが最も公平で納得できる話でしょう。そうしないとただ乗りする人間が現れるからです(注2)。
 
 結局のところ、今やっていることが、どうやら一番ましな方法なのです。

注2:ベーシックインカムは国民の「民度」が高ければ、理想的な解の一つです。「老人、子供に自分の金を使ってもらうのが当然。困ったときはお互い様」という文化があれば、うまくいく。日本人みんなが信頼関係にあれば成立する。
 しかし、残念ながら現実はそうではない。自分の子供の養育費すら払わない人間がゴロゴロいる。無理です。

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おまけ
 でも貯金できない人もいるでしょうね。じゃあ、どうすればいいのか?
  私は知りません^^;
 そんなものは自分で考えるしかない。私だって80歳まで健康に生きたいですが、できません。というか方法は思いつきませんw
 そして自分で出来ない事を、他人に何とかしてくれと言ってみたところで、余程のことがなければどうにもなりません。皆さん、自分と自分の子供の事だけでも手一杯なのです。

 そして特に、政府に期待しても無駄でしょう。自分の選挙公約さえ守らない政治家が、仮に40年、50年後の「安心な将来」を約束したところで実現するはずもないです。そもそも、その政治家は40年後には、この世にいないでしょう。責任なんか取りません^^;

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