プランシィのキャラ改変が悲しい

(7月4日追記)
 「護衛を連れずに弟を未踏地に連れて来ている」と書いてありましたが、実際には「護衛は連れてきていたが護衛に逃げられて置き去りにされた所をソロモン一行に助けられる」という経緯で、誤りだったので該当部分を削除しました。確認不足で申し訳ありません。
 それを踏まえてもバエルイベの「危険な所にはそもそも子供を踏み入れようとさせない、引き返すように促す判断をする」と「未踏地に幻獣がいることを知った上で、初対面の信頼できるか分からないソロモン一行に護衛を頼み、そのままコランを帰さずに調査を続行する」は格差があり、記事の主旨自体は変わらないと判断しました。

 タイトル通りの話なんだけど、前提としてバエルイベの話単体では本当に良かったし、褒められる所もたくさんあったし、バエルの選択には本当にグッと来た。その分プランシィのキャラ改変でノリきれなかったのが残念に思うくらいには。

 まず、自分は性格が悪いキャラや人格がヤバいキャラが好きで、メインストーリー4章での危険な未踏地に年端もいかない弟を連れてくるし、弟を褒めるのに「便利でいい子でかわいい!」と言う利己的で自分勝手で子供っぽいプランシィが好きだった。
 自分の好みを置いておいても、こういう性格のプランシィに付き合っているバエルが「自分が老いて死ねる方法を発見してくれるかもしれない」という利己的な期待をしており実際には相互に利用し合う関係でありながらも、本気でプランシィを愛していると明かされることに衝撃を受けたしある種のカタルシスがあった。バエルが色んな家庭を渡り歩いてヴィータの悪い所良い所を知った上で、あまり良い方とは言えないプランシィまで愛しているのが本当にヴィータが好きなのだと感じられるし、プランシィのあの性格にも物語上の意味があった。

 一方でバエルイベのプランシィは子供たちの監督者の1人として、危ない場所に入らないように注意したり、子供たちを守ろうと何度も行動し、一人で去ろうとするコランに姉として、立派な保護者として、エリクとシールのように迫害される可能性もある中で、コランを想うからこそ共に歩む道へ導こうとする。


 だ……誰!?!?!

 4章の描写と真逆すぎる!今まで俺が好きだったプランシィは…!?見た目はお姉ちゃんと弟なのに、中身は自他の区別が曖昧なデカい2歳児のプランシィを100歳くらいのバエルが面倒見ているという関係は…!?

 愚痴はひとまず置いておいて、メギドの運営がリジェネや改稿にあたってキャラ改変するのは今に始まったことではないが、今まで明らかな設定ミス以外では改稿の前例がないメインストーリーの描写と整合性が取れなくなっているのは作品としてどうなのだろう。(イベントの中でも危険な状況でも探究心が出てしまったり、おっちょこちょいなのでバエルくんが面倒を見たりという描写はあったが、4章の倫理観の欠如した性格から、ちょっとドジ程度に抑えられている。子供の扱いについては最早別人に感じる)
 前述したようにバエルイベとメインストーリーではそれぞれの良さがあり、たとえ整合性を取れるようにしたとしても、どちらに寄せてもその良さが損なわれてしまう。そういうキャラ改変だった。



 逆に一旦どうにかして現状で整合性を取れるか考えてみる。
 「元々は利己的な関係だったのに相手を愛してしまったが故に苦しむようになった」というのはバエルのキャラクターの本質で、苦しみながらもより利他的な選択をするようになったというのは自然な流れであり、このリジェネは本当に良かった。
 もし「相互に利用し合う関係から相互に利他的な関係となった」というオチならば、どうだろう?
 これなら大まかには自然な流れに思えるが、しかしながら、4章の後からこれまでほとんどキャラクターの描写に時間が割かれていなかったプランシィの倫理観が急激に改善しているのはあまりに不自然であり、仮にそうだったとしてもプランシィがそこに至るまでのプロセスが抜け落ちている。元々のプランシィの性格の苛烈さから考えると、あえて語らない美学とは言えないと思う。
 それに正直、実際に描かれているのはどちらかといえば「秘密にしていることに負い目を感じていたバエルが既に相互に利他的な関係であったことに気付く」というオチだったと自分は思う。

 もし「プランシィはコランがメギドと知っていたから」未踏地へ連れて来ていたとしても、これまで相互に利用し合う関係だと思っていたのが、一方的に情報の不均等がある状態で、プランシィはコランがヴィータだと思っているフリをしながら、コランの「メギドであるというパーソナリティ」に頼ろうとしていたことになり、それは「プランシィはコランを一方的に利用している」というフェアではない関係ではないか?とも考えてしまう。(元々は互いに利用し合っていたのである種バランスが取れていた)
 そうなるとプランシィがコランに対して明確に利用の立場を取っていて「コイツはヤバいな」と思わせるより本来のメインストーリーよりも、気付いてないフリを愛情として肯定されながらもプランシィはメギドとしてコランを一方的に利用しているというグロテスクでアンバランスな状態になってしまうのではないか?と思う。

 自分の中ではこのイベントとメインストーリーの話の整合性が取れるのはどうやら無理そう。


 はっきり言ってプランシィがこの性格から一定の読者層に嫌われているのは知っているし、多分今後登場することがあればこっちのキャラクターでいくんだろうな、とは思う。今回のイベントでプランシィ好きになったって感想も見る。
 だけど自分が好きだった部分がまるで最初から無かったみたいな描かれ方は悲しいし、自分が好きだったプランシィが今の運営に受け入れられなかったのも、整合性を与える為の尺さえさかれなかったのもすごく悲しい。アンケートにも書く。
 ついこの間にコシチェイやロクスみたいな、社会から排斥されて勝負さえさせてもらえないから害獣になるしかなかった人物を描いてくれてたのに、あの人格のプランシィが運営に勝負さえさせてもらえずに無難な性格のキャラクターになってしまったのも悲しい。
 多分少数派なんだろうなとは思うけど、あのどうしようもないプランシィが好きな自分までいないみたいなのは悔しいし、書き残しておく。

おわり

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