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ショウビジネスの国ごとの違いについて

英国のバンドが好きす。その理由としては個の強さと自由の感覚です。自宅で作曲し、小さいライブハウスから演奏を始める、徐々に大きな場所で演奏し、多くの観客を引き付ける様に成長していく。そこには紆余曲折があり、いいことばかりではありません。守ってくれる事務所もないし、騙されてお金が入ってこない場合もあります。でも、個人の才能だけで世界と渡り合っていく姿は英雄譚として常に興味深いものです。

日本と英国、米国のショウビジネスの仕組みの違いについて整理しました。

英国音楽:私小説的に自己表現がスタート、地元でバンドを開始し、演奏しはじめる。スタートは自分から。個人のテイストが強い。演奏能力、作曲能力が重視される。小規模のライブハウス、クラブがそれらアーティストの活動基盤となる。芸能事務所はあるのだろうが、バンド個人がマネージャー、弁護士等を直接雇用するのが普通。

米国音楽:スタートは英国と同じだが、それをさらに大衆化し、多くの人に普及させる傾向が強い。サービス精神があり、一般受けを重視する。小規模のライブハウスからスタジアム規模まで様々な形態のバンドが存在している。英国と同様に演奏、作曲能力を重視。マネジメントも英国と同じ傾向。日本と同じようなアイドルグループも一応は存在している。世界中のショウビジネスの頂点、米国で成功することがエンタメ界の目標。市場規模が大きい。

日本:英国と同じようにバンドを始めたとしてもレコード会社、芸能事務所に所属しているかどうかで活動の方法、規模が違ってくる。事務所の力が大きく、テレビ出演の有無でバンドの売れ方が異なる。芸能事務所主導でコンセプトありきのバンドやグループを結成することも。演奏能力、作曲能力よりもプロモーションの仕方でバンドの規模が決まる。(演奏能力があった方がいい。)観客に対するもてなし、仕事としての演奏行為(特にアイドル)。音楽よりも歌詞が重視される傾向。

韓国:日本のアイドルをさらにブラッシュアップしている。お客あってのパフォーマンス。自己表現ではなく、プロとしてのエンターテイナー。観客に対するもてなしに徹している。ネットを使ったプロモーションが巧み。音楽よりもダンスや見た目が重要。芸能事務所が主体。21世紀の新しいエンタメのありかたなのか、今後の展開に注目。
(恐らく国を挙げてエンタメ業界をてこ入れしているのでは?)

英国、米国はカップル文化です、カップルやグループでクラブやライブハウスに行きます。そこで相手を見つけることもあります。そういった行為は一般的であり、日本の様に敷居が高い場所ではありません。日本のカラオケの様なものです。お酒を飲む場所でバンドが演奏するのは日常的な光景です。

日本の場合はクラブやライブハウスに行く人は少数派です。危ない場所だと思われている様です。逆にカラオケに行った事がない人は少数派でしょう。カラオケも知人と行くので新しい出会いはないでしょう。
決定的なのはカップル文化ではないことです、男女で娯楽が分かれています。その為アイドルビジネスが発達します。アイドルもそうですが、人気バンドのライブも若干宗教的です。アイドルやバンドに対する崇拝は、カップル文化ではない日本や韓国などの東洋の国の独特な現象だと思います。

19世紀のエンタメはオペラ、20世紀のエンタメはロックだったのでしょう、21世紀の新しいスタイルはどうなるのか、これからも注目していきたいです。

10月7日はレディオヘッドのトム・ヨークのお誕生日ですね、おめでとうございます~

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