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書けない。

noteをはじめたきっかけは、最近薄々気付いていたことに向き合うためである。そう、自分には、文章が書けない。昔は書けた(と思っている)。一番書けたのは大学生のとき。mixiに駄文散文を書いていた頃である。自分で自分の文章に酔えた。仲のいい友達が面白いとよく褒めてくれた。ある日、別の友達からの心ないコメントに反応してアカウントごとmixiを削除してしまった。どんな言葉だったかは全く覚えていないが、書くのが嫌になったのである。それはさておき、mixiに日記をつけていた大学生のときは自分が何者かになれると思っていた。だからろくに就活をしないで、就職先のないまま大学を卒業し、アルバイトを継続していた。しばらくして何者にもなれないと気付いてから勉強を開始し、ロースクールに通って司法試験に合格し、弁護士になった。

司法試験の論文試験というのは手書きでだらだらと文章を書く、というのをやる。それに向けて文章を書く練習をする。弁護士になってからも毎日文章を書く。依頼者とLINEやチャットでやり取りする際の文章。裁判所に提出する書面に書く文章、と。割と文章を書く機会は多い方であるといえるかもしれない。しかし、全く文章が書けなくなっている自分に気付く。

なぜなんだろうと今考えると、、、どうだろうか。笑いを取りにいってないことが原因のような気がする。良い文章とは?その答えは端的に「面白い文章」であろう。笑える文章であろう。そう。司法試験の論文で笑いをとりに行くと落ちる可能性が高いし、裁判所に提出する書面で笑いをとりに行くと敗訴する可能性が高い。日常、ただただ、笑えない文章を書いているのだ。

抗おうとはしている。昨年M-1グランプリの予選に出場した。結果は1回戦敗退。今年も出る予定である。コンビの相方と週1でネタ合わせをしている。ネタは自分が書いている。

まだ終わっていない。まだ何者かになれるチャンスはある。万が一1回戦を突破できたら「芸人」と名乗ろうと目論んでいる。M-1の予選は、活動開始から15年以内のコンビが出場できる。多分あと13回出れる。笑いをとりたい。



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