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ゆるっと夏を感じたお話 - 夜明けに蛍 0:32

この曲を歌おうと衝動的に思ったのは23時が過ぎた頃、最近はすっかり寝静まった時間帯でした。

淡い月も駅の蛍光灯で霞んでしまって見えもしない。

人身事故が起きていつもの電車が乗れなくて、明日待つお偉い方との面談もこの先どうなるかもわからない瞬間でした。

ただ少しだけ平衡感覚があやふやになった明け方の平日はきっと空が綺麗なのだろうなと思ってた。

この夜を残しておきたいと思った。

空気と、会社に勤めて半年が過ぎた今の自分の生々しい肉声を残してみたいと。

着物を着た白髪のお婆ちゃんが青いスーツを着た男性に改札前でお礼を言っているとか、サンダルのサイズが合ってない半ズボンのお姉さんとか、地下に降りた時のむせ返る空気だとか。

いつもは見ないトンネルの暗さだとか、将棋を一心不乱にiphoneで挿す会社帰りのお兄さんだとか。

ぶつぎれた、浮かぶ月が見えた、空。

懐かしく感じたニコニコ動画のタグ。

花と水飴、最終電車 に当時感じた切望と若さ。

日本の夏の特異性に毎年言えもしない感情を抱いてイギリスに帰って、今年は帰る先無く過ごす初めての夏で、すこしむしゃくしゃしていたのだと思う。

誰かがボーカロイドは視聴者が勝手に自己投影することが魅力だと言っていたので私も残していきたいと思った。

片耳を外すと聞こえなくなる音楽。

マスクに籠る熱。

翌日を1分過ぎた、そんな冷たくない、暑くもない、蒸し暑いだけの夜に歌った歌です。

https://youtu.be/tovbmNpXbhk

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