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ゆるっと感じた町田とロンドンの路上ライブの違い

初めましての方は初めまして、どうも歌って撮ってイギリスで育った桜田有 (サクラダ ユウ)です。

今回は2年前に初めてした日本での路上ライブ経験で「国によってこんなにも違いがあるのか!」って驚いた時の経験を少し振り返って書こうかなと思います。ま、イギリスではもっぱら見る専門で、さらには限られた日本の駅でしか路上ライブを見たことがないんですがね。

それでも気づいた違和感をお話ししますね。

後私のオススメな路上で見つけた外人アーティストさんも(勝手に)最後に紹介させてください。

ではゆるっと行きましょう。


町田駅での路上ライブ

そもそも私が何をベースにしているかって自分の経験と見たものなんです。なのでそこから始めた方がいいのかなぁと。

そもそも私は不特定多数の他人の前でこの時まで歌ったことがなくて、傲慢にも歌の腕試しと思い日本滞在中に二週間、路上に優しい場所を調べて約10回ぐらい町田駅で路上ライブしました。

アマゾンで買ったroland cubeのアンプに、携帯から音源流す用のコード、マイク、マイクコード、スタンド、楽譜スタンド、そしてスーパーでもらってきた段ボールに装飾した宣伝箱とムーミンのぬいぐるみを入れた麦わら帽子。ざ最低限。

ひとまず腕試しなんだからと通り過ぎていく人が少しでも投げ銭を投げたらそれが自分の今の価値、興味をもってSNSフォローしてくれれば大勝利、とか気持ちを固めながら準備してました。まぁ立ち止まって数十秒でも聞いてくれたら嬉しいよなと、ドキドキしながら駅の渡り廊下で場所取りして初めて歌いました。


①駅なのに立ち止まる人

路上ライブは歩道や公園、駅や広場などの屋外や公共の場で演奏、パフォーマンスすること。これに関しては(ライセンスの有無は別にとして)ロンドンも町田も一緒なんです。
でも私がここで気づいたのは町田の駅での路上ライブって、どうやら道行く人の受け入れ方が違うんですね。

みんな「立ち止まる」んですよね。

かるちゃーしょーっく!

ロンドンで電車を使って移動する時、いつも思うんですけど駅での路上の何が不利かって、みんな意図を持って行動しているから立ち止まらない、立ち止まってもすぐ退くことなんですよね。ポッケに入ったコインを投げて投げ銭を渡したり、「君の声好きだよ!」「いい歌だ!」みたいに一声かける人がいても、駅という人が目的を持って往来する場所において一曲分丸々聞いて立ち止まることは酔っ払った姉ちゃんがクラブノリの抜けないままに踊ってる意外でまず見たことがないんですよ。

酔っ払ってるわけでもなくクラブ帰りでもなく、もちろん踊るわけでもないのに立ち止まって何曲も聞いてくれる通行人A,B,Cがいるだなんて私は嬉しさ半分に動揺してしまったんですよ。それでさらに想定外だったのは流石に用意した2時間の音源のプレイリストが2巡目に入りかけても相も変わらず皆さんが立ち止まったまま聞いてくれたこと。本当にびっくりした。

というかびびった。(激しい動揺)

とりあえず、一旦心の平穏のために切り上げたらここでまた私の知らない世界に突入。


②立ち止まってくれた「通行人」との距離

これに関してはイギリスで路上の経験をした者しか明確な比較はできないと思うけど、ありがたいことに町田では歌い終わった後に最後まで聴いてくれた何人かが話しかけにきてくれたんですよ。そしてその中にいろんな方の路上ライブを見に行かれてる方もいてアドバイスをいくつかもらったんですけどそれが全然ロンドンでは見ない手法で、目から鱗でした。

フィードバック内容に手書きのビラやMCを取り入れてはどうかとアドバイスされたんですよね。

かるちゃーしょーっく!

ロンドンで見る路上の多くはでかでかと目立つように電子版やホワイトボードにSNSのIDを乗っけて、それを投げ銭箱のギターケースにもし売ってればCDとともに置いて放置。話しかけるのであればMC越しかお客さんの方から曲の合間を縫って来る。基本的に立ち止まっているリスナーさんのところに個人個人で回っていったり観客に干渉するアーティストさんはあんまり見たことがないんですよ。もちろんそれも基本的に通行人をリスナーではなくあくまで通行人のままとしているからかもしれませんが。

私の場合はまずCDがないか聞かれて、お断りしたまではただただ嬉しかったんですけど、その後になにか配っているものはあるのかを問われないと答えた私に「ID入りのビラ、特に手書きのものはとても効果的だよ」と言われてハッとしました。日本ではちょっとでも興味がありそうだったら積極的に一人一人の「通行人」をこうやって「リスナーやファン」に変えようと 働きかけるのだな、と。日本での路上ライブでは観客との距離は大事なのだと思った瞬間でありました。

ロンドンのように基本通行人には無干渉で投げ銭を投げてくれた時にはありがとうございますと言う言葉ぐらいしか交わさない状況を予想していた自分にとって、その1回目の路上ライブでは日本で路上する上での曲の組み方やMC、小物、色々とそこで変わりました。

蛇足、名刺サイズの紙にひぃ腕いてー!と手書きで書き書きした翌日、作りすぎて余るよねと思っていた紙はどんどん配ってたら普通に消えてあ…って腕が痛みました。それからはしっかり立ち止まって見ててくれる人に限定するようになりました。いや大事。


③質

最後にこれは自分の経験というよりかは観察していて思っていたことなんですが、東京とロンドンだとアーティストやパフォーマーの質が違うなということ。
単純に演奏している演者さんの上手い下手のバランスもありますが、そういうの以上に独特なものです。

まず①にイギリスでは駅などの決まった路上スペースが多くあるので見かける多くのアーティストがどれもライセンスを取得できるほどの実力者であること。

アーティストにとってはライセンス化されてるおかげで上手ければ路上ライブできるってことですけど逆に駆け出しや私のように腕試しでやってみたい…みたいに単発や短期間でやる人が少ないということですよね。なのでやはり平均的にアーティストのレベルが馬鹿高い。
もちろんライセンス無しでも演奏できる場所もありますが、とにかく激戦区だったりします。
Leicester square の公園とかスクランブル交差点の真ん中ぐらいの人混みでやるようなもんですから。くわばらくわばら。

その②機材やスペースの使い方が贅沢

これはもうライセンスさまさまですね。
ライセンスがあるから場所さえあればトンズラこくために機材荷物の減量をしなくてもいいのでしょうし、何よりその機材を広げるスペースが確保されている。
スペースもpiccadilly circusやsouth bankのような人が密集する場所や観光地ではロープや水をタイルに撒いて投げ銭以外での不可侵領域的な作ってたりしますね。それももうがっつり半径4,5mとかの円を。

さすがに日本でこれやったら苦情来ますね。笑

その③宣伝に使っていたSNSが、日本はツイッターが多かったのに対してロンドンではインスタグラムが多かったこと。

これは時期もあるでしょうが単純にツイッターの人気がイギリスでは減っているのかもしれません。しかしおそらくそれ以上に多分インスタグラムが勢いをつけているのでしょうね。アーティストさんの活用方法でいうとストーリーに投稿された通行人やファンの自分の路上ライブ映像をそのまま自分のストーリーに転載できるためライブに行けなかった人も観れてさらにファンサにもなる。二度美味しい。そんなところも気に入られているのかも。

その④路上パフォーマンスのスペースが広いため一同に人を集めた場合の客の煽り方がもう野外ステージ。

まじ戦術違うって。
人は人のいるところに寄ってくる。
なんででしょうね、人の壁で円の中が見えないのに手拍子とか集団でうおおとか盛り上がってるところ見せられちゃうとどうしてものぞいてみたくなっちゃうんですよね。人ごみをかき分けてる間に期待値がガンガンに跳ね上がっちゃうためあんまり期待ほどのものが観れた試しはないんですけど毎度毎度気になっちゃうんですよね。
これはどちらかというと音楽系よりダンスや手品、サーカスもどきとかのパフォーマーがよくやってるイメージです。

手拍子を!もっと!もっと元気に!はいいいよー!そのまま続けてー!!

みたいなことよくやってるんだけど

もしかしたらMCの時にやったら人寄ってくるかな。
いやそれより歌えよ。


ゆるっとまとめ


正直こういうかるちゃーしょーっく!っていうのは路上ライブだけでなくいろんなところで見るんだけど、路上ライブというテーマに限ると:

・路上ライブのシステム
・通行人とアーティストとの距離感
・ライブ自体の規模感

この三つが私の感じた大まかなロンドンと東京の差かなぁって思いました。
どちらもお互いの長所短所があるけど、とりあえず私は日本にもっと路上ライブに寛容になってほしいなぁ

そしてイギリスにいる間に路上ライブをす…練習ふぁーすと。あ、あいきゃんどぅい…

多分。

皆さんも是非海外で路上経験してみてください。

初めましての方は初めまして、どうも歌って撮ってイギリスで育った桜田有 (サクラダ ユウ)です。参考になったよ面白いよって方は好きボタンを押してもらえると励みになります!
海外での路上経験あるよしたいよって方も是非コメント待ってますー!

ではまた。

桜田

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