見出し画像

名鉄の駅放送

名古屋鉄道(以下"名鉄"と表記)の駅放送にはざっくり大きく分けて4通りの種類があります。そのパターンを紹介します。
※ここでの呼称はあくまで私独自の呼び方であり、公式や他の方とは一切関係がないことに注意してください。

(2023年以前の情報です)


・詳細型

詳細型とは、列車の行先や停車駅などを詳しく案内する放送タイプのことです。他のタイプと異なり、列車によって放送パーツを使い分けて案内します。

例:「まもなく1番線に電車が参ります。黄色い線までお下がりください。名古屋方面の普通岩倉行きです。神宮前、金山、山王、名古屋の順に停まります。」(堀田駅、普通東岡崎行き)
例2:「まもなく3番線に電車が参ります。黄色い線までお下がりください。名古屋、西尾方面の吉良吉田行き準急です。二ツ杁、栄生、名古屋に停まり、名古屋から急行に変わります。」(須ケ口駅、準急吉良吉田行き)


この詳細型ですが、名鉄ではアナウンサーは基本同じながらも駅や収録時期によって何度も同じパーツを録り直ししています
そのため、例えば犬山線で同じ行先のパーツを録っても栄生駅、上小田井駅、西春駅、岩倉駅、布袋駅、江南駅、扶桑駅、柏森駅、犬山駅、新鵜沼駅でそれぞれ喋るスピードや声質が違っているということになります。
これは決まり文句である「まもなくn番線に電車が参ります。」や「ありがとうございました。〇〇です。」などにも当てはまります。

※補足、駅毎に録り直ししているというのは正確ではなく、例えば河和線の阿久比駅、住吉町駅、青山駅では同じ放送パーツを流用しているようです(音声波形が完全に一致する)。

駅によっては乗車位置案内や終点で他の列車に連絡する案内、連結や切り離し、途中駅で退避する案内などがあり、詳細型と一括りにするにはあまりにも種類が多いです。
「〇〇駅は〇〇駅の案内、□□駅は□□駅の案内!」と割り切った方がいいかもしれません。

・方面型

詳細型放送が導入されていない、比較的小さな駅で採用されているタイプです。
人によっては簡易型とも呼ばれていそうですが、後に紹介するものと被ってしまうので便宜上こう呼んでいます。

例:「まもなく1番線に岐阜方面の電車が参ります。黄色い線までお下がりください。」(加納駅)

列車の種別や行先に関わらず同じ文面を流します。ただし通過列車の場合は通過の放送を流します。
「n番線に」を省略する駅もあります。

「〇〇方面」に入る駅は大きい駅が多いです。どういった法則で駅が選ばれるかは別記事で解説します。

その仕様上、近くにある駅(呼続駅と桜駅など)で全く同じ放送が流用されるのですが、例えば左京山駅などではその駅でしか鳴らない方面型放送があります
そのため意外と奥深い放送ジャンルです。

この放送は詳細型が導入されていない全ての駅で採用されている……わけではありません
また、路線単位で1駅も採用されていない場合もあります。そのような駅や路線で採用されているのが次の項目です。

・簡易型

詳細型でも方面型でもないタイプの駅は大体このタイプがあてがわれます。

例:「まもなく1番線に電車が参ります。黄色い線までお下がりください。」(丸渕駅)

詳細型放送の最初だけ持ってきた形のような文面です。このタイプの放送は通過列車でも同じ放送を流すことが多いです。
「n番線に」を省略する駅もあります。

基本的に特筆することのない放送ですが、3番線や4番線でこのタイプの放送を使っている駅は少ないため比較的珍しいです。

また、聚楽園駅や日比野駅などのように片方で方面型、片方で簡易型の文面になっている駅もあります。

・合成型

音声合成ソフトによる音声を使用した放送です。2023年現在では詳細型のみが存在します。これからバリエーションが増える場合「合成詳細型」「合成簡易型」という呼び方になるかもしれません。

執筆時点では名古屋本線と瀬戸線の一部の駅で採用されています。

全国の鉄道会社で導入が進んでいる合成放送ですが、今後名鉄の駅が全てこのタイプになるかというと疑問です。

↓名鉄と合成放送の関係(長いので読まなくても可)↓

名鉄で合成放送を初めて採用したのは2016年9月の喜多山駅です。2017年には栄町駅や本宿駅でも置き換えられました。
しかしこのあと2018年3月にはそれまで自動放送のなかった豊川稲荷駅と河和駅でアナウンサーによる自動放送が導入されました。
その後は新可児駅や朝倉駅で詳細型を導入し、扶桑駅や中京競馬場前駅などでは詳細型を詳細型で新しく更新しました。
最近では2022年4月?にも本笠寺駅の詳細型放送が詳細型で更新されました。
ただし2022年5月には有松駅の詳細型が合成型で置き換えられました。

↑ここまで↑

企業側の事情は全くわかりませんが、同時期に置き換わる放送が詳細と合成で混在していることから今後どのように変わっていくかは読めません。


ここからは上記のいずれにも当てはまらない放送を紹介します。

・梅坪型

梅坪駅のみで採用されているタイプです。
文面は方面型放送に近いですが、行先によって文面が変わります。

例:「まもなく1番線に電車が参ります。黄色い線までお下がりください。この電車は猿投方面へ参ります。」(猿投行き)
例2:「まもなく1番線に電車が参ります。黄色い線までお下がりください。この電車は赤池、伏見方面へ参ります。」(鶴舞線直通列車)

また、列車到着時に「ありがとうございました。梅坪です。・・・」という放送も流れることから詳細型放送の特徴もあります。

・放送なし

自動放送が流れない駅です。大きく分けて2種類あり、名鉄名古屋駅や知多半田駅のように駅員が放送して案内する駅と、巽ヶ丘駅や尾張横須賀駅のように何も放送が流れない駅があります
また、蒲郡線や広見線のワンマン区間の駅でも自動放送が導入されていません。

かつては豊川稲荷駅や新可児駅なども自動放送が導入されていませんでしたが、現在では詳細型放送が導入されています。

・まとめ

さて、ここまで名鉄の駅放送について大ざっぱに紹介していきました。
正直なところ全く解説しきれていないため、今後は駅毎に絞って解説していきたいと思います。

最後に私が調査した名鉄の駅放送パターンをスプレッドシートにまとめたものを公開します。ご活用ください。


↑どの駅でどのパターンの放送を採用しているかが分かります

↑詳細型放送の駅で男女どちらの声で担当しているか調べるときに便利です


ここまでお読みいただきありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?