グレイヘア(本編)
さて。
そんなわけで、昨日書かなかった、グレイヘアの話。
グレイヘアというと、近藤サトさんとかで近年注目になってきてる、アレ。あえて白髪を染めないこと。
私には姉がいるのだけど、最近はあえてこのグレイヘアを選択していて、妹から見てもサマになっててうらやましい。
私は二カ月に一度くらい美容室で髪を染めていて、この間まではピンクのインナーカラーを入れたりなんだりしていた。とはいえ、半分くらいは美容師さんのいうがままでなすがままだ。
この美容師さんはオタ友でもあるので、普通の美容室と違って、ステナビやらポポロやらが用意されているところが大好きだった。最近はタブレットを貸してくれて、好きな雑誌をどうぞって感じだけど。
それはともかく、もうかれこれ十年以上お世話になっているので、髪色についてもすっかりお任せなのだ。
ちなみに、今は落ち着いた色に染めている。
そもそもは、父が亡くなる少し前に染めるとき。
「派手なピンクにして、気分上げとく??」と聞かれ、
「もしかしたら喪主やるかもしれないから、ダークにしとく」と答えた。
結果、その通りになったわけで。
今は、当分そういう立場にはならないで済みそうだが、なんとなくあれ以来、暗めの髪色にしたままだった。
まあその分、前髪の白髪とかは、相当目立つ。
グレイヘアにすれば、そのへん楽ちんなのかなーと憧れたりもする。
私は、おしゃれに関しては人並みより意識が下なので(久世番子さんの言葉を借りるなら『おしゃれの川下住人』である)、とにかく楽であるならそれが一番最高じゃん! というのが本音なのだ。
とはいえ、楽なだけに逃げるわけにいかない。
なぜなら、私には推しがいるからだ。
自意識過剰かもしれないが、「えー、〇〇くんのファンってあんなヤバイおばさんいるんだ」とか、言われたくない! いや、これは自意識過剰とさほどいえない。だって見かけるんだ! 「今日現場で見た〇〇担の婆やばwww」とかマジで書いてるやついっから!! いいか!? 恰好はともかくな、年齢に関しては、時が流れりゃお前も必ずそうなるからな!! いいか!? 必ずだ!!!!
…失礼。言葉が荒れました。
まあともかく。私が言われるならともかく、それで推し担全員が、ひいては推しが、いわれもない嘲笑を受けるのは我慢ならんのだ。
というわけで、最低限、身だしなみを整えていく努力はしている。
そんなわけで、グレイヘア。
楽であり、同時に「年齢なりの、力の抜けた素敵」とか、なんかそれいいじゃん。おしゃれじゃん!? と、私はまあまあ盛り上がった。
だが、そんな私に、姉はぴしゃりと真実を告げたのである。
「言っとくけど、グレイヘアって別に楽じゃないわよ」
「…はて? だって染めなくていいんでしょ」
「かわりに、ヘアセットとお化粧はしっかりして、かつ、髪の艶は大事にしないといけないの」
「……なん…だと…」
「あんた。ただなんもしてない白髪の婆なんて、ただの山姥よ」
言われてみれば、その通りである。
というか、思い返してみれば、「力の抜けたおしゃれ」とかいうやつが、本当に「力が抜けていた」ことなんて、一回もねぇ!!!!
全力で「ぬけ感を出す」だけだった!! そうだった!!!!
「で、やってみんの? グレイヘア」
「…やめておきます…」
私は、そうしおしおと答えるほかなく、結局いつものように美容室で「カットとカラーお願いします…」と慣れた呪文を唱えるのであった。
はー。
なんもせんでも美しい人になれたらいいなーーー!!!!
…なんて無理なことを思いつつ、今日も煮込みハンバーグを食べたのでした。
そんな日常です。
よろしくお願いします。