2023東京優駿(日本ダービー)過去データ分析

はじめに

無料記事です。過去の日本ダービーのデータを分析します。

特に注意がない場合には過去10年のデータを使用します。
騎手成績や種牡馬成績など変動の大きなファクターの場合にはもっと短い区間データで分析しますし、変動が小さいと思われるファクターの場合にはもっと長い区間データで分析する場合もあります。


登録馬と出走ボーダーライン

まずは今年の特別登録馬を確認してみますね。
登録は19頭いますが、フルゲート18頭のため1頭は落選することになります。

2023日本ダービー特別登録馬

優先出走権(皐月賞 5着まで)
ソールオリエンスタスティエーラファントムシーフメタルスピードショウナンバシット

優先出走権(青葉賞 2着まで)
スキルヴィングハーツコンチェルト

優先出走権(プリンシパルS 1着)
パクスオトマニカ

以上の8頭が優先出走権により出走確定。
以下は賞金順で決定します。

ドゥラエレーデ 5210万円
トップナイフ 4300万円
ベラジオオペラ 3600万円
サトノグランツ 3600万円
フリームファクシ 2900万円
シーズンリッチ 2400万円
グリューネグリーン 2000万円
ホウオウビスケッツ 2000万円
ノッキングポイント 1700万円
シャザーン 1600万円
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トーセントラム 400万円

となり、出走を辞退する馬がいなければトーセントラムが落選します。


前走レース名別成績

前走レース名別成績(過去10年)

日本ダービーの前走でどのレースを走らせていたかです。皐月賞組が最多7勝となっています。

日本ダービーへのトライアルレースに指定されている青葉賞(2着以内に出走権)、プリンシパルS(1着に出走権)からは残念ながら過去10年で1着はおろか、2着にもなっていません。

その一方で、別路線となる京都新聞杯組から2勝、毎日杯組からは1勝があります。

勝率に目が行きがちですが、勝率16.7%の毎日杯組は6頭中1頭が勝っただけなので母数が小さく信ぴょう性が足りません。また、7勝している皐月賞組の勝率が低くなっているのは、毎年、皐月賞組からの参加が最多であり、多い年には12頭、少ない年でも7頭、平均すれば約10頭くらいの馬が走るため、馬券にならない馬の方が数多くなるため勝率が下がってしまうのです。

そこで分かりやすくするためにシェアで調べますと、皐月賞組のシェアは1着が70%、複勝率が73.3%で、圧倒的に強いということが分かります。

前走レース名別シェア(過去10年)

念のため過去20年でも普遍的な傾向があるか確認しておきました。

前走レース名別成績(過去20年)
前走レース名別シェア(過去20年)

過去20年という長いスパンでのデータでも、前走皐月賞組の勝率は70%であることが分かります。複勝率のシェアは若干下がっていて、2着、3着には紛れがあるということも分かりますね。

2023年の皐月賞組(11頭)
ソールオリエンスタスティエーラファントムシーフメタルスピードショウナンバシットシャザーントップナイフフリームファクシベラジオオペラグリューネグリーンホウオウビスケッツ


皐月賞組

次に、前走皐月賞組の中から馬券になる馬の傾向を探ってみます。

皐月賞の着順別成績

皐月賞で1着だった馬が日本ダービーも連勝する確率は20%。10回に8回は皐月賞で1着ではなかった馬が勝っているとも言えます。

これは、皐月賞と日本ダービーでは求められる能力が違うためだと推測できます。皐月賞は中山芝2000mで右回りでゴール前に急坂があるコースで、日本ダービーは東京芝2400mで左回りで急坂はなく、長い直線にダラダラ坂と呼ばれる緩い上り坂があります。


前走皐月賞で1着だった馬の成績

また、皐月賞で1着になった馬は日本ダービーでも人気になりやすく、10頭中6頭が1番人気となりましたが、上記の通り連勝できたのは2頭だけでした。

このように、皐月賞と日本ダービーでは着順が入れ替わるということが多いのですが、皐月賞で勝負付けが終わったと考える人が多いのか、日本ダービーでは皐月賞で負けた馬の人気が下がる傾向にあります。

皐月賞で1番人気だった馬の日本ダービーでの人気

皐月賞を負けてしまった馬は日本ダービーでは人気を落としてしまっていることが分かります。

傾向としては、皐月賞の上位人気は日本ダービーで巻き返す可能性が高く、皐月賞での着順が悪くても見限れません。

例えば、ワグネリアンは2018年の皐月賞で1番人気になっていましたが結果は7着。日本ダービーでは5番人気まで人気が落ちましたが優勝しました。

このように、多くの人が勘違いをしているレースと言えるのが日本ダービーですので、前走までの着順に踊らされることなく日本ダービーで勝つ能力を持った馬を探したいですね。


皐月賞組以外の前走について

ここまでは皐月賞組について検証してきましたけど、ここからは皐月賞組以外の前走データを検証したいと思います。

京都新聞杯組

まずは、過去10年で2回の勝利馬を出している京都新聞杯組。

馬券になった3頭はいずれも京都新聞杯で2番人気2着以内でした。
日本ダービーを勝った2頭は、2013年のキズナと2019年のロジャーバローズです。特にロジャーバローズは日本ダービー12番人気からの1着で衝撃が走りました。あとで説明をしますが、日本ダービーには枠順に傾向があり、ロジャーバローズは勝率の高い「1枠」からの発走でした。

皐月賞組が人気の中心になる中、京都新聞杯組で人気になったキズナは凄かったと思いますし、2015年、5番人気から2着になったサトノラーゼンにしても能力なしには出せなかった結果で、京都新聞杯組は軽視できません。

それと、2021年と2022年の京都新聞杯は京都競馬場改修の影響で中京競馬場での開催でした。改修工事が終わり、今年の京都新聞杯は京都競馬場で開催されましたので、期待値も高いと思います。

2023年京都新聞杯組
サトノグランツ 1番人気1着

青葉賞組

次に青葉賞組の成績を見てみます。

本番である日本ダービーと同じコースで行われるため、日本ダービーでも好走しそうに思えるかもしれませんが、過去10年の成績は【0-0-3-20】と苦戦。20頭が出走して連対なし3着3回という結果です。

なお、過去20年でも【0-4-4-43】と2着4回あるものの青葉賞組からの日本ダービー制覇はありませんでした。

調べてみたところ青葉賞は1991年に第1回が施行され、2001年にG2グレードに昇格。しかし現在までの22年間、青葉賞からの日本ダービー勝利馬は出ていません。

日本ダービーでは距離適性が重要であるとされていますが、同じコースで同じ距離のレースであるのに、なぜここまで不振なのでしょうか。

三歳馬五大競争と呼ばれるレースである、桜花賞、皐月賞、優駿牝馬(オークス)、東京優駿(日本ダービー)、菊花賞があります。

実は、この競争に出るためには2歳時から合計3回の事前登録をしなくてはなりません。もし登録をしていなかった馬を出走させたいと思った場合には200万円の追加登録料がかかりますので、有力馬は事前登録をしています。

このように有力な競走馬は2歳時から計画的なプランを立ててレースに出走しています。

そのような背景から皐月賞に有力馬が集まるのは当然であって、別路線から経由してくる馬のほとんどは日本ダービーで負けてしまっています。

つまり、青葉賞は日本ダービーと同じコースで行われるにも関わらず日本ダービーで勝ち馬が出てないのは、日本ダービーを勝てる能力があると思われる馬のほとんどがクラシック三冠のひとつめ、皐月賞に行っているからだと推測できます。

データ上はかなりの不利がある青葉賞組ですが、2着3着に入ることがこれまでにも有りますので、チェックは必要です。

2023青葉賞組
スキルヴィング(1番人気1着)
ハーツコンチェルト(2番人気2着)


プリンシパルS組

1着馬にダービー出走権が与えられるトライアルレースですが過去10年の成績は5頭出走して【0-0-1-4】で連対はありません。しかし複勝率は20%で、青葉賞の複勝率13.0%よりは好成績。プリンシパルSから参戦する以上はそれなりの勝算があるのかも。

過去10年でプリンシパルSから日本ダービーに挑戦した馬

馬券になったのは、2018年のコズミックフォースのみ。プリンシパルSでは1番人気1着。日本ダービーでは16番人気3着で見事に大穴をあけました。

2023プリンシパルS組
パクスオトマニカ(2番人気1着)出走確定
トーセントラム(7番人気7着)


枠番成績

日本ダービー枠番傾向

過去10年の枠番の傾向。1枠は勝率、連対率、複勝率ともに抜き出ています。2019年の日本ダービーでは12番人気のロジャーバローズが大穴をあけた枠でもあります。今年の枠順はまだ発表されていませんが、気になりますね。

1枠から馬券になった馬

騎手分類別成績

過去10回のうち9回が栗東所属騎手が勝利。美浦所属での1着は2014年のワンアンドオンリーに騎乗した横山典弘騎手まで遡らないといけません。

連対率でも大きく差があるため、少し注意をしたいポイントです。


調教師分類別成績

栗東所属馬が8勝。複勝率では美浦所属馬が逆転します。
なお、美浦所属で勝った2頭は2015年のドゥラメンテ(堀宣行厩舎)、2017年のレイデオロ(藤沢和雄厩舎)。


脚質別成績

差し馬が4勝していますが、先行馬も高勝率での3勝をしていて侮れません。逃げて勝った馬はいませんが、2着3着に残る場合があり注意は必要です。

逃げて馬券になった2頭は、2013年のアポロソニックと2018年のエポカドーロ。アポロソニックは青葉賞2着からの実績、エポカドーロは皐月賞1着からの実績でした。

今年の出走馬で逃げそうなのは、パクスオトマニカ(プリンシパルS 1着)でしょう。もし1枠を引いたら面白いかも。


人気別成績

気になる1番人気の成績ですが、過去10年で勝利した馬は3頭しかいません。しかし複勝率は70%を誇ります。

人気全体で見ると2019年の12番人気ロジャーバローズの激走を除けば、ほぼ5番人気までで馬券を占めていて、上位人気馬をただ選ぶだけでなく馬券は着順まできちんと当てることが重要と言えます。

また、3着は2018年に16番人気で3着に入ったコズミックフォースをはじめ、過去10年で実に6頭もの人気薄が3着に入っています。

日本ダービーで3着になった馬と前走

前走を確認すると、皐月賞で6番人気以内、プリンシパルSで1着(1番人気)、青葉賞で3番人気または2着以内でした。

皐月賞の上位馬もしくは皐月賞で上位人気していた馬が日本ダービーで勝ち負けするパターンが多いのですが、6番人気というちょっと控えめな人気から意地の3着みたいな感じかもしれません。

2023年皐月賞の6番人気
タッチウッド(6番人気13着)日本ダービー登録なし

2023年プリンシパルSの1着
パクスオトマニカ(2番人気1着)

2023青葉賞の2番人気以内もしくは2着以内
スキルヴィング(1番人気1着)
ハーツコンチェルト(2番人気2着)


種牡馬別成績

種牡馬別成績(過去5年)

ディープインパクト産駒が4勝とかなりの好成績を残していますが、今年はもう父ディープインパクトはいないので、ディープインパクトの血を持つディープ系として判断するしかありません。

そこで、次の種牡馬系統別の成績を参考にします。

種牡馬系統別成績

種牡馬系統別成績(過去5年)

種牡馬系統というのは、血統予想家の亀谷さんが系統分けしたもので、私もそれに倣っています。詳しくは亀谷さんの書籍をお読み下さい(笑)

さて、種牡馬系統別で見てみますとディープ系【4-1-1-22】を筆頭に、Tサンデー系【1-2-1-17】が続きます。このふたつの系統は広義ではどちらもスタミナに優れるサンデーサイレンス系です。

次にロベルト系【0-1-0-4】。勝ち馬こそ出ていませんが2着1回あり。こちらもスタミナに優れる血統です。

同じく2着1回のLサンデー系【0-1-0-0】。これはディープインパクトの兄ブラックタイドの系統ですが、今では主にキタサンブラック産駒です。最近の活躍は目覚ましいものがあるので注意したいですね。

多くの日本のホースマンは日本ダービーで勝つことを目標としていますので、言い換えれば日本の競馬は東京芝2400mで勝つための血統配合の歴史でもあります。

血統はかなり重要なファクターになると思います。

2023年日本ダービー登録馬の血統

2023日本ダービー登録馬の血統と兄弟馬

ディープ系
サトノグランツ、ショウナンバシット、トーセントラム、メタルスピード

Tサンデー系
ハーツコンチェルト、パクスオトマニカ

ロベルト系
ノッキングポイント

Lサンデー系
スキルヴィング、ソールオリエンス

キングマンボ系
グリューネグリーン、シーズンリッチ、シャザーン、ドゥラエレーデ、フリームファクシ、ベラジオオペラ

その他系
タスティエーラ(ノーザンダンサー系)、トップナイフ(ダンチヒ系)、ファントムシーフ(ダンチヒ系)、ホウオウビスケッツ(ヴァイスリージェント系)

血統に関しては細かく言えば、母系とのニックスとか、ダービーで好走する内包馬などの要素もあるのですが、長くなってしまうのでここでは割愛します。


今回の記事はここまでです。

枠順が発表されたら展開予想や上がりタイムの比較などもして、土曜日の夜には日本ダービーの予想を出す予定です♪

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