20230818 本

についての個人的な話。
「よっしゃ読むで!と思って張り切って読んでみたら読めた時」と、
「直前まで全く読む気じゃなかったのに、なんとなく読んでみたらなんか知らんけど読めた時」がある。100回中99回は後者で、だいたい「無意識のうちに本棚に吸い寄せられる感じ」がする。「気付いたら本棚の前におる」のほうが近いかもしれん。
 最近は「なんであん時はあんなによーさん読めとったんやろ、誰か別の奴が憑依しとったんかな」て不思議に思うぐらい読めてないけど、ごく稀にこういう、読める時期、ちゃう、読めそうな気がする瞬間がある。瞬間。1ヶ月のうちのある1日のうちの数分。急に降りはじめたシャッターに向かって走って滑り込んでくぐり抜けるみたいな感じ。ほんまにギリギリのとこ。自分の中の何かがすり減る感覚。
 本を読むのは疲れる。自分以外の誰かの情報を頭の中で想像しながら整理し続けるのには、余裕が要る。山に登ったりするのと一緒で、好き嫌い/楽しい楽しくないに関わらず、大前提として、体力と気力の備えがじゅうぶんに要る。で、「それが今やで、今やったらいけるで」てのを、自分じゃない誰かが教えてくれる時がある。それに気付く時もあるし気付かん時もあるし、気付いてもあえて無視する時もある。でも誰にも怒られへんし、誰にも迷惑かけへん。それが本のええとこ。完全に自分の中だけで完結させれる。
 本棚には神様が住んどる。本の神様は実在する。

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