日記のような何か 20230602 - 舞城王太郎『ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート』を3回読んで思ったこと

 妄想するだけやったら全然ええと思う。
 けど実行するんはほんまにやめとけ。

 たとえば、痴漢。盗撮。
「偶然すぐ近くにおった警察の人に見つかって現行犯逮捕」てのがもう あるあるみたいになっとって、「またか」てなる。毎日のようにニュースになっとんのに、全然なくならへん。
 自分の倍以上生きとるくせにアホやな〜 とか、こんだけニュースになっとって「やったら確実にバレるし、捕まるし、社会的に死ぬ」てのが分かっとんのに なんでやるんやろな〜、とか思う。そこに「どうしても我慢できんかった」とか死ぬほど幼稚な言い訳も同情も何もないけど、俺はこれから先どんだけカスみたいな人生を送ったとしても、10年後20年後、そんな奴にだけはなってない。てゆうか、なれん。
 前置き終わり。

 舞城さんの短編『ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート』は、一言で言えば「とんでもない名前を付けられたことが原因で家族から凄惨な虐待を受けて育った少女が、恋をする話」。
 少女の名前はそま里亜りあ
 ソマリア入りを果たせんかったカメラマンの父親は、海外で生まれた実の娘にそんな名前をつけた直後に交通事故で死ぬ。
 2歳の時に母親と日本に帰った杣里亜は、逆恨みも甚だしいけど、親戚には忌み嫌われて、母親には叩かれて、叔父には「触られる」。この叔父・淳一がほんまにやばい奴で、杣里亜の成長に比例してやることがどんどんエスカレートしていく。ほんまはしんどいから書きたくないけど、地の文から「ほんの一部だけ」引用する。閲覧注意。

二歳でも変な触り方というのはうすうす判る。(中略)とてつもない変態クソ食い幼児クンニ野郎が吉羽淳一だ。十三歳のときに俺と杣里亜が出会い、十七歳で俺は淳一をぶっ飛ばすのだが、そこまでは延々淳一地獄だ。

舞城王太郎『スクールアタック・シンドローム』併録
『ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート』より

 で、この淳一がどんな言い訳するんか思たら

「人の趣味に文句言うなや!」

(同上)

 やから、もうどうしようもない。

   *

 これはフィクションやからまだ「やばすぎる」で済むけど、報道されてないだけで似たようなことをほんまにやっとる奴が実際におらんとは限らんし、極端な例やけど、やっぱりどんな理由があっても人に迷惑をかけるのは良くないというか、どんだけやばいこと考えとっても別にええけどそれは考えるだけに留めとくべきで、人に話したり、ましてやほんまにやったらあかんと思う。
 なんでも限度ってもんがあるし、それを自分でちゃんと線引きせなあかんし、限度を越えたことは自分の中に留めとくか、外に出すにしても虚構として、創作にするとか、何かしらの形でオブラートに包んで嘘みたいな形で出すべきで、とにかく、自分の中にあるどす黒いもんを「そのまま」外に出すのは、流石にあかんと思う。

 さっきから「あかんと思う」しか言うてへんけどそれ以外の表現がうまいこと文字に起こせん。モヤモヤして気持ち悪い。
 話の着地点も分からんくなったから、不時着。申し訳ない。
 とりあえず、自分の周りにそんな人がおらんくてほんまに良かったと思う。

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