3歳と対等に喧嘩する50代

一応わたくしめは、バプテスマ死ぬ気で回避した伝道者落ちのJW2世なので、「もう断絶したいです。会衆の人に道端で会っても相手の方から足の塵払ってどっか行って欲しいです。」と長老に言っても「バプテスマ受けてない人は無理ですね!」というアンサーを貰っている為、忌避はされていない。
未だに地元の会衆の姉妹たちから実母経由で手紙が来たり(そろそろ……記念式の季節ですね……今年も来るかな……)。
孫は可愛くてたまらない&自分も切迫早産でわたしを産んだ実母から「切迫早産大変だから里帰りしたら?入院してしまったら上の子2人が可哀想」とこちらからは言ってもないのに提案してもらえたり、それなりに両親とはひとつ屋根の下で生活していた時よりも遥かに良好な交流がある。


さて、わたしの実父(万年研究生)は子供があまり好きではないし、わたしの夫氏の事が嫌いである。
夫氏が何か実父に粗相をした訳では無い。
自分で言うのは些か恥ずかしいが、大事な一人娘を取られた感がすごいらしい。本人がわたしに面と向かってそう言った。それもなかなかすごいと思う。
「親の欲目じゃなくても、顔はそこそこいいと思うのに……結婚なんて違う人とも出来たでしょう。」
残念ながら、親の欲目と実子可愛いフィルタリングサービスが未だ解約されていないだけで、顔はそこそこに悪いしむしろ結婚出来てラッキーだと思ってるよ……とは流石に言えなかったが。

さて。
父はわたしが産まれて数年後には研究生になっているのでそろそろ研究生歴も四半世紀になる大御所研究生である。
本人が「聖書ちゃんと通読してからじゃないと兄弟にはなれないと思ってる。中途半端はダメだと思ってるから。」とか「お父さんは子供の頃本当に貧乏だったから家族に苦労をかけたくない。(集会を定期的に指示する事が出来ない職についてるので)長老は仕事辞めて祈ったらエホバが仕事与えてくださるって言うけど、そんな無責任な事したくない。お父さんには今仕事辞めるなんて出来ない。」なんて言って伝道者になる事もバプテスマ受けることも拒否をしてる。

その気持ち、分からんでもない。わたし達親子だね☆とは思う。聖書通読は25年経つんだから最低でも25回は出来てんだろ?とは思うけれど、わたしが辞める少し前に「さくらちゃん!知ってる?聖書にハガイってあるの知ってた?」とかキラキラの瞳で新発見した事を教えてくれたので、恐らく新世界訳聖書を全部読んだことはないと思われる。そこは頑張れ。
研究司会者の長老の「とりあえず仕事辞めてみ?助けが来るぜ?」は信用ならないので継続していただきたい。

父は、某試される大地の本当に貧しい漁村(父が小学生にあがる頃『町』にレベルアップしたが実質村。)で三兄弟の末っ子として育った。
漁師の朝は早いので、父が起きる頃には両親と年の離れた兄達(と言っても小学生低学年程度)は仕事でもう家にはおらず、かといって朝ごはんが用意されている訳でもないので本気で白米に塩かけて食べたり、醤油かけたり、味噌のせたり、少し大きくなったら自分でコンロでシャケ焼いたり、ナチュラルに今で言うネグレクトをされて育った。
それが当たり前の時代背景で、それこそ農家さんが子供に腰縄巻いて木にくくりつけて野良仕事していた様な、そういう地域で育った。
幼少期まともに栄養のあるご飯を食べていないので中学入学する時点で130cmちょっとしかなくて同級生にいじられたりそれなりに嫌な経験もしたらしい。

何より本家と分家の、まぁシンデレラの継母みたいな事するクソジジイさんに内孫外孫(父は分家なので外孫)差別されたり、戦中産まれの星一徹みたいな父親にちょっとでも、例えば箸の持ち方だったり、ご飯を食べる時胡座かいたり、ちょっと怒られてムスッとした態度を取ったり、親の機嫌が悪い事に気付かず話しかけたり……なんて事があるとぶん殴られタコ殴りにされて育てられ、同じ戦中産まれの母親からは今でも可愛い息子としてお世話されるほどに可愛がられ(父本人もわたしから見るとかなりマザコン)育った。
ちょっと前までこの人はAC【アダルトチルドレン】だろうか?と考えたりしたが、考えれば考える程にそれは当てはまらないのでただの価値観が現代にアップデート出来ていない躁鬱で意固地になってしまった人なんだなぁ……と思って見ている。


話をタイトルに戻そうと思う。
このnoteのタイトルは、3歳と対等に喧嘩する50代。
どう思うだろうか。

・いい歳にもなってそんな人いないだろ(^Д^)m9プギャー
・なんかゲームで負けてあげないとかそういう話?

とか思う人もいるだろう。

いるんですね。世の中には。
3歳に数日前の謝罪と反省の態度を求める大人が。
ビックリしちゃうよね、それが自分のオトンやで。
おめめ眼窩からコロコロしちゃった。
もし関東にお住まいの方、道端におめめ落っこちてて、視力0.01くらいのだったらさくらさんのおめめだから拾って水洗いかアイボンで洗浄して遺失物で警察に届けていただけると有難いです。


それは数日前子供の寝かしつけ終わってリビングに戻った時に言われた。

「お父さんしばらく息子氏の事、最低限以外関わらないから。息子氏が寄ってきても素っ気なくするし、この間のでちょっとお父さん的にプツンとなっちゃって、無理だから。」

時を戻そう。
『この間の』とはこの日から3日前の出来事である。
その日、息子氏は幼稚園から帰って昼寝に誘っても「やだ!絶対寝なーーーーーい!!!」と大声で宣言し、自分でも制御出来ない気持ちを持て余しながら夕飯前まで坊やマンと一緒に遊んでいた。
息子氏は昼寝をさせないと17時頃からだんだんキレる幼児に進化してこちらとしても大変扱いにくいので寝ていただけるよう努力はするが、乳児の頃から一人部屋で独り寝をしている息子氏は里帰り中のじじばばの家の客間、自分の部屋ではない場所で坊やマンと2人で昼寝するのが苦痛であるのと、夜のねんねの時間じゃないのに無理やり寝かされるのは気分がノらずなかなか難しく、寝れる時もあれば寝れない時もあった。その日は絶対寝ないマンの日で、30分嘔吐く程泣いて寝ないので諦めた。

そして幼稚園疲れと泣き疲れとで不機嫌MAXに加えて、発達が限りなくグレーゾーンな彼は「気持ちの切り替え」が本当に本人も苦痛だろうなと分かるくらい苦手だ。

バァ(わたしの母。子供とのやり取りの話の間は以下バァ)から「ご飯できたからお片付けしてね」と言われてイヤイヤスイッチが完全にオンになり、泣いて喚いて遊びを続行しようとする。
ジィ(わたしの父。子供とのやり取りの話の間は以下ジィ)が仕方なく「ジィと一緒に片付けよう」と提案しジィも片付け始めるが、片付け始めた事に激怒しヤダヤダ!まだ遊ぶの!ともうクールダウンさせても無理だな……という状態になった。
お腹が張っていたのもあり、様子を見ていたわたしも(これは無理だな)と思い「息子氏、息子氏!ママ今動けないからちょっとこっちに来て。お話しよう?」と声を掛けても「嫌だ!ママとお話しない!」とバッサリ断られ、何度か同じ声掛けした後に、もう一旦リビングから連れ出そうと動いた時、地団駄踏みながら大工さんごっこで使う低い台に片足を乗せて踏んだ。
更に悪い事に、それを見た坊やマン(こちらもこの日は早い時間に午前寝してしまいこの時点で既に眠かった)も真似をして片足を乗せた。
「おもちゃ踏まないよ!それはいつも怪我するからダメだよって怒られてるよね」と言ってももう耳には入らない。
たまたま目の前にいたジィに「おもちゃ踏まないよ!」とわたしと同じ事言われても2人ともやめないし、息子氏に至っては「やだ!踏むの!」とそこで地団駄を踏んだ。

これはジィ怒るわ、と思った瞬間「やめろって言ってるだろう!」と割と大声で怒鳴って2人の足を軽く叩いた。
3歳も2歳も火がついたようにギャンギャン泣き出した。
「ジィが買ってくれたおもちゃだし、おもちゃ踏んだらいけないよって言われてるよね?」と言いつつ、ジィから子供たちを離す。
坊やマン2歳は嘘泣きでは無いけれど、ふざけて踏んで怒られたんだ、自分が悪かったな、というのは理解したようで1分かからず泣くのをやめて「めんねー(ごめんね)」と言いながら散らばった細々したおもちゃを拾って、片付けするかと思いきや遊びだし「それちょうだい、ジィ片付けるから」「はい、どーぞ」なんてさっきのギャン泣きなんだったの?くらいスムーズにおもちゃを拾い集めだした。定型幼児すごいっていつも思う。そんなにスムーズにイヤイヤ期の癖に切り替えできるんだ?個性の範囲広すぎる。

息子氏3歳ボーダーはどうにもこうにも全てにおいて納得がいかず、まだ片したくない!!ご飯いりませんから!!(ジィに足を叩かれたことに対して)叩いては!いけませーーーん!!と大声で怒鳴っていた。

だったら、今遊ぶものだけ残して他は片付けしよう。
ご飯いらないなら、食べなくて結構です。代わりにママが美味しくいただきます。
なんで足を叩かれたんだろう?ちょっと考えてみよっか?
ママもジィも何度も足乗せるのやめようねって言ってたのに、足で何度も踏んだり蹴ったりしたから、ジィがペチンって叩いたんじゃない?
せっかくジィがプレゼントしてくれたおもちゃなのに目の前でプレゼント踏まれたらどんな気持ちになるかなぁ?

なんて、第三者がいるから落ち着いて言えるんですね!分かります!みたいに思いつつ話かけ、ようやく泣き止んで落ち着いた息子氏に、ジィになんか言うことある?お片付けして、言うことあるならジィに言っておいで。と言って落ちてるものを拾って息子氏に渡した。
彼は彼なりに、その場で落ち着くことができれば一応人間で畜生ではないので悪い事しちゃったな、叩かれた事は若干納得いかないけど、ごめんねはしないとな、程度は理解できている。ただ理解しているのと行動にうつせるかはまた別問題であって、泣き止んだばかりで正直、気持ちをサッと切り替えて「ごめんね」と言える子ではないので「先に片付けして、言いたいことがあるならジィに言おうね」と提案した。
もし言えなくても、一緒に謝ろうか?と言って一緒に謝るか、1人で言えるか確認しようと考えていた。

息子氏は息子氏なりに自分の気持ちを切り替えようと一生懸命こらえていた。
ただ、これは本当に彼とわたしの今後の課題でもあるのだけれど、泣き止んだ直後+まだ納得出来ていないところがある+自分は違う事がしたい+でも今やるべきでは無い……が堂々巡りしている時の表情が本人は考えて考えて悩んでいる時の表情なのだけれど、なんの事情も知らない他の人から見ると癇癪起こした上にようやく泣き止んだと思ったら眉間にシワを寄せてとても不貞腐れてムスッとしている顔に見える。

そして静かになった後ろを振り返ったジィは息子氏のその顔を見た。
象印の電気ケトルより早かった。

「手前!なんだその顔は!なんか文句でもあんのか!あぁ!?コラ!!!」

それ、3歳に言う?わたしにもよく言ってたけどさぁ。
必死に気持ちの切り替え中だった息子氏は再び泣き出し、バァは「ちょっと、なんなの?やめてよ」とジィを諌めたが「怒られてるのに睨んできたからだろう!」と引かないし、「だからって脅すの?やめてくれる?」とそっちはそっちで火花バチバチになり、突沸したものの、子供相手に言いすぎたか?と思ったジィはその後「怒鳴ったのは悪かったけど、今そういう顔してた。」と声は張らないもののムスーとした態度で夕飯の席に着いた。
2歳は既にご飯食べていて、突然ジィ怒鳴ったけど何が起きたかよく分からんみたいな顔で周りを見たあと再び食事を再開した。

わたしは息子氏をリビングから連れ出して、
突然ジィが怒鳴ったのごめんね。
ビックリしちゃったね。ママとビックリしちゃった。
息子氏がそんなつもりじゃないのは分かってるけど、ジィは息子氏が怖い顔で考え事していたから、ジィに対して怒ってると思っちゃったんだ。
ジィにおもちゃ踏んでごめんねってママと一緒に言える?と言うと、小さく「うん」と言ったので、完全に息を整えて顔を拭いてからジィに2人で謝りに行った。

一緒に謝るよ、と言ったが息子氏は自分から小走りで食事中のジィに駆け寄り「ジィ!ごめんね!」と言った。
めっちゃ明るく謝るやん。さっきまで泣いてたよね?ってくらい、いい声といい顔でにっかりと笑って謝った。
3歳の特にちょっと人の気持ちとか考えるのが難しい子にTPOは難しい。おちょくってやろうとかそういう訳ではなく本当にいい顔で謝った。
とても反省しています、なんて態度で表してごめんなさいいいい!が3歳程度で言えるようになるのは、そういう態度で行かないとボコボコに叩かれたりするぞ、と学習できる特殊な環境下で育ったわたしか、北島マヤか姫川亜弓か芦田愛菜ちゃんレベルの紅天女候補になりえる役者だけだと思う。

そして、ジィの心の中の腹立たしいロードに埋められた地雷をしっかり踏み抜いて進んだ息子氏は、そそくさとわたしに渡されたおもちゃを片付け席に座り「息子氏ご飯食べる〜」「美味しいねぇ」と言って、ジィの心の中の絶対許せない海峡の機雷を狙い撃ちして、優雅にご飯を頂き、お食後もちょうだいして、バァ歯を磨いてもらう〜とバァに全力で甘えてその日を終えた。
躁鬱の鬱に落ちかけていたジィがその日ダークサイド最底辺に到達したのをまだ誰も知らなかった。



そして日が過ぎ、年が過ぎ世界が色褪せ……る前である3日後に父は前述の通りわたしと母にこういった。
「お父さんしばらく息子氏の事、最低限以外関わらないから。息子氏が寄ってきても素っ気なくするし、この間のでちょっとお父さん的にプツンとなっちゃって、もう無理だから。」

「あれからもう処方された睡眠薬飲んでも寝れないし、寝れないから今日みたいに仕事場で普段しないような忘れ物して帰ってきちゃうし、息子氏の顔みるとあの時の『クソジジイムカつく』みたいな顔思い出して腹立つし、お父さんの注意力散漫で職場の駐車場にカバン置いてきたのもその所為だと思うんだよね。だから息子氏がちゃんと反省して謝ってくるまで俺は息子氏と最低限のお世話と相手しかできない。」

自分の父親にビックリした。
駐車場のカバン云々とやらは、その日職場から帰ろうとして二輪車のカバーを外す際に二輪車の近くにカバン(財布もタブレットも貴重品全部入れしてる)を置いて、カバー外して片付けてそのまま手ぶらで電車で2時間程の距離を走って自宅に帰り、たまたま知り合いの人が父がいなくなって数分後に駐車場に来た時に「これさくら父のカバンじゃない?」と気づいて職場まで届けてくれたのでいい話だなー!で終わった忘れ物である。
ちなみに、同じパターンでカバン丸ごと貴重品放置プレイ(しかも同じ場所で)は1年から1年半に1回というそれなりの頻度でやっているので「今までも忘れてるやないかーい!ルネサーンス!」というレベルだしなんならひぐちカッターで1回切られた方が厄祓いになりそうだと思う。

後出しでズルくない?言われてもアレだが、父が飲んでいる精神科の薬は本来飲酒は【禁忌】であるので服薬中は一切アルコールを飲んではならないのだが、ニコチン中毒同様に突然スッパリ辞めるのは難しいので母から『○時までに飲み終わるなら』『△㎖缶を1本』『基本ノンアルで週に1回なら』等色々条件をつけて母が提案したがしつこく言わないと辞めないし「24時間勤務で仕事中酒飲んでないからOK」とかステンレス製のタンブラーに無色の焼酎だったりウィスキーだったりを入れて何飲んでいるか分からないようにして4合瓶1ヶ月で空けてしまったり、ノンアルより最近発売された0.5%の微量アルコールビールの方が美味しいからって買ってきて飲んで(あれは微アルコールで普通のビールと同じ値段するので)「安いからこっち買ってきた」とノンアルではなく謎に5%とか6%の第三のビール買って飲んでたり、【禁忌】という言葉の意味を広辞苑で引いた事はありますでしょうか……?と言いたくなる生活を既に5年以上している。良くなる訳が無い。
寝る前までお酒を飲み、寝る直前に処方された精神科の薬と睡眠薬を飲み、睡眠薬などはアルコールで効果がバグって想定した時間よりも長く効果が出てしまって単独で転んで事故したり、怪我したり、アルコールの所為で残念な目にもあっている。
恐ろしいかな、本人は気付いていない。

わたしは笑っちゃいけないな、と思いつつ「わかった。わたしからもごめんね。ただ、息子氏は大抵の事は寝て起きたら忘れてるから数日前のこと遡って反省してお父さんに謝るのは無理だと思うんだけど、、」
「次になんかあったら謝るでもいいけど、ジィは怒ってますっていうのを示すから。」
「次、次か……うん……気をつけては見るよ……」
この日、たまたま夫氏が仕事早上がりだったのもあり、わたしだけ一旦家に帰って入院準備をして夫氏に実家まで帰ってきてから送ってもらったのだが、夫氏が「お世話になってはるから」とビールを1ケース買って父に渡したのだが(いくら娘の配偶者が嫌いだからってその態度失礼すぎやしないか?)という八つ当たりの様な大人気ない態度で夫氏に接していたので、虫の居所が悪い事には気付いていたがもしかして息子氏の事で夫氏に八つ当たりか?と思うと実の父親とはいえ酷く恥ずかしいなと思った。夫氏完全なとばっちりである。

わたしは席を外して夫氏に数分事のあらましを伝え、明日また対策考えて連絡する旨を手短に話して電話を切った。

リビングは地獄だった。


そもそも、なぜわたしが「明日考えて」と言ったかというと、父が「息子氏のお世話最低限しかしねぇぞ、俺は怒ってる、許さん。」と発言した時点で既にアルコール摂取していたし、母もアルコールを摂取していた。
母はかなりの酒豪なので話はできるが、父はそうでは無いので話し合うことは無理だと思ったからだ。
しかし、わたしが席を外した数分間で父と母の戦いの火蓋は既に切って落とされていた。

「息子氏の為に俺は怒ってる。そんな許すなんて息子氏の為にならない。自分の孫で可愛いと思うから直してあげたいと思うからそうしてる。」
「それは無理でしょう。継続して怒る必要は無いでしょう。」
「じゃあどうやって分からせるんですか?何度もダメダメダメダメって言い続けて効かないから怒ったんでしょう?それを怒るなって言うなら態度で示すしかないじゃん。」
「怒るな、とは言ってないでしょう。言い方が問題なんです。」
「そりゃ、カッとして出たんだからそういう言い方になっても仕方ないでしょ。だからそれは(母に)謝ったでしょ。でも息子氏は謝ってない訳だよね?良くないって事を教える、戒めは必要なんじゃないですか?」
「だから、継続して怒り続けるのは意味が無いよね?あなたは聖書から何を学んでるの?『許せ』って教えられてるんだよね?」
「許しも大切だけど、同じくらい戒めも必要なんじゃないですか?子は親に従いって書いてありますよね?」
「その前は?その前はなんて書いてあるのよ。」
「その前?分かりませんね、愛じゃないですか?」
「違います。親に従順でありなさいの前には『神に従え』って書いてあるの。じゃあ神はなんて言ってるの?神は許せって言ってるの。」
「何回許せば良い訳?」
「何度でも。」
「それじゃあ息子氏の為にならない。戒めを彼は受けてないんじゃないですか?怒らないでどうするの?」

いや、わたしエホバの証人の子供として子供育ててねぇし。なんて口だせないぞ。そして素面の父ならわたし聖書開かなくても論破できる。と思いつつわたしはそのまま話を聞き続けた。

「怒るな、とは言ってないでしょう。言い方(手前コラ!いい加減にしろよお前!とかね……)が問題なの。そして、怒るなら次に怒るなら次に怒ればいいでしょう。」
「次っていつなんですか?」
「いや、知らんがな。」
「だから態度で示してるんでしょう。」
「話通じないね。怒りを継続させる必要は無いでしょう?って言ってるの。ていうか、自分がその対応されたらどう感じる訳?」
「俺は躾で箸の持ち方一つでもぶん殴られて育てられたし、間違った事したら問答無用で叩かれて育った。だから正直息子氏がご飯とか口に含んでベーって出したり(⚠️それらをやるのは絶賛遊び食べ&ムラ食いしている坊やマンなので坊主憎けりゃ袈裟まで憎いなのか、混同している模様)ご飯残したり、これ食べたらお食後あげるよみたいなやり方本当は納得いってない。食わないなら食わせなきゃいいし、食うまで椅子に座らせて全部食うまで遊ばせなきゃいいと思う。だからさくらちゃんにもそうやって育てた。現にその辺の同じ年代の子よりしっかりしてると思うよ。」
「いや、そのやり方は私もこの子にやった時止めてたよね。」

止めてたか?庇ってもらった覚えほぼ無いんだが、もしかしてわたしが記憶消してるだけか……?

「それで、そのやり方で躾られて自分はどう思ったの?その躾の仕方、嬉しかったの?」
「嬉しくはないんじゃないですか?でもやっちゃいけないって事は身に染みて分かったから良かったんじゃないですか?」

母は、ハァ……と深いため息をついて言った。

「じゃあそれは個人の問題だよね。でも、神は許せって言ってるんだよね?それができないの?そんなジィはその態度でクリスチャンな訳?」
「許すも大切だけど戒めも同じくらい大事だよね。愛を持って戒めなさいってありますよね?」

研究生四半世紀続けて、この人聖書の原則(そもそも新世界訳聖書(笑)だけど)理解してないんだ……。もう離れて数年経つわたしでも薄ぼんやり覚えてるのに。自分が適用したい聖句しか出せないんだ。
ていうか、わたしへの仕打ちは一応『愛を持った懲らしめ』だったんだ。
そう思うと久方ぶりにガックリした。
その躾の所為で、とまでは言えないけれど、咄嗟に子供に手を挙げそうになるの堪えるのにこっちはどれほど苦労してると思ってるのよ。こっちは毎日血管キレそうって思うのに、どないしてくれるねんな。

恐らく、コイツ話通じないな。と同じ事を考えたらしい母は沈黙した。
「あーー。久々に話が通じないわ。」
そう言って父は皿洗いを始め、お開きになった。

翌々日に1度自宅に戻ろうと思っていたのもあり、明日の父と息子氏の様子を見て無理そうなら自宅にそのまま戻ろう。そう決めて翌朝それをわたしは母に伝えた。

「わからんちん(物分りの悪い人の事)だから仕方ないよね。何度言っても生活習慣改めないし。今日様子みてダメだと思ったら、最悪私がそっちの家に行けばいいし、もう仕方ないよね。問題は産まれたあとだよね。そっちの家だと私が動きにくいし。」
それから、いや、それ初耳ですわ……という父のヤベェ思考回路の話通じないエピソードを幾つか母から聞かされわたしは母に言った。

「お願いがあるんですけど……。実の親に不謹慎で申し訳ないなって思うけど、お母さん先に死んだらお父さん手が付けられないと思うから、なるべくお父さんの後で寿命迎えてくれません……?わたしでは面倒見切れないと思うの。」

母は苦笑いで「私の方が夫源病で先に死にそうですが。」とブラックなジョークを返してくれた。


その日、様子を見るまでもなく夕方事件が起きた。

夕寝した息子氏、ベッドからジャンプして降りて左肩を負傷。打ち身もないから脱臼かな!と軽く考えていたら鎖骨骨折してて、ジィの事なぞ冥王星の果まで吹っ飛んで行った。
目下の悩みは、もしかしたら鎖骨くっつかないかも!っていう診断された事と、痛みの峠を越えて多少動き回るようになってきた息子氏がここ3日程上げ膳据え膳でゲーム普段より長時間したり、DVDだのAmazonプライムビデオを普段より長時間視聴したり、新しい本買い与えられたりした結果肩痛いって言ったら割と言うこと聞いてもらえるんじゃないか?と思った息子氏が「息子氏ねぇ肩痛いんだけど、いちご狩りとか行けるかなぁ?」と結構なわがままを言い始めたのでジィと息子氏のガチバトル絶対あるよな……っていう2点である。

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