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2020年11月24日離乳食実習

ご参加いただいた皆さんありがとうございました。

アンケートに「月齢の近いお子さんをもつ方同士の交流ができてよかった」とあったので、私も本当に良かった。

今回の実習で参加者が気づいたこと

〇5~6ヵ月頃 野菜がゆテーブル

鍋の中でハンドブレンダーを使って仕上げる場合は、煮込む水の量がポイント。(多すぎるとトロトロになりにくい、少ないとハンドブレンダーが効かない、ひたひたくらいが良い)

〇7~8ヵ月頃 白身魚と野菜のミルク煮

人参が意外と軟らかくなりにくい

〇9~11ヵ月頃 サバ缶と豆腐のハンバーグ

水気をしっかり切った方が成型しやすい。水切りが甘かった。

〇12~18ヵ月頃 肉団子スープ

肉団子が硬いように感じた(鶏モモ肉のひき肉だと軟らかくなるが、今回のように胸肉のひき肉はパサつきやすい。今度、豆腐を一緒に練る、または水と片栗粉を増やして軟らかさを調整してみようかなー)

以下から前半の講義内容

離乳食初期の基本

赤ちゃんも保護者も「楽しい離乳食」を目指しましょう。

出来るだけ「わからない=不安」を解消することで楽しめるようになってくるかと思います。

私達をとりまく社会環境は変化しています。

例えば、離乳食では便利に使えるベビーフードが充実してきました(ベビーフード市場は上昇傾向)

調乳のいらない液体ミルクも2018年から製造販売認められています。

これらは離乳食を作ることの負担を減らしたり、外出時の手助けになったり、赤ちゃんを預けやすくなったり・・

世の中の変化を上手に利用しながら楽しい離乳食を目指しましょう。

離乳食の役割とポイント

●もぐもぐゴックンが上手になる

赤ちゃんの発達に応じた硬さ、大きさにしましょう。初期はトロトロにします。

お湯を足して伸ばしたり、ゆるすぎる場合は加熱時間を増やして水分を飛ばしたり、片栗粉などでトロミをつけたりしましょう。

●味覚を育てる

様々な食材の味を体験させましょう。食べられる食材の幅が広がります。

苦み、酸味は練習が必要な味です。

甘味、塩味は本能的に好きな味、これらが強すぎてこの味に慣れてしまうと、他の食材が食べづらくなることがあります。

●必要な栄養の摂取

中期(7ヵ月~)以降は、主食、主菜、副菜の揃う内容を意識しましょう。栄養のバランスが整いやすくなります。

後期(9ヵ月~)以降の肉、赤身の魚をしっかり食べることは貧血対策にもなります。細かく刻んでお粥等に混ぜて食べると食べやすいです。

●自分で食べられるようになるための練習

後期(9ヵ月~)以降は赤ちゃんの欲求に応じて、積極的に手づかみ食べをさせましょう。

気をつけること

のどにつまらせないこと

寝っ転がって食べさせたり、泣いている時に口に食べ物を入れないようにしましょう。

食べ物の大きさに注意します。中期はみじん切り、後期は5㎜、完了期は1cm角未満。

軟らかく煮て、きちんとつぶせるようにします。

万が一の時の緊急対応は一度確認しましょう。

↓小児の気道異物事故予防ならびに対応

●食中毒予防

 しっかり、加熱しましょう。与える時はしっかり冷ましてからあげます。

保存するときは素早く粗熱をとって冷凍保存。

●牛乳を飲用として与えるのは1歳を過ぎてから

消化機能が未熟な時期に引用として使う量の牛乳を与えると鉄欠乏性貧血になることがあります。調理素材としては加熱して7~8ヵ月頃から使えます。

●はちみつは1歳になるまでは使わない

腸内環境が整わない1歳未満の乳児においては、はちみつに含まれるボツリヌス菌によって、乳児ボツリヌス症を発症することがあります。生後1歳以上になると、離乳食等により腸内細菌の環境が整うため避ける必要はありません。

●食物アレルギー

初めて食べる食材はスプーン1杯から与えます。アレルギー症状(蕁麻疹、咳、下痢、嘔吐等)が出ないか確認しながら、少しずつ量を増やしていきます。

細菌の研究では、食物のスタートを遅らせてもアレルギー予防にならないこと、逆に早めに与える事で予防できる可能性が示唆されています。

授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)が12年ぶりに改定されましたが、卵黄の摂取時期が早まりました。

適切な食事の量について

食べる量は個人差があります。

・身長体重の伸びが身体発育曲線(母子手帳にあります)に概ね沿うように伸びているか。

・元気があるか、顔色も良いか

等が適切な食事量が摂れているかどうかの判断になります。

離乳食の開始のサイン

・首がすわっている

・5秒以上座れる

・スプーンを口に入れたときに舌で押し出すことが少なくなっている

・食べ物に興味を示している等

・5~6ヵ月頃が目安

初めての離乳食はトロトロにしたおかゆがおススメ

適度なとろみがあって飲み込みやすいお粥が上手に食べられるようになってきたら、他の食材も試していきます。

最初の与え方

大人のひざで抱っこ、または背もたれのあるベビーラックに乗せ、少し上向きで舌と床が平行になるくらいが飲み込みやすい角度。

上唇にスプーンをこすりつけるのではなく、上唇が閉じるのを待って平行にスプーンを引き抜きます。

初期に使える食材

米、パン、絹ごし豆腐、白身魚、じゃがいも、かぼちゃ、トマト、ほうれん草、にんじん、大根、冬瓜、白菜、玉ねぎ、卵黄、しらす(塩ぬき)など。

冷凍保存

初期で食べる量は少量です。離乳食調理後はすばやく粗熱をとって製氷皿等に入れて冷凍保存しましょう。

利用したい量だけ再加熱して与えることができます。

離乳食実習レシピ

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●炊飯器のお粥モードが便利です。炊飯器のおかゆは5倍粥が出来るようになっているので、お米の量を半分にして、水はメモリまで入れることで10倍粥が出来上がります。ハンドブレンダー、すり鉢などでトロトロ状にします。

●材料(鍋で炊く場合)
米・・・・・・・・・・・・8g
水・・・・・・・・・・・80cc
にんじん・・・・・・・・10g
●作り方
①米を洗い、水に1時間以上おき、弱火でご飯粒が崩れるまで煮る。
②野菜を刻み、ひたひた少し多めの水を入れて軟らかく煮て、つぶす。

*おかゆも野菜もつぶして冷凍保存しておくと便利。
*にんじんの代わりに、カボチャ、ブロッコリー、しらす干し、小松菜等、いろんな食材がおかゆのトッピングになります。

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●材料
豆腐・・・・・・・・・・30g
かつおだし(お好みで)
●作り方
①沸騰している湯(またはかつおだし)に、1cm角くらいに切った豆腐を入れて弱火で火を通す。
②スプーン等でつぶす。

*おかゆや野菜と混ぜても良いですね。

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●材料
<鍋でつくる場合>
米・・・・・・・・・・15g
水・・・・・・・・・100cc
●作り方
①米を洗い、水に1時間以上おき、弱火で煮る。

<炊飯器でつくる場合>
●作り方
①米を洗い、炊飯器のメモリに合わせて水を入れて炊飯開始
②全がゆができるので、お湯を足してのばし7倍が湯にする。

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●材料
白身魚・・・・・・・・・・15g
にんじん・・・・・・・・・5g
じゃがいも・・・・・・・・5g
ブロッコリー・・・・・・・5g
育児用ミルク・・・・・小さじ2
水・・・・・・・・・・・100ml
●作り方
①白身魚はゆでて、皮や骨を取り除いてほぐす。
②にんじん、じゃがいも、ブロッコリーをみじん切りにして煮込む。
③①と育児用ミルクを加えて適度なとろみになるまで煮込む。

*芋系の野菜が入るとトロみがついて、肉、魚が食べやすくなります。片栗粉を使ってとろみをつけても良い。

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●材料(一人分)
鮭・・・・・・・・・・・20g
小松菜・・・・・・・・・10g
5倍がゆ・・・・・・・・80cc
●作り方
①鮭はお湯で茹でて、ほぐしておく。
②小松菜をやわらかく茹でて刻む。
③①と②をお粥と混ぜる。

*パサパサしやすいお肉、お魚は細かくしてお粥やご飯に混ぜると食べやすくなります。

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●材料(小20個程度)
サバ缶(水煮)・・・・・・・1缶
木綿豆腐・・・・・・・・・・170g
片栗粉・・・・・・・・小さじ2
油・・・・・・・・・・・・適量

にんじん・・・・・・・・・10g
きゅうり・・・・・・・・・10g
*お湯に塩少々・またはダシ汁

●作り方
①サバ缶と豆腐の水気を切って合わせ、片栗粉を入れてよく混ぜる。
②フライパンに油を敷いて成型しながら、弱火で両面焼く、5分~10分程度焼く。
(野菜)
❶5mm幅くらいでつかめる長さ(5cm程度)に切って軟らかく煮る。

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●材料(一人分)
ご飯・・・・・・・・・・60g
水・・・・・・・・・・・60ml

●作り方
①ご飯に水を入れてほぐし、隙間ができるようにラップをかける。
②500Wの電子レンジで3分程加熱する。
③軽く混ぜて蒸らす。

*炊飯器で軟らかく炊く場合は米1合に対して水を2合のメモリまで入れてお粥モードで炊く。

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●材料(一人分)
鶏ももひき肉・・・・・・20g
白ネギ・・・・・・・・・7g
おろし生姜・・・・・・・1g
片栗粉・・・・・・・・・2g
塩・・・・・・・・・・・0.2g
豆腐・・・・・・・・・・10g
白菜・・・・・・・・・・10g
にんじん・・・・・・・・10g
コンソメ・・・・・・・・1g

●作り方
①白ネギを細かいみじん切りにしてひき肉と混ぜ、片栗粉とおろし生姜、塩を加えてよく混ぜる。野菜、豆腐は1cm幅程度に切る。
②沸騰したコンソメスープにスプーン等でひき肉を丸く成形して入れる。浮いてきたら野菜、豆腐を入れてよく煮る。

*肉団子にすると肉類は食べやすいです。
コンソメは大人の1/3程度の量にしましょう。大人用に作って、後から取り出して薄めたり、刻んだりしても良い。

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