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現役ヴァナ民がもう1つの世界を得た話

私は元々FF14アンチだった

いや正直アンチと言えるかはわからないけど「あまり良い印象を持っていなかった」というのは本当だ。今毎日のようにエオルゼアで過ごしてるのに。


私は長年FF11を遊んできた。誰しも自分が最も遊んだもの、今楽しく遊んでいるものが「最も良いものなのだ」と思いたいという気持ちがあるのではないかなと思う。

今まで数多くのフレが「FF14に行く」と言って引退するのを見送るたび、ス●エニも会社として今後は11より14をメインに力を入れていきたいのだろうなと感じるたび、私は14の内容を知りもしないまま、ただささやかな「11のほうがスク●ニの元祖MMOだし良いゲームに違いないのに」というモヤモヤした嫉妬心のようなものを燻ぶらせ続けていた。

好きな同人作家さんが自分の知らない別ジャンルに移動してしまったとき、何故か妙にその別ジャンルにネガティブな印象をもってしまうのと似たようなものだ(同人界隈以外にはわかりにくい例え)。


そんな折、過去に作成だけして放置していたTwitterアカウントを見つけたのを機にSNSを始め、11をプレイしているフォロワーが増えるのと当時に、元11民で現14民という方とも相互フォローになったりして、14に関するアレコレをTLで散見するようになった。

当然14の世界設定について何も知らないままなので、私の14のイメージはTLに流れてくる画像が全てだった。そこには私が11の世界で見慣れたモンスターが多く存在していて、私はまたそれをみてモニョモニョしたイメージを持つことになった。

11のモンスターと同グラのものがたくさんいることについて、11の世界で人気だったりグラが優秀だったりといった見た目的な理由、単純にモンスターのバリエーションを増やすためという制作側の事情、同じFFシリーズの敵だからという単純な理由、もしかしたら11出身者に「おっ」て思ってもらえるように、といった理由もあったのかもしれない。

でも私にとって余計14へのマイナスイメージをこじらせる原因になったものもあった。

たとえば、ザラナーンにいる「アヴゼン」というからくり人形型のモンスター。アヴゼンは11の中ではメインシナリオの1つ「アトルガンの秘宝」に登場するキーキャラクターだ。ヒロインのアフマウと常に一緒にいて、彼女のからくり士としての天賦の才を開花させ、助言し励まして成長を促すとともに、シナリオの中で国の守護神アレキサンダーを召喚するための鍵としてとても重要な役目を持つからくり人形キャラであった。

あとサメ型の「トビザメ」というモンスターも、「水刃公チャッカ」という「アドゥリンの魔境」シナリオの中ボス的なモンスターととてもよく似ている。チャッカはプレイヤーと敵対する側ではあるが、それはかつてチャッカが心を寄せたアドゥリンの初代国王オーグストとの約束で、住処のエヌティエル水林を外部の侵入者から守るためという理由があった。

そんな重要な役目を持っていたアヴゼンやチャッカが14ではフィールド雑魚扱いになっている…それは11の世界設定が大好きな私にはとてもショックだった。14で例えるとタタルさんやリットアティンさん、リウィアさんが他ゲームでそこらの雑魚モブNPC扱いされているようなもの…だと思う。

「外見は似てるけど別物だ」と言われればまったくその通りで、ここはエオルゼアであってヴァナ・ディールではない。でも画像だけを見ていた私にとってはやはりなんか受け入れがたいものがあった。

とまぁそんな感じのことがちょこちょこあって、私はあまり14にいい印象を持っていなかったのである。



なのになぜ今14を楽しめるようになったのかというと、たぶん「実際にFF14をプレイしたから」という、ただそれだけが理由だと思う。

散々14に否定的だった私がなぜプレイしようと思ったかというと、漆黒シナリオがリリースされ、TLにその内容を絶賛するフォロワーさん達のツイートが溢れたから。もちろんネタバレに配慮したツイートばかりであったが、とにかくすごい絶賛具合だった。

当時私の中でFF14といえば「旧FF作品をはじめ、色んな作品とコラボをしているMMO」というイメージで、シナリオについての印象がほぼなかった。Twitterを始めたのが紅蓮と漆黒の合間の期間だったと思うが、少なくとも私のフォロワーさんの中には当時自ら14のシナリオについて積極的にツイートしてる人はいなかった。

私がFF11を好きな理由のひとつが「ミッションやクエのシナリオが大好きだから」というものがあったので、「それほどまでに良いシナリオなのかな…?」と興味を引かれたのである。

あと、どうせ文句を言うなら、”自分で実際ゲームをプレイしたうえで”「やっぱここがダメじゃん」と否定しないと説得力もないよなとも思った。(実際は否定するどころか普通に楽しんでる現状なんだけど)


実は以前フリトラでミコッテを作り少しだけ遊んでいたことがあったのだが、きちんとやるからにはフリトラの無課金範囲内で遊んでるだけではわからないこともできないこともあるだろう。ゲームは課金して遊んでこそ内容に関して口を出す権利もあるというもの。

なので、とりあえず数か月くらいは遊んでみるかという気持ちで月額課金をし、せっかくなら見た目も好みの子にと思い、大好きな竜騎士にちなんでドラゴンのようなイメージのアウラ・ゼラでキャラを作り再度改めてエオルゼアに降り立ったのである。


最初はもちろん操作も慣れないし戦闘もわけわからないし、グラは綺麗だけど画面酔いするしで1回のプレイでせいぜい20~30分くらいしか遊べなかった。

そのうち11での同鯖フレさんたちが14を始め、今私がいる鯖にLSを作ったようだった。「私も他鯖だけど14にいるんだ」という話をしたら「こっちで一緒に」と声をかけてくれたので、まだやり直しがきく程度のレベルだったし、どうせならフレさんがいるところでやりたいという気持ちもあってそちらの鯖に新キャラを作り直し、今の自キャラが誕生した。


やはりインして知り合いがいるというのは良いもので、わからないことがあればすぐ聞けるし、フレさん何人かはNPCの萌え話が通じる方だったので話も合うし感想が言い合える、これは私にとってすごくありがたいことだった。

11では他鯖同士だけどTwitterを通して交流があったフレも14にキャラを持っていて会いに来てくれたりして、14のCFシステムの仕様もあり、11では鯖の壁があってメインキャラ同士で遊べなかった人と気兼ねなく一緒に遊べるようになったというのも大きい。

私はゲーム内だと結構人見知りなので、まったく知らないゲーム内で一から人間関係を構築するというのは大変だが、元々知っている人たちが周りにいてくれることでその不安もなかった。個人的にゲーム内のフレとの付き合いは”広く浅く”よりは”狭く深く”を望むタイプなので、仲の良いフレさんが数人いてくれれば充分だった。


ストーリーについても、お使いだらけと言われた新生シナリオも11で散々移動周回作業に慣れた身としてはまったく問題ないレベルだし(よく引き合いに出されるミンフィリアさんからの砂の家呼び出しも、正直この程度の距離かってイメージ)、なんといっても声優によるボイスがついたNPCの威力がすごい。

私は以前声豚をやっていたので、当時ハマった声優さんのCVには特に弱いのだが、14は見事にそこを突いてきていた。声つきってイイね。あと一度出てきたNPCはメインシナリオが変わってもその後もちょいちょいと出番があるのがとても嬉しい。私はゲーム内のNPCが大好きなのだが、それが好きなNPCであればあるほどいつでも何度でも会いたいものだから。


ちなみに、上記で文句を言っていた11で見たモンスターについては、正直まったく気にならなくなったということはなく、やはり見かければささやかにモヤモヤすることはある。

でもエオルゼアの世界に自分が馴染んでいくのを感じるたびに少しずつ気にならなくはなってきた。ここはエオルゼアであって、あれらのモンスターはヴァナ・ディールの彼らではない。似た見た目だが別物だと思えるようになってきた。

「別作品・FF過去作品とのコラボやオマージュばかり」という14のイメージも、言ってみれば「11はデ●ズニーの世界をひたすらに凝縮させたディ●ニーリゾート」、「14は色々なジャンルを集めたユ●バーサルス●ジオ」のようなものだと理解してしまえば、集客方法の方向性の違いなんだと納得できるようになった。

でもこの気持ちの落としどころというか納得の仕方は14をプレイしなければきっと一生できなかったので、やはり実際に14をプレイしてみてよかったと思う。


今でももちろんヴァナ・ディールにはインして色々なコンテンツを遊んでいるし、一緒に遊んでくれるLSMさんたちは大好き。「この人と出会えてよかった」と思える人とたくさん出会えたし、大切なことをたくさん学んだ。嫌なこともたまにあるが、やはり私のMMOの原点はヴァナ・ディールだ。

そしてそのヴァナ・ディールという世界があったからこそ、私は今エオルゼアというもう1つの世界を得ることができたのだと思う。

きっとこれからも私は相変わらずMMOで遊んでいくだろう。自分の大切な世界が1つから2つになっただけで、あとはなにも変わらない。


おわり







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