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【模型日誌】え!?ファレホでサフレス塗装を?できらぁ!

(この記事は無料で最後までお読みいただけます)

ファレホでサフレス塗装ってどうよ?

みなさん、ファレホ使ってますか?いいですよね、ファレホ。使ってない方も興味あったら続き読んでください。

ファレホって
・水性塗料なので害が少なく
・隠ぺい力が強くて
・(完全硬化すると)塗膜が強い
という高性能さで非常に魅力的で私も大好きです。

で、ファレホは隠ぺい力が強いのが長所なんですが、最近流行りのサフレス塗装ではその長所がアダになってしまいます。ファレホをそのまま塗ってしまうと隠ぺい力が強すぎて、サフレス塗装のような下地の色を活かすグラデーションが難しいんです。

ラッカー塗料では肌色はサフレス塗装向けのクリアー塗料も発売されており、それを使えば比較的色味の調整などもしやすいです。

しかしファレホだとクリアー系塗料のレパートリーも限られ、サフレス塗装用の調色は絶妙な色味を作り出す必要があり難しいです。

そこで、比較的簡単にファレホでサフレス塗装する方法を紹介します。

ベストではないかもですが、現時点でたどり着いた比較的容易にできるベターなやり方だと思うのでやってみてください。

ちなみにカラーレシピだけ知りたい場合は「ファレホでサフレス塗装を実践」まで進むか、下記記事のカラーレシピを参考にしてください。

ファレホでサフレス塗装するには

まず前提ですが、サフレス塗装なので色付きのサーフェイサーは吹きません。代わりに透明のプライマーか透明のサーフェイサーを吹きます。

ちなみに今回使ったのは造形村のGKサーフェイサー・透明。

で、本題のサフレス塗装。

サフレス塗装は白色レジンの色を活かして透明感を出すのが目的です。なので目的からすると単色で塗ってもサフレス塗装にはなるのですが、多くの場合はシャドーを入れてメリハリをつけたいですよね。

ということで塗りたい色について、シャドーと上塗りの色でペアを作ることになります。

問題なのは上塗りの色で、冒頭に書いた通りファレホをそのまま塗ると隠ぺい力が強すぎて先に塗ったシャドーが消えてしまいます。じゃあどうするか。

メディウムを混ぜてクリアーにしちゃえばいいんです。
(これがこの記事の内容の9割です)

ファレホのメディウムはファレホに混ぜて塗料の質感などを変えるものです。ラッカー塗料だとフラットベースとかの類です。

そんなメディウムですがどれを使ってもいいわけではありません。色を薄められる(隠ぺい力を抑えられる)メディウムを使う必要があります。

ということでサフレス塗装に使えそうなメディウムの候補は以下になります。で、結論からいうとグロスメディウムを使うのがいいです。
・グロスメディウム
・グレーズメディウム
・マットメディウム

それぞれ見ていきます。

・グロスメディウム←これを使う

塗料に光沢を与える効果があるメディウムです。ラッカー塗料でいうところの光沢クリアーに近いです。

これをファレホに混ぜると光沢に近づき、透明度が上がります(=隠ぺい力が弱まる)。この色が薄まる効果をサフレス塗装に使います。

ちなみに完全には光沢にならないので、光沢にしたければ光沢のトップコートが必要です(ファレホは乾燥すると半つやになるのがデフォです)。

・グレーズメディウム

塗料の液状性と透明性を高める効果があります。ラッカー塗料でいうところの光沢クリアーです。

じゃあグロスメディウムと同じだし、効果もピッタリだからこっちを使えばいいじゃん!となりそうですが1つ難点があるんです。

グレーズメディウムを入れすぎると乾燥がかなり遅くなるんです。下手したらベタついたまま乾きません。

少量入れる分にはいいんですが、入れすぎた際のリカバリーを考えるとグロスメディウムの方が無難だと思います。

・マットメディウム

塗料をつや消しにする効果があります。ラッカー塗料でいうところのフラットベースやつや消しクリアーです。

これもグロスメディウムと同様に透明度を高める効果があります。

「じゃあマットメディウムでもいいじゃん」となりそうですが、ちょっと待ってください。

マットメディウムを使うとたしかに透明度が上がりますが、つや消しになります。仮に瞳デカールを貼りたい場合、つや消しの塗装面にデカールを貼るとどうなるか。

高確率でシルバリングしますよね?

シルバリングを防ぐには第一に塗装面を光沢にすることです。ということで、マットメディウムよりグロスメディウムの方が後工程を考えるとおすすめです。もちろん「俺はデカール貼らないしトップコートも省略したいからマットメディウムで行くぜ」という方はそれもアリです。

ちなみに「メディウム使わなくてもエアブラシシンナーとか水で薄めればいいじゃん」と思うかもしれませんが、おすすめしません。シャビシャビになりすぎて塗装が難しくなり、おまけに塗装面に弾かれて定着しません。

ファレホでサフレス塗装を実践

御託が長くなりましたが、いよいよサフレス塗装をします。

【肌色】

一番気になる肌色ですが、以下の通り調色しました。

シャドー:ピンク + スカーレット + グロスメディウム →10:1:5の割合
上塗り:ライトフレッシュ + サーモンローズ + グロスメディウム → 20:1:30の割合

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まずシャドーを塗ります。影になるところを中心に塗ります。あと実際の人間だと赤らんでいるところも。

「どこ塗りゃええねん!?」という方は『知っておきたい女性フィギュアのはじめかた』を読んで勉強しましょう。リアル系フィギュアがメインですが参考になります。

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続いて上塗りの色を塗ります。グロスメディウムを混ぜて透明度が増しているので、シャドーの色がきちんと主張してきます。

シャドーの色がきつすぎた場合も上塗りを厚めに吹くことで薄まっていくので調整もしやすいです。ただし厚く吹きすぎると透明感もなくなっていくので注意です。

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塗ってみるとこんな感じです。靴下の塗装は後述します。

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顔も同じ要領です。今回はシャドーをこんな感じで塗りました。首・輪郭・まぶたです。

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上塗り色を塗るとこんな感じ。いいんじゃないでしょうか。

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あと、目は白色レジンの色を活かしたいのでマスキングしておきます。マスキングテープを切る際に便利なのがこれ。初めて使いましたが曲線を思い通り切れてマスキングに重宝しました。

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瞳デカールを貼るとこんな感じ。グロスメディウムで光沢になっているのでシルバリングも防げてます。

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【服など】

服なども同じ要領です。基本的には上塗りに比べて明度が低い色(暗い色)をシャドーで塗ります。

シャドー:ダークブルー
上塗り:ターコイズ + グロスメディウム → 1:1の割合

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ダーク系の色でキツめにグラデーションをつけたい場合はシャドーにブラックを塗ると早いです。

シャドー:ピュアブラック
上塗り:タイタンダークブルー + グロスメディウム → 1:2の割合

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グラデーションをあまり効かせたくない場合は上塗りの色味に同系で明度の低い色を混ぜるといいです。

シャドー:ダークブルー + ブルーグレー →4:3の割合
上塗り:ブルーグレー + グロスメディウム →1:1の割合

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ファレホでサフレス塗装してみるとどんな感じ?

ということで一通り塗装したものの写真を載せていきます。トップコートまで済んでいる状態です。

ジャケットなどは記載を省略しましたが、先述の要領で塗っています。シワの部分にシャドーを塗りました。

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写真だと色が少し飛んでいますが、膝のシャドーがいい感じです。

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全体像はこんな感じ。かわいく塗れたんじゃないでしょうか!?(自画自賛)。

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ちなみに完成品の写真は以下の記事で見れます。


まとめ

ということでファレホでサフレス塗装をする方法でした。

基本的には以下の通りやればできます。
・シャドーを塗って、上塗りの色を塗る
・上塗りの色にグロスメディウムを混ぜて隠ぺい力を弱める

肌色のカラーレシピはもう少し調整してもいいかもです。そこは今後も試行錯誤かなと思います。

また今回の方法ではなく、ラッカー塗料でサフレス塗装をやるようにファレホのクリアー系の色で頑張ってサフレス塗装をするのもアリだと思います(本来そっちの方が透明感もあって良い)。
ただし、そのやり方だと調色が難しいです(いいカラーレシピあったら教えてください)。今回紹介した方法は比較的簡単で調色でミスりにくいのでおすすめです。

ファレホでサフレス塗装をしている人はあまり見かけませんが、紹介した通りもちろんファレホでサフレス塗装できます!

「ファレホ興味あるけどガレキとかキャラもの塗るのに向いてるの?」と思っている方は安心してファレホに手を出してもらえればと思います(ボークスの回し者ではないです。単純にもっとファレホの知見が欲しいだけ)。

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