東京 Tokyo

悪友vol.3「東京」を読んだ。

私は地方民だ。多分私の在住県の人は10人いたら10人が「●●県は田舎だよね」って言うと思う。
田舎と言いつつ、私の家は最寄り駅から徒歩10分だし、コンビニは徒歩圏内に2つあるし、急行は止まらない最寄り駅からでも1時間もあれば大阪市内に出られる。
勤務先は大阪市内ではないけど、毎日電車に揺られて大阪府内に仕事に出ているから、大阪は近所感覚。
それでも同じ県内に住む友達は最寄り駅まで車で20分かかる子もいるし、やっぱりふわっと言うと●●県は田舎なのだと思う。

私にとって東京は「楽しいことがある場所」
でも「住みたくはない場所」
いわゆるジャニオタである私にとって、有楽町・日比谷界隈は一年のうちに何度も足を運ぶ場所でもある。よく言う「庭」?なのかもしれない。
仕事終わりにシアタークリエへ、休日に自宅から日比谷線一本で帝国劇場へ。そんなことは到底無理な場所に私の日常はあるけど、それでも東京に住みたいとは不思議と思わない。
それは多分、私の日常のある場所が「好きなアイドルの生まれ故郷」だからなのかもしれない。(もちろん他にも理由はあるのだけど)

私が人生で最初に好きになったアイドルは私の住む県で生まれ、14歳までここで育った。今一番お金も時間もかけている対象は彼ではないけれど、それでも毎年コンサートに行くしテレビはチェックするしCDは買うし、よくジャニオタが使う言葉で言うと「殿堂入り」している彼。
彼は歳を経る毎に故郷への愛を口にするようになり、地元の観光大使に任命され、地元の母子手帳のイラストを描き、何度か地元でライブもした。何なら簡易ライブハウスまで建てて数ヶ月毎日のようにライブをしていた。
私にとって、その彼が生まれ育った場所は誇りでもあるし、何となく優越感みたいなものもある。私が小さい頃に何度も親に連れて行ってもらった今はない遊園地は、彼も同じように遊んだ遊園地。テレビのロケで地元に帰ってきた時に行っていたお店は電車に少し揺られればすぐに足を運べる場所にある。
地元には山に囲まれていて、寺と古墳が他府県より少し多いだけの場所。
それでも私が生まれて初めて好きになったアイドルは何度でも何度でもこの地元への愛を口にする。
私はそれを聞くたびにうれしくなり、優越感に浸るのだ。
だから私は彼が愛してやまない場所にこれからも住み続ける。