紫陽花
「きれいな紫陽花を見つけた」
唐突に僕の家にやってきた彼が、
部屋に入るなり僕にそう言った。
「アジサイねぇ」
花にあまり興味のない僕はスマホに目を戻し
アジサイ
と検索する。
「紫陽花・・・
花の色はアジサイに含まれるアントシアニン色素によるもので、
その一種のデルフィニジンが補助色素(助色素)と
アルミニウムイオンとの化学反応によって、青色へと変化する。
したがって、アジサイは一般に土壌のpH(酸性度)によって
花の色が変わり、『酸性ならば青、アルカリ性ならば赤』になる」
僕が検索結果を淡々と読み上げると
「そういえば、
紫陽花が咲く敷地の中で1本だけ色の違う紫陽花があって
どうしてそれだけ違うのか調べたら、
下に死体が・・・
なんてのが、昔読んだ漫画であったなぁ」
と彼が言い、
どちらにしても「風情が無いね」と笑った。
(終)++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
写真は最近自分で撮ったものですが、話はフィクションです。
最近書いていなかったので、やっぱ短くなっちゃいますね。
話としては、花ことばも入れたかったけど、
うまく混ぜられませんでした。
なお、「花の色が違う紫陽花の下には・・・」
のくだりの漫画は、『あやつり左近』です。
出典:
https://www.arakawa-yasuaki.com/gallery/ajisai-blooming.html#:~:text=%E8%8A%B1%EF%BC%88%E8%90%BC%EF%BC%89%E3%81%AE%E8%89%B2%E3%81%AF,%E3%81%AA%E3%82%89%E3%81%B0%E8%B5%A4%E3%80%8D%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%80%82
https://www.hibiyakadan.com/lifestyle/m_0018/#:~:text=%E3%81%82%E3%81%98%E3%81%95%E3%81%84%E3%81%AB%E3%81%AF%E5%A4%9A%E3%81%8F%E3%81%AE,%E3%81%9F%E3%81%A8%E8%A8%80%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
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