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眞子様のご結婚に思うこと


 皇室の話などを書くと、いわゆる右巻きな皆様に色々ご意見をいただくことを承知のうえ、ご婚約者内定報道から現在までの国民を巻き込んだ騒動について私が感じることを書きたいと思います。

 日本の皇族というのは非常に長い歴史を持っていて、戦前は天皇が神格化されていましたし、それ以降も日本の象徴として長く国民とともにありました。
 その歴史や伝統については尊重していますし、天皇制反対、などと言う気持ちも毛頭ありません。むしろ、新年の参賀行事のテレビ中継を見たりして、皇室の皆さんのお元気な姿を見るとホッとしますし、妃殿下や内親王のお嬢様たちの美しいドレス姿なども楽しみの一つです。

 しかし、「自分があのお立場であったら・・・」と考えたことがあるでしょうか?
 きっと皇室の皆様をそんなふうに自分に置き替えて見ている人は少ないと思いますが、私はあります。そしてその答えは「絶対に嫌!」でした。

 確かに立派なお住まいを用意され、敬われ、高価なご衣裳を身にまとい、普通なら会うことも敵わない国賓等をもてなす機会もあり、まさに「選ばれた人々」だと思います。公務で国民と接すれば大勢から笑顔と拍手で迎えられる存在です。
 しかし何処に行くにも警備が必要なため、行動は制限されます。おそらく必要なものはすべて宮内庁で用意できるので、自らがお買い物を楽しむということもないでしょうし、友人や恋人と自由に映画やお茶に行けるわけでもありません。嫁いだ妃殿下たちの場合は、ご実家へ自由に帰ることはできないですし、もしも不仲だとしても離婚という選択肢もないでしょう。
 行動だけでなく言動も制限されます。皇室にふさわしい言葉遣いはもちろん、伝統的な皇室の考えと反するご意見を自由に述べることはできませんし、もし述べたとしたらそれについて報道され賛否を論じされるという極めて難しい立場なのです。

 さて、自分に置き替えてみて考えてみてどうでしょう。私は、一生お金には困らないとしても、そんな不自由な生活なんて考えられません。人によると思いますが、私にはまるで柔らかな牢獄に捕らえられているかのように感じます。

 もしかしたら皇室に生まれた内親王の皆様も、一般人のご学友と過ごすうちに、不自由なご自身と自由な友人を比べてそんな気持ちになっていたとしてもおかしくありません。
 それなのに、私たちは眞子様に対して「自由に好きな人と結婚したいなんて我儘」などと言う権利はあるのでしょうか?
 「たまたま皇室にお生まれになった」だけなのに、皇室に縛り付けるのはいかがなものか、と思うわけです。

 今回の報道では婚約者である小室氏が何かと問題がある(とされている)ので、表面上はそれに反対する、という形にはなっていますが、結局のところ「お相手が国民及び天皇家、秋篠宮家にきちんと認められる方ではないうえ、伝統に則って宮中行事を行わないような内親王には皇室離脱は(本音では)認めたくない」と言っているのと同義です。
 皇室の伝統や文化を守ることも大事ではありますが、一人の人間としての内親王様達の人権は別問題、と私は考えています。これでは人権がないのと一緒です。

 想像してみてください。
 もしも、あなたが皇室の一員で、しかしそれが苦痛で、ずっと普通の人になりたいと願っているとします。しかしその立場故に一般の方からは結婚相手としてなかなか見てもらえないわけです。
 半ば諦めていたところに、自分を好きだと言ってくれ、皇族から抜ける唯一の手段である結婚という方法で救い出してくれる人が現れたとして、その手を取ることの何がいけないのでしょうか?
 きっと誰だって嬉しくなり手を取ってしまうと思います。だから私は眞子様を全く責められないと思うのです。彼がどういう人物でどういう目的で、というのはご夫婦の問題ですから、そこは私たちが考えなくてよいのです。

ただ、好きな人と結婚したいだけなのに、ずっと日本中から反対されている。


一人の女性の人権が踏みにじられている、そこが問題なのです。
 
 世界中で人権意識が高まる中、日本の象徴である皇室が、女性皇族の人権に対して配慮がないことに世界の人々からはどう映るのでしょうか。

 それを後押ししている形の日本人全体に対しても「個人の幸福に対して鈍感な人々」と思われないか心配です。

 今回は、ほぼ強行突破の形で婚姻届を出し、日本を脱出することを選択されたわけですが、秋篠宮殿下、妃殿下にとっても、眞子さまにとっても苦渋の決断だったと思います。
 ただ好きな人と結婚したいだけなのに、こんなにも困難で辛い決断をしなければならなかったこと本当に大変だったと思います。


 正直、ごく普通の家に生まれていれば全くしなくてよい苦労でした。

 自ら望んでもいないのに、たまたま皇族として生まれた、というだけでこんなに重い責務を負わされるなんて、普通に考えたらおかしいのです。それでも皇族の皆様はお生まれに不満を持つときもあろうかと思いますが、責務を果たされようと努力してくださっています。しかし、それが「皇室だから当たり前」になっていないか、今一度考える必要があると思っています。
 
 最後に一国民として私は眞子様のこれからのお幸せを心から願っています。

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