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18歳成人を考える

この4月から成人年齢が18歳からになりました。

個人的にはようやくか、遅いくらいだよ、という気持ちです。

欧米諸国民など18歳成人の国が多いことからそれに合わせた、というような説明でしたが、諸外国の事情云々を抜きにしても18歳成人は妥当な線だと思います。

これによって親の同意がなくても結婚出来たり、借金(クレジットカードや月賦払いも含む)が出来ることになる訳ですが、それに対して「まだ早い」とか「心配だ」という声を聞くと私は『どんだけ過保護なんですか』と思ってしまいます。

そもそも義務教育は中学生までであり、卒業後は(数は少ないにしても)社会人として働いたり、家業を継いだり、職人として修行したり、海外に行って見聞を広めたりと自由な訳です。

必ずしも皆が皆が、高校に入り親の庇護の元、学生として過ごす訳ではありません。

民法上も15歳からは自己決定能力がある年齢とされています。そして実体的にもその能力がある年齢だと思います。

何故心配なのか、それは「15歳から(もしくは18歳から)社会に出るための準備が出来ていない」と『思っている』からです。子どもの能力が足りないわけではありません。

18歳になれば運転も出来る、クレジットカードも作れる、選挙も出来る、結婚も出来る。「大人になった!」という実感が出来る権利ですよね、素晴らしいじゃないですか。

個人的にはお酒もタバコもギャンブルも同じ18歳からでいいと思います。

きちんと教えれば、それらが内包するリスクも理解できる年齢だからです。

そもそも「大人になる」というのは『何事も自分のことは自分で責任をとって生きていく人間になる』という事に他ならないです。

運転すれば事故を起こすこともあるし、買い物をし過ぎれば給料では払い切れないかもしれません。お酒を飲みすぎて身体を壊すこともあれば、よく考えないで結婚相手を選んで不幸になるかもしれません。

でも人生ってそんなもんです。

親の役目はそれらのリスクを心配して子どもにやらせないのではなく、同じ大人の先輩としてこれからの歩む道を「その先に石があるから、崖があるから、倒木があるから、川があるから、分かれ道があるから、その時はこうするといいよ」とアドバイスする事だと思っています。

もちろん子どもは親のいう事を全て聞かなくてもいいんです。親のアドバイスは親の生きた時代の常識で判断したものだから、これからもそれが正しいかは分からないからです。

この先の道をどう進むのかは、親や教師、先輩、上司などのアドバイスを参考にしつつ自分で考えて進むんだよ、という事をちゃんと教えてれば、何も心配はありません。

私が一番心配なのは、過保護になりすぎて子どもに「経験を与えないこと」です。

私の息子はいま17歳で高校2年生ですが、在学している高校は(自称)進学校ということで生徒のアルバイトを(家計困窮以外では)長期休みも一切許可していません。これに対して私はまさに子どもの経験を奪っているなあと感じます。

いずれ社会人として働くことになる学生にとって、アルバイトはとてもよい経験です。お金の価値も分かるようになりますし、学校と部活以外の人間関係も良い勉強になります。将来の職業選びの参考にもなるでしょう。2日間くらいどっかの公共団体や福祉施設に「お客さん扱い」でインターシップにいくよりずっと価値があります。

もちろん学業に差し支えてはいけないので一定以上の成績の生徒に限る、など条件はつけないといけないと思いますが、アルバイトくらいやらせてもいいのになと思います。(まあ、そもそも15歳過ぎているのに学校で免許でもバイトでも何でも許可とか、管理しすぎることも考えものですが)

そして、個人的に18歳からに引き上げられ一番歓迎しているのは選挙権です。

日本は少子高齢化のせいで重要な施策は高齢者の票で決められてしまう、という問題点があります。だから若者人口に選挙権が拡大したのはいい事だと思っています。

また「自分が誰に投票するのか考えるためには、政治・経済を少しは学ばないと決められない」というのも選挙権のメリットです。今までそれらに関心がなかった学生も興味を多少は持たざるを得ないからです。自分の一票が、世論が、世の中を変えていく、日々の生活が変わるという実感は大人にならないと分からないものです。

最近の身近なことでは、消費税が上がる、買い物袋が有料になる、手続きにハンコが要らなくなった、など政治が生活に密接してると感じる事もまずは選挙権ありきだと思います。

我が家も来年で18歳。

ニュースや時事問題を家族で話したりして大人になるとは?という話を常に意識して話していきたいと思います。









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