今日を向かう

画像1 毎朝毎朝 目が覚めると目にも耳にも世界は遠い うすらほんのりとぶれている つまりはしょうがいしゃのメモリがいや増しているのだ それが何か? だってみんなも太陽をくっきり目視しないでしょ? いやそういう問題では
画像2 今日の流れに乗って行けば流れは蛇行したり
画像3 まっすぐになったり
画像4 障害物に出会ったり
画像5 突然陸に上がることになったり
画像6 初めての場所はいつだって怖い 素敵でも美しくても感動的でも気温湿度日差し風速申し分なくてもこわい ここの住人しか知らない事情を知らない限りは
画像7 ありえない急転直下に闇が下りて来るとか
画像8 突然日差しが跳ねるとか
画像9 怖いのになぜ行く 優しい木に出会えるかもしれない澄み切った時間の痕跡に立ち会えるかもしれない互いの誤解が解けるかもしれない
画像10 目にも耳にも世界が遠くなればなるほど 引いていく世界に歩み寄る 世界は一律に遠ざかるわけではないと勘違いがなくならない限り
画像11 重い月日を凝らせて佇む建築 傍らで今を伸びる樹々が踊る いつでも白壁も繊細な瓦屋根もテラスも石垣も木々は舞踊に取り込もう 愛着は凶暴な大自然に飲み込まれない貴重な威力だ
画像12 端正 邪への屹然たる意志 丹誠に暮らしを営む街を抜け
画像13 剛毅な花崗岩
画像14 圧倒されて木っ端みじんになりながら橋を渡れば
画像15 緩く真摯な朴訥として抜け目ないセイカツたちの風景
画像16 その彼方の塔に私は何を掲げよう その彼方の塔に世界は何を掲げる

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