『頑張れご飯』
本番前日の晩御飯は、だいたい「チキンカツ」に決めている。
娘が高校生の頃、
コンクールだったか試験の前日にチキンカツを食べて良い成績を頂けたことから、ゲンを担いでいつのまにかこれが『頑張れご飯』になっている。
ただ、ご飯係(私)の帰宅が遅い場合は揚げ物は面倒なので、簡単に作れて胃の負担にならない、そこそこ栄養のあるものを作る。
この間の娘のリサイタルの時の『頑張れご飯』は、チキンとカリフラワーとホワイトアスパラのワイン煮だった。
頑張れご飯の始まりは、
私の大学入試の頃に遡る。
受験のため上京し、東京に親戚縁者がいないので、父の東京在住の友人(以下おじさま、おばさま)のお宅に数日間お世話になった。
子どものいないご夫妻。
おばさまはお茶やお花のお稽古でお出かけが多いのに朝と晩、ちゃんと食事を作ってくださった。
きっと気を遣って、私を1人にさせてくれたのだと思う。
お酒の好きなご夫妻で、家で食事ができる時はゆったりと食事の時間を楽しんでいた。
なんといってもおばさまの作るお料理がとっても美味しかった。
おじさまは一つ一つ、その手料理を自慢する。
朝には具沢山のお味噌汁に卵を落としたお味噌汁で元気付けてくれた。
「はい、これ食べて元気に行ってらっしゃい!」
食で励まされたのは初めてだった。
緊張を和らげるお味噌汁。
これは今も私自身の『頑張れご飯』になっている。
お世話になった1週間の間におばさまからお料理も教わった。
おじさまとおばさまと、3人で食べる食事の時間は素敵だった。
元気になる食事は、その食事の時間も大切なのだ。
家の『頑張れご飯』はみんなが気持ちよ〜く食事できるように心がけている🍽
緊張で胸がいっぱいだけど。
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