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バッハを弾いてみて③

NHK FMのオーディションその後…


弾き終わった後、アドバイスをいただけるというのは有り難いことです。

その頃の私は独りよがりで、自信もなくて、レッスンを受けたくても就きたい先生がいない。

枯渇した状態でした。
どんなことでもいいから何か言ってもらいたい!
そう思っていました。

オーディションには留学から帰ってきた人たちも何人かいて、勢いがあって気迫に満ちていました。

気後れしながら『バッハ パルティータ第1番』を弾き始めました。
途中、4曲目のサラバンドを少し弾きかけた時、審査員の一人、指揮者の外山雄三先生が「『舞曲』だよね、これ」と仰いました。
続いて井内澄子先生は、「あなたのはテンポが全部同じなのよね。一つ一つ『舞曲』の特徴をお勉強しなくちゃね」と。

高校生の時、コンクールでパルティータ第2番を弾いた事がありました。

その時のレッスンを思い出し、
音を外さないように
綺麗な音で弾けるように
間違わず最後まで弾けるように…

久しぶり人前で弾く私は、そればかり気にして練習していました。

ダメですねぇそれでは。
あ〜舞曲!!
そうです!舞曲なのです!!

高校時代は舞曲のなんたるか、何もレッスンでは触れずイメージ、音、テンポ、強弱のレッスン。
ひたすら弾いていました。

オーディションを受けたのは、24歳。
音楽的にもテクニック的にも、もちろん人間的にもまだまだ未熟で幼かったな…


まだまだレッスンは必要でした。
一緒に作曲家のことや練習方法のことや音楽全般のことを語らえる先生がいたら楽しかっただろうな〜と、今になって思います。


以降、バッハの講座、バロックダンス、公開レッスンなど積極的に参加しました。
とにかくバッハと繋がっていたかったのです。








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