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実家にあった私のもの

#実家にある私のもの

 高校の卒業アルバムを、実家に忘れてしまった。何十年も前、実家を出る時に。


 そして、ある時、
高校の同窓会のお知らせが来て、
卒業アルバムを見たいと思った時には
無かった。
父が 燃やしたらしい。

サンリオの
「詩とメルヘン」という雑誌も全て
父が燃やしたと母から聞いた。 
自分の大切な物を
実家に置いてきた
私が悪いのだ。


 火事になると危いからと母が止めても聞かなかったそうだ。
父の怒りが
炎となって🔥燃えたのだろう。



 日本の西の果ての小さな街を出て短大に進学した後私は、
父が恐ろしくて
地元で就職するしか無かった。

 そして2年後私は結婚し、
関西に引っ越すことになった。
もちろん父は猛反対した。
今想えば、当然だろう。
短大を卒業して
まだ2年だった。
せっかく就職したのに
もう結婚するのかと。
「苦労して育ててやったのに。遠くの学校にやって金ばかりかかったのに」と散々文句を言われた。


 今なら、当時の父の気持ちはわかる。
自分も、子供を育てて、61年生きてきて、
両親の苦労も少しは想像できる。

 でもあの頃の私には分からなかった。
期待に沿った生き方をできなくて
ごめんなさい、お父さん、お母さん。 
  私は、反対を押し切って結婚したから
滅多に実家には帰れなかったし、頑張って子育てをして
頑張って生きてきました。
おかげさまで、
それなりに
幸せです。
ありがとうございます。


 いつのまにか私も、
"実家の片付け"ではなく、
自分の家の片付け、断捨離をする年齢になっている。


 図らずも 今日はこの、
ゆるっと募集企画
#実家にある私の物
に参加させていただくことで、

懐かしくなったり
切なくなったり。


 今はもう、父も母も亡くなり、
写真の中で笑っている。
写真の中の両親に、
私は時々、子供達のことを報告したり相談したりする。
「どうか、お守りください」なんて、
自分の都合よく ただお願いしたりもする。

 きっと両親は、
「あらまあ、そんなことお願いされてもねえ。
ほんとに いつまで経っても子供だねえ」と
苦笑いしているだろうか?



#実家にある私のもの
#卒業アルバム
#親の気持ち #親への感謝

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