小説2、  9

僕は王さんに自宅に戻るよう促された。
僕はしぶしぶ家に帰ることにした。あんなに叫ばなければよかった、そう思った。

僕は普通に寝て起きた。何故か知らないが今日は悪い日だろう、そう確信した。自分の最期はかっこよく死にたいだろう。蓮さん僕を苦しめないでくださいね。信じていますから。僕は最高に弱気だった。

僕は出なければ、家から、出なければ、幸せなのに、外に出かけようとしていた。僕の心も頭も、(心と頭は同じかは忘れた)どこも拒否反応を示さなかったんだよ。寧ろ外に出させようとしているように感じる。あぁ、僕は外が好きなんだろうな、そうなんだろうなと思った。

出たはいいものの、蓮さんをどうしたらいいのか、分からなかった。止めることはできないんじゃなかなぁ。僕の腕の力を舐めてはいけないよ。誰が見ても弱いだろうさ。か弱い人間ではないはずなんだけれど、赤子の手を捻るの現実版になってしまいそうで、怖いよ。蓮さんを弱そうとか言ってしまったよ。僕の方が数倍弱いみたいだなぁ。まぁ、死ぬことには変わりないから、そんな、手のような即死しないところを狙わないでくれよ。痛い、痛いからさぁ。
止めてくれよ、蓮さん。

言葉で説得できるのなら、そうしたいよ。彼は自分自身で感情で行動することを推奨していたからなぁ、怒らせたら、一溜りもないんじゃないかなぁ。
僕、本当に殺されるみたいだなぁ。ははは、今日はいい日だ。

「やぁ、来たみたいだね。今日は随分と不安そうな顔しているじゃないか?、もしかして、僕が君を殺すかもしれないと思っているのかい。僕はそんなことしないと何度も言っているじゃないか。ねぇ、何故?僕が君を殺す目的は?
何?君の口から直接聞きたいと思っていたんだよ。やはり話さないと、話し合わないと分からないじゃないか?僕も君も、分からないよね。そうだろう。」

「僕は貴方が誰なのかを知っているんですよ。話し方から、容易に想像ができます。貴方は少し怖い人だ。少しじゃない、結構怖い人だ、そう感じます。しかし、どこか、どこか、貴方を許せてしまうんですよ。僕を殺そうとしても殺したとしても、僕は貴方を許すだろうと思います。蓮さん、貴方は何故、僕を殺そうとするんです?僕は貴方の秘密をほんの少ししか知らないんですよ。何も、何も詳しいことは分かっていないんですよ。貴方が柊さんを殺したかも分かっていないんです。」

「そうだねぇ、君が何も知らないことはよく知っているよ。僕には君の気持ちが手に取るように分かるからねぇ。君は僕を裏切ることができないと分かっていたよ。ふふふ、君は人を嫌いと言おうがなんだろうが、気持ちを大切にする人じゃないか、ねぇ、そんなに優しくていいのかい?僕はもっと冷たくてもいいと思うんだけどねぇ。気持ちが分かってしまうのかい?そうだろうね。そんな優しい君は僕の気持ちすら読み取れてしまうだろうね。僕が君を躊躇わずに殺すとしても、君は最期まで僕を信じるようだね。そうだったら、そうで構わないさ。君は、、、」


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