小説2、 4

彼は本当のことを言っているのか?分からない。彼は少なからず、怪しいのは確かなんだ。でも考えてみて、殺しをしたら逮捕されるはずだ。確かに、そうだろう。こんな簡単なところにいるなら、すぐに捕まるはずだ。
噂に収まっている程度では殺しをしたと判断するには難しいだろう。
そして彼はかわいそうな状況に置かれていることは確かだ。
僕にはいい条件だ。殺しもしないと約束をしてくれている。
そして何もしなくていい。ベンチで本を読んでいるだけでいい。
彼の情報を結構得ることができる良い機会じゃないか。なぁ、そうじゃないか。僕はこの条件を呑んでもよさそうじゃないか。

で僕は彼の条件を呑むことにしたのさ。
帰りの道は彼女に会わないか、不安でいっぱいだった。何故か、僕は彼女の言うことではなく、彼の言うことを聞いたからさ。彼女はとてもがっかりしたに違いない。がっかり?何故彼女ががっかりするんだ。彼女は僕を助けはしないと、殺されればいいと、夢で嘲笑っていたじゃないか、それが本当の彼女じゃないとしても、僕は僕の道を歩む。彼女は酷すぎるんだ。
酷いよ、なんでも人を噂で判断するなんて。

歩いても、歩いても彼女に出会えることはなかった。彼女は全て分かっているのだろうか、僕と出会わなくても全て分かっているのか。怖いなぁ。彼女は何を持っているんだ。何故僕に忠告をしたのか、何故、僕に殺せと頼むのか?分からない。彼女の意図がまるで読めない。

家に帰ってきた。僕は自分の部屋に行き、また手記を開いていた。

「僕はいつも本を読んでいた。湖が澄んでいてね、いいところさ。ここは僕の家でもある。森の奥深くにあって、ベンチが一つある公園だよ。そこに僕は暮らしているんだ。公園に家が一軒建っているだろう。そこに僕が住んでいるんだ。まぁ何もないんだけれどね。もしものことがあったら、誰かにその家を託すことにしているんだ。」

そうか、あの家、彼の家だったんだ。明日にでも行ってみることにしよう。
















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