小説2、  8

「今日は僕疲れているみたいなんだ。先に帰らせていただくよ。僕の言動が冗談かどうかは君が決めるといい。君はとても迷っているね。
君は顔に出やすいんだねぇ。とても純粋でうらやましいよ。僕は何もかも信じられなくなってしまってねぇ、今の君のような状態だよ。まぁ、ははは、それはとても楽しいよ。昔は君のような存在だったのかもね。君は昔の僕を見ているようだよ。とても壊れやすくて儚い。
君もそう、いつか分かるだろうね。僕が正しかったのか、その他の人が正しかったのかね。ここは歴史の教科書じゃないからね。結果なんて分からないよ。じゃあね、君はここで覚悟を決めるといいさ。」

彼は森の奥に消えていった。
僕はとても迷っていた。顔に出やすいのかなぁ、分からないけれど。
僕は彼を犯人にしたいのか、彼を殺したいのか、助けたいのか。
はぁ、分からないよ。蓮さん、貴方は、僕を試したいのか、助言したいのか。
僕はどうすればいいんだい?何をすれば正解なんだい。

今日は夜までこのベンチにいたい気分なんだ。
まぁ、ここで野宿していても怒られないだろうさ。

暗くなって、明かりが一つか二つか付く、いやもっとついているけど。
僕は何本か水を飲んだ。水ばかり飲んだ。

上手く言えない気持ちになったのさ。

「僕は貴方と全然似ていない気がするんですけど、僕は貴方みたいな人に絶対なりたくないですけど!僕は壊れやすくて、儚くないですけど、どこらへんがそうなんですかね!是非教えていただきたいですけどね!」

湖に向かって少し叫んでみた。まぁ気持ちが落ち着いたから、もう一本水を買うことにした。
僕がベンチに座っていると、王さんが歩いてきた。

「まだ、ここにいたんだな。蓮に会ったのか?なんかご機嫌斜めのようだが。」

「ご機嫌斜めとかじゃないですよ。ただ少しやるせなくて、ここで考え事をしていただけですよ。少し叫んでみたくなったので叫んでしまったんですけど、うるさかったですか?」

「ここら辺には響き渡っていたみたいだな。客は俺しかいないし問題ないけどさ。近所迷惑ってこともないよ。また惑わされる言葉を蓮に言われたのか?」

「何度目か分からないですよ。蓮さんはいい人なのか、悪い人なのか、歴史が判断してくれる、そう言うのですよ。僕の今の判断がこれからの運命を決めるから、慎重にいなくては、そう考えるんですけど。まぁ、彼の言葉に惑わされているのは事実だし、そして彼は優柔不断なのか、何なのか、僕を白痴にしたいのか?笑わせるな、僕は本気で怒っているんですよ!でもどうすればいいのか分からないですよ。」

「俺も蓮の言動が嘘か本当かとか考えたことがなかったから、詳しくは分からない。まぁどちらを選んだとしても、それを信じ続けろ、惑わされるな。それでもし悪い方を選んだとしても自力で成功に捻じ曲げろ。そうすれば、全て間違っていない道になるだろうさ。そうだと思わないか?」

「えぇ、王さんが言っていることは間違っていないと思います。まぁそれが上手くいくのなら、いいですけど、最悪死ですからね。この毎回スパッと決める僕でさえも悩みますよ。自分の人生を犠牲にするかもしれませんので。」

「そうだろうな。俺も躊躇ってる。お前は好きな方を選べ。俺も好きな方を選び自力でなんとかする。お前はご機嫌斜めでも何でも上手くいかせることができるだろう。」

「そうですね。僕はある程度は上手くいかせることができるでしょう。でも貴方の助けがあってこそなので、そこは本当に頼みますよ。」

「あぁ、そうだな。」


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