見出し画像

えっなんで?!入試にピアノも歌もないって

 私は愛知県内の、そこそこに進学率のある公立高校の普通科を卒業しています。同級生の中には保育士、幼稚園教諭を目指した人もいます。
また、叔母(父の妹)が元保育士、従姉妹にも保育士がいて、父の実家は幼稚園経営。つまり、普通よりはそこそこ、幼稚園や保育園に縁があるようなないような、というバックグラウンドを持っています。

 同級生で保育科を目指す人たちは、私の記憶ではだいたい「ブルグミュラー25の練習曲」が終わっているか、半分位まではやったという程度のピアノ経験がある人だったように思います。

 最初に教えた保育士志望の生徒は、在学している高校の系列大学への内部進学を考えていたこともあり、私は大学入試の対策をする必要がありませんでした。

 その後、別の大学を受ける子の入試の相談をするために複数の大学の一般入試について、インターネットで調べられるものを調べてみました。

「うっそぉ・・・」

画面を見て、思わず絶句しました。
「学科試験と面接のみ?」

 保育士、幼稚園教諭の資格がダブルで取得できる学校です。
それなのに、入試にピアノも、歌も、実技の試験がとにかくない。
大丈夫なのかな、と思いました。

 歌の試験がある学校は、1校見つかりました。伝統のある専門学校でした。

 他の県のことはなかなか情報が入らないのでわかりづらいのですが、おそらく全国的に実技試験を入試に課していない保育系の学校は多いのではないかと思います。

 そのすべての理由とは思いませんが、1つの理由として、とある短大の先生から聞いた話を載せます。

「こちらとしても、実技の簡単なテストを入試で行ったほうが、学生が入学後苦労が少ないだろう、と言うことは分かっています。

 しかし、実技があるということで心のハードルが高くなってしまう学生もおり、それが理由で適性のある人を逃すことは避けたい」

「短大も経営的には学生があまりに少ないと困る。ある程度の定員をキープすることを考え、実技を課さないことで選択してもらうことを考えた」


 ある意味学校側の本音、的な部分だろうと思います。

学校側も実技試験の課題を決めること、採点基準をどこに持っていくかを考えることが大変なのだろうと思います。ピアノだけ弾けても、保育の場合正直意味ないのです。しかし、歌はうまいがピアノが下手・・・という場合もあるのです。

また、私も音大卒なのでわかりますが、実技試験の選考は時間がかかりますし、誰が採点するかという問題も、手間もあるのでは、と感じました。

 ただ、その結果、ピアノを弾いたことがない、歌もあまり歌わない、楽譜が全く読めない学生というのは増えている傾向にあるようです。
 複数の大学の先生の研究論文に、初心者のまま入学する学生についてのリサーチがあることからも、この傾向は伺えると思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?