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ひだりききクラブと松村早希子(個展「愛のひきだし」のこと〜その2〜)

2021年12月18日土曜日、
個展「愛のひきだし」会場にて
トーク&朗読+ライブドローイングイベント
「ひだりききクラブと松村早希子」
開催!

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出演:ひだりききクラブさん(すずめ園さん出雲にっきさん)、松村早希子
司会:シマダマユミさん

個展を企画してくれた蛍光資料・羽山氏(実は高校の後輩!当時から大変お世話になっている…)から、展覧会関連のイベントをやりましょうと提案があり、自由律俳句ユニット・ひだりききクラブさんをお招きしてのトークと、お二人の朗読と共に私がその場で絵を描くライブドローイング(スクリーンに手元の映像を投影し、絵を描いている画面を見せる形式)を、おこないました。

ご来場の皆様、有難うございました!!!
描いているところ
カメラ90°傾ければよかったなと反省

🎀きっかけ🎀

2020年11月、個展「わたしの緊急事態」
(at高円寺ストロベリー・スーパーソニック)
に、すずめ園さんが遊びに来てくれた!
私はすずめちゃんの前世(前にアイドル活動をしていたグループ)からの大ファンだったので勿論大喜び。でも喜び浮かれてるだけじゃなく、すずめちゃんが「すずめ園」として新しく始めた自由律俳句の活動を尊敬していたので、いつか何か一緒に出来たら…とひそかに夢見ていた。私のぼんやりした夢を形にしてくれた蛍光資料さん、ありがとう!

高円寺でお会いした時に、すずめちゃんに新しいお名前の由来を聞いたら「鳥の雀は苦手なんだけど、ちっちゃくて弱々しいところが自分に似てるなと思って…」と言っていた。
苦手なものでも自分に似てると素直に認められる客観性、すごい…!と思っていたけれど、もっと深い意味が込められていたと後から知ることになるのであった。

🎀打ち合わせの日🎀


12月の或る日、ひだりききクラブのお二人、司会のシマダさん、羽山氏、私で、珈琲の香り漂う喫茶店にてイベント打ち合わせを実施。

トーク初心者の私だけではとても回せないので、司会をTRASH-UP!!(現在にっきちゃんが所属するinnes、過去にすずめちゃんが所属していたSAKA-SAMAのレーベル)社長、シマダさんにお願いした。
TRASH-UP!!さんは、雑誌で連載コラム「東京アイドル標本箱」を掲載していただいたり、2017年のグループ展アイドルと芸術(at mograggallery)
(第一回)に呼んでいただいたりと、昔からとってもお世話になっている。何もかも初めてのことだらけで不安に沈みそうだったところ「大丈夫だよ〜!」とあたたかく支えてくださり、とても心強かった…!

トークの方は、私から二人に聞いてみたいことが山ほどあり、次々思いついた内容をまとめるのに苦労するほど。
でも、朗読とライブドローイングの方は「やる」ということ以外何も決まっていなかった!しかも、私もひだりききクラブさんも初めての試み、一体どうしよう…などと悩んでいる間もなく、目の前でにっきちゃんとすずめちゃんが
「こうしたらいいんじゃない?」
「これはどうかな?」
と、二人の間で話し合いながらぽんぽんとアイデアを出してくれて、速やかに打ち合わせは完了した。アイドルとして何度もステージに立ってきた二人の、やりたいこと・表したい世界をぱっと創り上げるスピード感に、只々感動してしまった(アンタも一緒にやるんだよ!)。

お店の外に出たらとても寒くて、にっきちゃんとすずめちゃんがキャッキャとおしくらまんじゅう状態でくっつき合って遊んでいた(かわいすぎ!)。


それまでの打ち合わせタイムでは二人とも(リラックスした雰囲気だったけど)しっかりとお仕事に向き合う大人の顔だった。でも終わって外に出た途端、大好きな友達に久し振りに会えて只々嬉しくてたまらない!という女の子の顔になって、そのくるっと変化した瞬間の、愛おしさと輝きよ…永遠なれ…と思いながら描いた絵。
トークの時に話しそびれてしまったので、ここに記録!

🎀ついに当日🎀


いや〜〜〜まじで直前までドキドキDOKI DOKIしてて「真っ白な紙を前に何も描けない」みたいなベタな夢を見て飛び起きた日もあった!(本番より夢の方が怖かった…)
でも、事前にいただいていた朗読台本の内容がほんと〜〜〜に素晴らしくて、前日にそれを読みながら(ストップウォッチで描く時間を計ったりもしつつ)練習で絵を描いていったので、なんとか白い紙の悪夢は免れた。

練習の絵①
練習の絵②
練習の絵③
練習の絵④
練習の絵

イベント開始前に、二人に展覧会をゆっくり見てもらう時間を作れた。作品ひとつひとつを丁寧に見てくれて感想をくれたのは勿論のこと、ソファカバーやお花を飾った花瓶の一つ一つに至るまで「かわいい〜!」と反応してくれて、この様子をそのままビデオに記録したい…そして辛くなった時とかに見て生きる力を取り戻したい…と願わずにいられない幸せな時間だった。心のビデオテープに永久保存。会場の装飾は、私の絵を小学生の時からずーっと見ていてくれて、良い所も悪い所も熟知している幼馴染が手がけてくれた。大感謝!


*トークで聞けたこと*
他にも沢山あるけれど、特にずっと自分の中に残っている言葉たち。

①すずめちゃんのお名前(ペンネーム)の由来
雀という言葉をインターネットで調べたら見つけた「闘う雀、人を恐れず」という諺。
弱くて小さい雀でも、何かに夢中になっている時は自分より強い存在も怖くなくなるという意味から、弱々しく小さい自分でも、好きなものに夢中になって強くなれるようにと付けたのだそう。昨年は聞けなかった深いところまで知ることができた。

②にっきちゃんが見た東京
noteの日記で、上京してきたさみしさや東京の街の印象を綴っていたのを読んで、あらためて「東京ってどう見えてる?」と聞いてみたくなった。
「生きるスピード感が地元とは全然違って、竜宮城みたいだと思う。ぐるぐるしてるうちにおばあちゃんになっちゃう(!)から、ちゃんと残さなきゃいけないと思って、今文章を書くことにつながってるかもしれない」と言っていたにっきちゃん。
竜宮城という言葉の強さに心打ち抜かれた!毎日がお祭りのようで、きらびやかでガチャガチャした色々が目の前通り過ぎていくのをぼーっと見てたらいつの間にか何百時間も経ってる、ほんとだーーー東京って、竜宮城だったんだ!と思った。なぜかドンキの前の水槽を連想。

不勉強で、自由律俳句のことをほとんど知らなかったけれど、周りのものや風景や事象の一つ一つを丁寧に見て、掬っていく作業なんだなと二人のお話から伝わってきた。
それから、自分は言葉に対してこんなに真摯に向き合っているだろうかと(少し)省みたりもした。このnoteはつらつらと長文を書いてるけど、自由律俳句はギュギュッと濃縮されてたった一文字置き換えただけでも意味や雰囲気がガラリと変わる。一文字のニュアンスまで突き詰めて考えるのは、絵のタイトルを付ける時に似てるような気がした。

トークの後には、朗読+ライブドローイング!
後からお客さんに「そんなにバタバタした感じはしなかったよ」と言ってもらえたけれど、舞台裏はもうめっっっっちゃドタバタしていて、幸い大きなトラブルは無かったけど、え?これからここで…絵を描くとか本当に?!自分できる?!と、開始直前は心拍数が人生最高潮に達した。
でも、いよいよ始まり薄暗い中で二人の朗読する声を聞きながら手を動かしていたら、真夜中に雪がしんしんと降り積もってくように心の中が静かになってきて、家で一人で絵を描いている時と近い状態になった。明らかに家とは全然違う状況(お客さまがいる!カメラがある!しかも暗い!)の中でも、二人の声を聴いていたら目の前の紙だけに集中できた。ほかの何にも似ていない、忘れられない体験。

当日の絵①
当日の絵②
当日の絵③
当日の絵④


右上は、うまくいかず諦めた一枚


ほとんどの時間は手元を見ていたけど、たまに見上げた時、スクリーンの映像が光ってふたりのお顔を照らす瞬間があり、夢のように綺麗だった。
そしてひだりききクラブさん側も暗かったのではと反省したけれど、「スクリーンに映る絵の色味が反射して、明るくて綺麗でした」と言ってくれていた。
見え方は違うけれど、どちらも色と光が反射して混ざり合う所の美しさを見ていたんだな〜と思った。そして会場に来てくださったお客さんもまた、その時その視点でしか見えない美しさを見つめられていたのだと信じたい。

何の相談もしてなかったのに
シマダさんと姉妹ユニットみたいな服装
で、うれしかった〜

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