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溺れる者に藁を売りつける商売

前回の日記を書いてから一年以上の月日が経ってしまいました。
年齢を重ねてくると本当に一年が早く感じるので、我ながら「おっさんになってしまった……」と溜息をつきたくなります。
何とか異常独身中年になる事は避けられたので、まだ多少はマシな人生ではあるとは思いますが。
(仕事で異常独身中年の同僚にパワハラされて一時期かなり神経病んだので、その手の属性の人に対しネガティブなイメージが…)

確か昨年に書いた日記で、妻が職場トラブルに巻き込まれ退職に追いやられた、という事を書いたのですが、今回書くのはその後のお話、主にお金のお話です。

職場の人間関係で相当疲弊して適応障害を発症してしまったのもあり、生活費の問題もあったので、退職後に何か給付制度等は無いのかと色々調べた所、「傷病手当金」という制度がヒットしました。
妻は既にメンタルクリニックへの通院をしていた事もあり、給付の条件も満たしている。
差し当たりこの傷病手当金とやらを申請してみよう、という事になり、早速傷病手当金の申請方法を色々と調べてみたのですが、ヒットするのは主に小難しい制度説明、「解説」になっていない自称解説サイト、そして代行業者のページ。

代行業者のページでは、主にこういった事が書かれていました。
・失業手当が最大28ヶ月分貰えます!(実際は傷病手当金最大18ヶ月と失業手当数ヶ月)
・ただし手続き方法は難しく書類の記載に少しでもミスがあると一切給付出来ません!(これは本当)
・苦労して申請に成功してもその次の手続きで失敗すると給付が打ち切りになる可能性も高いです!(これも一応本当)
・自分で申請する事はほぼ不可能!手続きは煩雑!(これも一応本当…)
・なのでプロのコンサルによる代行を頼みましょうね~(宣伝)
といった感じ。

確かに調べても、申請方法や例文的なものも一応出てくるものも、果たしてそれで正しいのかどうかも素人なのでよく分からない状態。
妻は当然、自分も妻のメンタルケアや先の異常独身中年のパワハラでかなり参っていたのもあり、妻の「とりあえずラインで無料相談とか出来るらしいから、(代行業者に)聞いてみよう」という事になってしまいました。

で、そのプロの専門家とやらの相談、からの無料セミナーまで聞いてみたのですが、内容としては「最大◯百万円受給出来る」という甘い話から始まり、次に「しかし手続きは煩雑で失敗すると一切給付出来ません、0円です」という脅し、そして最後に「我々に任せれば全て指示しますので言う通りにするだけで大丈夫です!」「代行費用は◯◯万円になります」という宣伝。

他人事ながら(家族なので他人でも無いのですが)、上手い事出来てんな~と思いました。あ、これ、完全に足元を見られてるな、と。
これ、精神的に疲れている時なら、それで複雑な事を考えずに手当金が貰えるのなら、と思ってしまうだろうと。
実際に妻は「自分で手続きして一切貰えなかった収入0になっちゃうし、それが不安だから(業者を)検討した方が良いのでは?」という意見。
自分も若干その意見に同意しかけましたが、やはりネックは費用面。
40万だか50万を、正直あまり信用ならない業者に払うというのも、ただでさえ弱っている足元を見られている様で非常に不愉快でした。

恐らく妻が一人で(結婚せず独身で)同じ状況に陥っていたら、恐らく考える余裕も無く業者に依頼していたか、そもそも傷病手当金の制度すら調べるのも億劫で、自宅にしばらく引きこもっていたと思います。というか自分でそう言ってました。

しかし、不幸中の幸いな事に考える頭は一つでは無かったので、諦めずに更に色々調べた所、社労士が申請のやり方をきっちり教えてくれる、というサポートサービスがヒットしました。(代行業者では無く、手続き自体は申請者である自分達だけでやる形)
費用は数万円程、ぶっちゃけ3万もかからないぐらい。
これが相場として正しいかどうかはさて置き、先の代行業者の代行費用と比べると1/10以下と、非常に安く感じた事もあり、結局社労士の方にサポートを依頼する事になりました。(本来は数万円も決して安くは無い金額なのですが)

結果的にはスムーズに申請が行えて無事受給もされているので、結果オーライではあるのですが、先の代行業者みたいな商売って、本当に人が弱っている所を上手く突いてくるものだと改めて思わされました。
人間が弱っているタイミングであれば、猜疑心が強い方の自分ですら、普通に騙される可能性があったでしょう。
最近流行っているらしい退職代行サービスと似たようなもので、自分でやればコスパが良い、と分かっていても、そもそもそういったサービスを使う様な状況に追い込まれている時点でかなり弱っている為、自分でやる為の思考力・気力が落ちている状態でやっても上手くいくかどうかも分からないというのもあり、そういう意味では代行業者というのはある種の必要悪であるのかもしれません。
それにしても件の傷病手当金受給代行業者については、さすがに足元見すぎだろとは思いましたが。

社労士さんの方も、ある意味足元を見ているのかも知れませんが、足元を見られるにしても多少の節度が感じられました。
他人に自分達の為に時間と労力を使わせる為の費用と考えれば、数万円だと寧ろ全然安いぐらいでしょう。

この日記の結論としては
・傷病手当金を受給したい場合、失業手当28ヶ月!等と煽る業者はよしとけ
普通に社労士さんに頼みましょう
といった所です。

溺れる者に藁を売りつける様な商売が蔓延るのは、社会的に考えても、まったく良くはありませんからね。

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