吐露

突然の訃報から一日経って、まだ「どうぞ安らかに」と祈ることも出来ず、ただただ悲しむことしかできずにいる。浮かんでは消えるあれこれを文字にしたら少しでも向き合える気がしたので、ここに記そうと思う。

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好きなバンドのベーシストが亡くなった。

一週間の仕事を終えて帰ろうとした金曜日、久しく動いていなかった公式Twitterから通知が来たのを見て、心が凍った。メンバー個人での活動はあるにせよ、バンドは活動休止中。なにか動きがあるとしたら活動再開かメンバー脱退か、解散か…「お知らせ」なんて言葉を使うからには悪いニュースなのかもしれないと覚悟して開いた公示の内容は、それらのどれでもなかった。

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なんとなく、心のどこかでSuchmosのことを永遠だと思っていた。たしかに今は活動を休止しているけれど、彼らはそれを「修行期間」と呼んでいるし、怒涛の早さで成長してきた彼らの、必要な寄り道なのだろうと解釈している。活動休止の報せを受けてもそれほどショックじゃなかったのは、絶対に戻ってくるという確信があったからかもしれない。

だってあんなに音楽が大好きで、それでいて幼なじみや遊び仲間が集まった6人だから、きっと音楽はやめない（やめられない？）だろうし、なんだかんだおじいちゃんになってもみんなで集まってワイワイしたり音楽聴いたり奏でたりしてるんだろうな、と思っていた。
さちものメンバーってSNSとかを見ていても彼らの個人的なこととか仲間内でのことを外に出すのが得意じゃないというか、別に必要ないかなって思ってる節がある気がしていて、ファンとしては寂しい面もありつつも別に彼らが楽しんでいればそれでいい。

どんな形であろうとSuchmosはSuchmosだし、その魂は不変なのだから。

だからどんなに音沙汰が無くても彼らが楽しんでいてくれればそれでいいし、願わくば音楽を続けてくれさえすればそれでいい。本当に、それだけでよかったのだ。

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32歳、あまりにも若い。
バンドが活休になってからもあちこちで演奏したし、つい最近も曲を制作していたそうだ。2021年のフジロックでVaundyのサポートベースとしてステージに立っているのを見て、やっぱりすーさんのベース最高だな……としみじみと感じていたのは記憶に新しい。プライベートでもご結婚されて可愛い可愛いお子さんもいて。

活動休止する時にHSUさんが個人のインスタに乗せていたコメントとかを改めて読み返して、きっとまだまだやりたいステージとか作りたい音楽とか鳴らしたいグルーヴがあったんじゃないかと思ってしまって、いまはただただ天を恨むことしか出来ずにいる。

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なによりも、ご家族やメンバー、親しかった人たち、ファンが心配でもある。あまりにも突然だし、予想もしていなかったし、あまりにも悲しい。
個人的な思いを述べるのであれば、メンバーのみんなには無理をしてコメントとかを出さなくていいし、公式からも詳しい情報とかを出さなくていい。もう、ただ、静かに向き合う時間ができれば、と。

（そんなこと言ってたら今日TAIKINGが藤井風くんのライブに出ていて、メンバー紹介で「TAIKING from Suchmos！」ってSTAY TUNEを演奏していたというレポが回ってきた。ストーリーも更新してた。こんな時でもステージに立ってくれることがありがたいなと思う……）

自分はというと、すーさんのことが思い浮かぶ度にただただ泣くことしかできずにいる。一夜明けて友人と会う用事があって、日中は案外いつも通り過ごせたのだけれど、やっぱりひとりになって音楽を聴いてしまったら、なにを聴いたって「このベースいいな」とか思ってしまった瞬間にすーさんのことを思い出す。Suchmosが私の音楽観に与えた影響はあまりにも絶大で、適当にプレイリストをシャッフルしても、HSUさんがラジオでおすすめしてた曲が流れてくる。
何を聞けばいいのか分からなくて、ぐわーってシャッフルしてたら電車から降りて一人になった瞬間にGAGAが流れてきて、泣くことしか出来なかった。Spotifyでお気に入りにしてるSuchmosの曲実はGAGAしかなくて（基本アルバム単位で聴いてるから曲単体は入れてない）、でもSpotifyのお気に入り曲1000曲くらいあるから、普段でも頻繁に出てくるわけじゃないのに。1/1000の確率が今くるなんて。
こんな調子だから、まだしばらくは向き合えそうに無い。受け入れられる日が来るのかも分からない。

ただ、ひたすらにHSUのベースを聴きながらこの文を書いていて、地をうねらすような低音と唯一無二の至高のグルーヴを浴びながら、悲しみのどん底にいる今、その悲しみを癒してくれるのは唯一彼のベースな気がしている。かなしい。本当にかなしいけれど、彼がのこした音楽が、いまここにある。

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本当は感謝の気持ちとか、御冥福を祈ることで文章を締めたいのだけれど、まだそれが出来るほど落ち着けていないのでそれはまた落ち着いたら改めて言葉にしたい。今夜はひたすらHSUさんのベースを聴きながら寝ようと思う。また明日は少しでも笑って過ごせますように。