トランスジェンダーのホルモン投与体験記

※注意:今回の内容は個人の体験に基づくものです。決して鵜呑みにせず、複数の専門家や医療機関に相談の上、判断してください。

こんにちは、さきです^^

私は生まれ男子ですがトランスジェンダーで、身体の違和感を軽減するために女性ホルモンを投与しています。※1 今回はその中で体験してきたことを書いていきたいと思います。

女性ホルモンを投与することによって、筋力の低下や肌質の変化、頭髪が増えたり体毛が減ったりと"女性らしい"変化が起こります。それにより身体への違和感を軽減することができるのですが、副作用もあります。

元々、身体で作られる男性ホルモンは女性ホルモンを打ち続けていくうちに作られなくなります。でも女性ホルモンを自分で作る機能(卵巣)がないので、外から入れないといけないんですね。ここから更年期障害と一生のお付き合い※2をすることになりました。

(ちなみにですけど、最近は女性でも若い方や、男性も更年期障害になる人が増えてるらしいですよ!)

打つ頻度は2〜3週間に一度という人が多いかなぁという印象です(個人差あり)。

打ったホルモンは時間が経つと無くなってしまうので、無くなる頃合いを見て、また打ちに行くんですね。

私の場合は、「週に一度」京都にあるかかりつけの産婦人科に行き、注射でホルモンを投与しています。

以前は、大阪にある別のクリニックで2週に一度通ってたんですが、打つ量や質が私には合わなかったみたいで、日々の生活が結構しんどい状態でした。

朝起きるの辛いわ、起きても身体ダルくてぼーっとするわ、頭痛やめまいもしょっちゅうなるわ、、、、

こりゃあ普通の生活は無理だ!!と思って知り合いに聞いた現在の産婦人科に転院?しました。

副作用のツラさを相談して【一度に打つ量を少なくして、間隔を空けずに打つ】というやり方に変えました。

なんであんなにしんどかったのか、今の病院の先生と話した内容を私なりに整理すると、主に2つの理由が考えられそうでした。

ひとつは、単純に打つ量が多かったこと。

以前通っていたクリニックでは、最初は卵胞ホルモンを2Aと、黄体ホルモンを1Aで合計3A注射※3していました。

一度に打つ量が多いと無くなってくる時のアップダウンが大きいので身体のしんどさが大きいようでした。

でも、しんどさを前のクリニックで相談したら、「打つ量が少ないから無くなるのが速いんだよ!という見解で、打つ量がさらに増やされてしまいました。
卵胞ホルモンをプラス1Aしたので、合計4Aです。

結果どうなったか?。。。さらにしんどくなりました(汗)

こりゃあキツい、と転院を決意します。
今の病院の先生に、最初の診察で当時の状態を相談すると「打つ量が多すぎる!!」とビックリしていました。

現在は、週に一度の通院で1Aを打っています。
なんと一度に打つ量は以前の1/4。。。そりゃあキツいはずです(笑)

もうひとつの理由は、私には必要のないホルモンも投与されていたこと。

先ほど書いたように、以前通っていたクリニックでは「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」2種類のホルモンを投与されていました。

そもそも女性ホルモンに種類があるの?って思う人もいると思うので、まずは説明から。
専門の解説は詳しいサイトから引用します。


女の人のカラダにはリズムがあり、カラダとココロはホルモンバランスによって大きく左右されます。 月経が終わり、また始まる1ヵ月の間に、やたらとイライラする時期もあれば、体調も気分も絶好調な時期があったり…。そんな女の人特有のリズムを作り出しているのが、2つの女性ホルモン。 卵巣から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)です。 2種類の女性ホルモンの分泌量は約1ヵ月で変動し、排卵や月経を起こしたり、基礎体温を上下させたりします。 もちろん、妊娠・出産にも大きく関係しています。※4
女性ホルモンの働きは、月経や生殖に関わることだけではありません。
たとえばエストロゲンは、丸みをおびた女性らしいカラダを作ったり、ツヤツヤではりのある肌を保ったり、骨粗鬆症などの生活習慣病から身を守ったり…。 さまざまなうれしい働きをしてくれます。
一方、子宮内膜を整える働きのあるプロゲステロンは、妊娠の成立・継続に欠かせないホルモンです。 また、プロゲステロンがたくさん出ている月経前には、むくみやすくなったり、たくさん食べたくなったり、眠くなったりすることも。 体調面からみればうれしくない作用もあるのですが、子供を産み・育てる役割を担う女の人ならではのホルモンの作用ともいえるのです。※4
ホルモン補充療法には、卵胞ホルモンと黄体ホルモン剤を用います。卵胞ホルモンには子宮内膜を増殖させるという好ましくない作用があるので、黄体ホルモンを併用し、これを抑制することが必要です。ですから子宮を摘出した女性には、必ずしも黄体ホルモンの併用の必要はありません。※5

「子宮を摘出した女性には黄体ホルモンは必要ない」と書かれていますね。
そう、私も子宮がないので黄体ホルモンは必要ないんです!!

そしてこの黄体ホルモンは、不快な症状を出しやすいと言われています。

この排卵から次の生理までのプロゲステロン増加期間は、女性にとってあまり心地のよいものではないことが知られています。
身体が熱っぽくて(体温が上昇)なんとなくだるいし、腹痛・腰痛・頭痛が起きたり、精神的にも不安定になりイライラします。これらが重症化したのが月経前症候群(PMS)です。※6

にもかかわらず、黄体ホルモンも注射されてました。イケイケに日焼けした、趣味サーフィンとか言いそうな先生が、「うちは卵胞2Aと黄体1Aって決まってるから」と初回に言われてしまったんですね。

ちーーーん、ですよ。本当に転院できてよかった。。。

そして、ホルモンバランスによる不快な症状が強く改善したいと思っている人や、美しさを得たい方は、「プラセンタ」注射も併せてすることも検討してもいいかもしれません。
https://www.ishihara-ldcl.jp/aging_care02/

今回は、ホルモン投与を行っているMtFトランスジェンダーのひとりとしての体験談を綴ってみました。
最後に現在通っている病院を紹介しておきますね。

石原産婦人科
京都府京都市伏見区桃山毛利長門西町47-1
(京阪・近鉄「丹波橋」から徒歩6分)
https://www.ishihara-ldcl.jp/


※1 同じ「トランスジェンダー」(生まれた時にお医者さんに診断された性別に違和感があり違う性別を生きようとする人たち)でも、ホルモン投与など医療的なことをしない人もいます。戸籍を変える人、外科的な手術をする人だけでなく、服装や下着を変えることで安心する人、周囲に受け入れられることで満足な人など、折り合いのつけ方には様々なバリエーションがあります。

※2 ホルモン投与は、生まれ"女性"の方の閉経と同じくらいのタイミングで止める場合もあるそうです。ここらへんは詳しいお医者さんに聞かないとわからないなぁ。

※3 アンプル。一定量の注射液を密封した小さいガラスの入れもの。1アンプル、2アンプル…と数える。

※4 カラダとホルモンのお話|オムロン式美人
https://www.healthcare.omron.co.jp/bijin/shittemiyo/body.html

※5 HRT 自分にあったホルモン補充療法をうけましょう
http://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/PUB/middleage/HRT/HRT_10.htm

※6 女性ホルモンの基礎知識・仕組みと種類
https://www.tsurukawadai.jp/column/20180405

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