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便所のらくがき


なんだか最近、自分の頭がスッカスカであることを思い知らされているようで、屡々つらくなる。

今まではスッカスカであることに気が付いてなかっただけなのかもしれない。

勉学や色んな人に出会うことで、少しずつスッカスカな頭が補填されているように錯覚していたのかもしれない。

忙しい日々はただ心や体に負担をかけていたのではなく、同時に満たされているかのように錯覚させ、つかの間の安心を与えていただけなのかもしれない。


家から出ないことが推奨されて、人に会わないことが良しとされて、最初のうちはとても嬉しかったように思う。

元々人に会ったりするのが苦手で、誰かとワイワイするのは気が向かないとつらく感じる、というか、集団の中にいると自分が独りぼっちであることが突き付けられているようで正直しんどかった。

っていうか、多分自分が好む人に構ってもらえないという状況が嫌いなだけのかまってちゃんなだけなのだが。

そうやって人に迷惑をかける自分も嫌いだから、関わる人をごく最小限に留めたり、その人たちに激しく依存したり。俗にいうメンヘラ。

話が逸れたが、とにかく元々の生活が苦手なタイプの人間だったのだと思う。だからきっと、最初のうちは嬉しかった。


満員電車に揺られながら、授業に間に合うか不安になりながら登校するのも。

周りの人にどう思われているかという不安と自分の我儘のバランスを取ろうと思って必死になるのも。

同世代と自分を見比べて、誰が恵まれてて、誰が自分よりつらい状態にあるのか品定めしたり、そんな自分に嫌気がさしたりするのも。

他人を羨んだり妬んだりするのも。

心身共に疲れた状態で満員電車に乗って帰るのも。

一人反省会を開催して泣くのも。

とりあえず、全部一旦お休みして自分の空間に籠っていることが良しとされるのは、結構嬉しかった。


でも、嬉しい状態は長くは続かない。

私は実家暮らしだから認知症の父と折り合いをつけて、他の家族とも協力して生活していかなきゃいけない。

オンライン授業に出席して出される課題を粛々と済ませて提出しなければならない。

母が病院勤めなのもあり、現場の緊迫した様子は結構耳には入ってくる。

つらい状況下でも働き続ける人たちを見て思うことが山ほどあっても、その気持ちをうまく言語化することさえできない。

会いたい人には会えない。

外に出て学ぶことも、様々な人に会わざるを得ない状況に自分を置いて無理やり視野を広げることも出来ない。

考え続ける集中力も体力も下がっていくことが手に取るようにわかる。焦る。

自分より恵まれた環境にいる人たちを羨み、つらい状況下にある人たちのことを考えて我儘を言いそうになる自分のことを戒める。


これまで負担に思ってきたことがあるからこそ、自分の頭が空っぽで、本当はどうしようもなく自己中心的で、我儘で、かまってちゃんで、思考力も判断力も無くて、他人に対して見下すような態度をとってしまうようなメンヘラド屑で、自己肯定感が低くて、飽きっぽくて向上心がないことも全部見ないようにして過ごせていたのかもしれない。


同時に、無理やり大量の情報を押し付けられて、足りないと感じたら自分から学びにも行けて、様々な考えに触れることができて、こんな私でもアルバイトでお金が稼げて、やらなきゃいけないこともやりたいこともたくさんあって、それらが気軽に実行できるような環境は、とてつもなく恵まれていたんだなあと感じる。


とりあえず、今はこのnoteを書く手を止めて、日を追うごとに積みあがっていく課題と人生初のゼミ発表のために頑張らなきゃいけない。

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