元ポスプロエディターが考える「クリエイティブの循環」とは
こんにちは。こんばんは。
株式会社リチカでディレクターをやっています。さかつです。
まずは簡単に職歴をお話しすると、ポスプロ数社で映像エディターを12年、前職はIT広告プラットフォームを運営する事業会社で動画広告ディレクターを4年やっておりました。
タイトルの「循環」ってどういうことなの?って話ですが、フィードバックを元にクリエイティブを改善し続けるということです。
このループの中に身を置くことにしました。
なぜそう思ったか、そしてなぜリチカに転職したのか。その経緯を少しお話ししていきたいと思います。
ポスプロ時代~クリエイティブ制作環境の変化と自分の立ち位置~
ポスプロ数社を渡り歩く中で、少しずつ制作環境の変化を感じ始めました。
ツールの発達によってクリエイティブ制作の民主化が進み、ポスプロにおける自分の業務内容が少しずつ簡単になっていくのを感じました。
完成された動画データを渡されることが増えたり、自分がやるのは少しの加工のみだったり。
新卒時のポスプロ面接で
「(ポスプロの)映像編集は、料理で言えば昔は『調理』だったけど、最近は『盛り付け』に近いかな」と言われたことを今でも覚えており、既に民主化の流れは始まっていたんだと思います。
事業会社へ転職する直前の自分の状況を客観的に見直した時に、「あれ?このままだとマズくないか?」と危機感を持ち始めました。
上記を踏まえ、表現力、作家性で殴りあう大会にはエントリーせず、動画の企画構成や広告コピー、といったもう少し上流から制作に関われるスキルをアドオンし、演出も出来るエディターポジションを狙うことにしました。
そこでたまたま動画クリエイティブ制作部門の立ち上げをしていた前職で動画ディレクター職の募集があり、記念受験と思って受けてみたらあれよあれよと選考が進み、転職に至りました。
事業会社時代~データ×クリエイティブに出会う~
入社したのは 一部上場のIT企業で、成果報酬型※と呼ばれる広告プラットフォームの運営がメインの事業会社でした。
そこでまず驚いたのは広告の実績数値です。
心の声
「CTR(広告をクリックされた率)が0.7%でいい感じなの?」
「え?1%以下にしか相手にされてないの?」
もちろん商材やその他の条件にもよりますが、こんなにも低いんだなと思ったことを覚えています。
余談ですが「刈り取り広告」という言葉も、初めて聞いた時に「お米?」と思ったこともあり、今でもあまり積極的には使わないようにしている言葉です。広告に接しているのは人間であってお米じゃないので。
扱う商材は主にスマホゲームが多く、動画クリエイティブを制作する中で「当たり」と呼べるような、他を圧倒する成果を叩き出すクリエイティブに遭遇しました。その動画は自分が思っている「良い」とは違うものでした。
デザインのクオリティも大事ではあるが、そうではない戦い
事例
・自分 映像業界歴長い 非スマホゲームユーザー
・Aさん 映像未経験 スマホゲームユーザー
同じスマホゲームの動画広告を制作し、配信
その結果
配信後の数値はAさんの圧勝
数値の世界は時に残酷な現実を見せてくれます(笑)
理由を考察すると
などが挙げられましたが、
正直、なぜ数値が伸びたのか、わかりませんでした。
ひとつだけわかったことは、これまで良いと自分では思っていた価値観(カッコいい、美しい、イケてる!)が、ユーザー獲得目的の広告において必要となる「行動、態度変容」には必ずしも寄与しないということです。
似たような事例で言えば
予算がかかっているであろう完成度の高いテレビCMと、クオリティ面で言えば正直劣るなという動画。ユーザー獲得においては後者が圧倒的大差をつけたものもありました。
目を瞑ってバットを振ってもホームランは打てるが再現性が低い
説明が主体の他社(代理店など)の広告に対するカウンターとして
広告らしさを消す戦い(面白要素や外し要素でユーザーとの距離感を縮める努力)をして、ある程度成果があったものの、トレンドの変化が早く、その手法も必ずしも有効とは言い切れなくなります。「あれ?流れ変わってるのかな?」と思っているうちに当たらなくなるわけです。
人の行動、態度を変える動画広告は今までとは違うゲームであると認識し始めました。
とはいえゲームである以上、ルールはあるんじゃないかと。
ルールを探るには「検証」が必要で
よく「ABテスト(2パターン作ってどちらが成果が良いかテストする)」と言いますが、それを「A〜E」テストくらいまで出来れば勝ち筋を見つけやすいと思いつつ、リソースの限界値以上には制作できず、「良かった」「悪かった」という結果は見えるものの「で、何が良かったんだっけ?」となってしまうのが現実でした。動画は特に変数が多いので、闇雲に種類が多いから良いというわけでもなかったり。変数が多すぎて何が良かったかわからない状況を「無限変数地獄」と勝手に呼んでいました(笑)
余談ですが、割と自信があった広告が、いわゆるズッコケタ(数値が悪かった)時、社長から
という趣旨のメールをもらい、とても励まされました。社長、その節はありがとうございました。
で、何が言いたいかというと
ハンドメイドで消えゆくクリエイティブを作るのは辛いです(笑)
5営業日かけて作ったはいいものの、作っている間に広告効果が悪化して配信されなかったり、検証しようにも1本作るのにひと苦労で「良かったね」「悪かったね」で終わってしまって、また次を作り始めるようなやり方が少し苦しくなってきました。
どうしたもんかと思っている最中にリチカ(当時カクテルメイク)の存在を知りました。
「自動生成で動画を量産?」
リチカに入社〜クリエイティブ×再現性〜
副業からお付き合いが始まり、結果的にリチカに入社したわけですが、
転職理由は大きく3つくらいありました。
1、人の良さ
2、成長環境
3、これから先のクリエイター像を見据えて
3はざっくり以下の2つに分かれ、別の職種になっていくのかなと
1、クリエイティブ×再現性 マーケティング領域 商品
2、心を動かす×作家性 表現者領域 作品
(もちろんそれぞれにグラデーションはあり、分断を生む意図はありません)
どちらかといえば自分は1の方で、その領域を研究していくにはリチカが適しているのではないかと思ったわけです。マーケティング領域の動画(広告/ コンテンツ)は、メディアの数が増え、ユーザーの嗜好も多様化する中、個人ではなく、チームで戦う競技なのかなと。そして企業が直接ユーザーとコミュニケーションし始めていることや、作ることの価値が相対的に下がり、プロとアマチュアの境界線が溶けていることなどもあり、危機感があったのも事実です。
その上で、クリエイティブに再現性を持たせるには成果という体重計に乗る必要があります。「良かった / 悪かった」という成果に対して「それはなぜ?」を追求していく。
であれば成果や事例が集まりやすいところにいた方が良いよねと。なおかつターゲティングと呼ばれる、属性(性別、年齢、嗜好など)を絞った広告配信が規制されたことによってクリエイティブは今後ますます重要になってくる。そこを研究したいと思いました。
世の中の良いものはフィードバックと研究によって質を改善し続けています。
「サイゼリアのミラノ風ドリアはこれまで1000回以上の改良を続けている」
「ユニクロのパーカーは、世の中にあるパーカーを買い漁り、パーカーのカッコ良さとは『フードの立ち』であると仮説を立てて今の形になった」とか
それをクリエイティブでやろうとしているのがリチカです。
成果はもちろんですが、リチカの動画はフォーマットを通じて世の中に出るものが大半なので、フォーマットとしての使いやすさも考える必要があります。
各媒体最適×商材×広告 or コンテンツ + フォーマットとしての使いやすさ。考えることがいっぱいですね。
最後に〜メッセージ〜
最初は映画監督に憧れてこの業界に入りました。
「画面の向こうに人が2人いて、会話が始まるだけでなんだかワクワクする」そのワクワクは忘れずにいたいです。
かつてから比べると時代が大きく変わり、野球をやっていたら「はーい。明日からはサッカーです。」と言われているくらいのスピードで世の中のトレンドやルールが変化しているような感覚があります。
なので過去の経験を振りかざそうにも、サッカー選手に「俺は野球が上手いんだぞ」と言うようなもので、それでは相手にされない。そんな時代なのかもしれません。
野球からサッカーならまだしも「相撲」に変わるくらいの変化量なのかもなという体感があります。どすこい。
これまでの経験や常識を捨てましょうという話ですね。
良い意味でリチカではこれまでの経験が通用せず、絶賛奮闘中です。
人の良さについてで言えば、リチカに変な人は1人もいないと思います。
クリエイティブ業界にありがちな、抜群のスキルと引き換えなのか、ヒューマンとしてはちょっと。。みたいな人もいません。その安心感があるからこそ、楽ではないものの頑張れてると思います。
会社の雰囲気についてですが、ふざける時はふざけられます。割とふざけがちな私ですが、余裕のない誰かの救いになることもあるんじゃないかなと。そうじゃなかったらすみませんw 僕が救われることの方が多いです。
そんなリチカはメンバーを募集中です。
可能性を感じた方、むしろ私が可能性を作ってやるぜという方、ご応募をお待ちしております。
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最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
おわり
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