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「何となく体調がいい」という漠然とした言葉を定義する

「体調がいい」とは、どういう状態か。

非常に漠然とした言葉だか、誰でも「何となく体調がいい」時があると思う。

朝スッキリ目覚めた時。

ご飯がおいしく感じる時。

仕事がはかどる時。

人によって「体調がいい」と感じる瞬間は様々だ。

だが「体調がいい」とは「何となく」感じるものなので、体調がいいってどういうことですか?と聞かれても一言では答えづらい。

「心身ともに健康な状態」だとも言えなくないが、これまた漠然としていて捉えどころがない。「心身ともに健康って、どういうこと?」と言われると困ってしまう。健康診断で測れるものでもないし、心の健康はこれまた捉えどころがない。

今まで私もこの質問にハッキリと答えられずにいたが、最近になって「何となく体調がいい」の意味がわかってきた。

一言で言うと「スイッチの切り替えが上手くいく状態」である。

朝スッキリ目覚められるのは、睡眠から覚醒のスイッチが上手くいくからである。

ご飯がおいしく感じるのは、食欲が湧いてくるからである。食欲のスイッチが入る、とでも言うべきか。

仕事がはかどるのは、仕事モードのスイッチがパチッと入るからである。


「体調が悪い」状態は、その逆を考えればわかる。

朝になってもスッキリ起きられない。体が鉛のように重い。

ご飯がおいしくない。胃がもたれていて、食欲も湧いてこない。

仕事がはかどらない。頭がボーっとして、関係のないことばかり考えてしまう。


サウナとジムに救われた話

一年ほど前、私は職場を家を往復する毎日を送っていた。

朝起きるが眠気が覚めない。胃がもたれて食欲もない。満員電車に乗り込み、職場へ向かう。まだ頭がボーッとしている。

職場について仕事を始めるが「あー今日も仕事が始まった」とうじうじしている。仕事をこなし、昼休みになるが気分は晴れない。昼食を取り、少し仮眠する。中途半端な昼寝のせいで、午後イチは余計しんどい。午後も何とか仕事をこなし、帰宅する。

家に帰って自炊する気力もないので、外食ですませる。何となく体に気を使って大戸屋に行くが、別においしいとも思わない。帰宅して布団に入ってからも、何となくスマホをいじっている。別に見たいサイトがあるわけでもないのに。

そんな時、サウナとジムに行きはじめた。

サウナは職場の先輩が「サウナっていいらしいよ」と教えてくれた。ジムは、近所に総合格闘技のジムがあったので入会した。昔から格闘技をやってみたいと思っていたので「ちょっとやってみるか」くらいの軽い気持ちだった。

効果はすぐに現れた。

朝スッキリ目覚めるようになった。スッキリ目覚めてわかったのは、そもそも自分は朝食を必要としない、ということ。別に朝食を取らなくても午前中は問題ないことがわかった。

仕事をして、昼食をとり、短時間の仮眠を取る。以前は夜の睡眠不足を昼寝で取り戻そうとしていたが、むしろ昼寝は30分以内の方がスッキリする。

午後の仕事が終わると、サウナかジムに行く。特にジムに行った後は腹が減っているので飯がうまい。夜は適度に疲れているので、スッと眠りにつく。そして、また朝スッキリ目覚める。

急に仕事が楽しくなった!とか、ポジティブになった!みたいなことは無かった。しかし、うじうじ思い悩んだり、意味もなくダラダラする時間は明らかに減った。「体調がいい」と感じる日が増えた。

明らかにサウナとジムのお陰だ。

後になって気づいたのは、体モードと頭モードが上手く切り替わっているということだった。


体モードと頭モードを上手く切り替える

サウナに入っている時、ジムで体を動かしている時は(ほぼ)100%体モードになっている。体モードになるとは、人間の持つ動物的な側面を全開にするということ。いい意味でバカになっている。

特にサウナに入っていると「ととのう」状態になるので、まったく頭を使わない。ジムで体を動かしている時は多少頭は使っているものの、ほぼ体が主になっている。

逆に頭モードの時は、人間の持つ理性的な側面が全開になっている。以前の私は常にこの状態だった。仕事など頭脳労働をする時は頭モードでないと困るが、問題は仕事が終わってからもなかなか頭がクールダウンしないこと。そのせいで、常に頭の中がごちゃごちゃしていた。

この体モードと頭モード、サウナや運動なしで切り替えられる人もいるかもしれないが、私の場合は無理だった。サウナやジムに行き、強制的に体モードに切り替える必要があった。不思議なことに、体モードの時間をきっちり取ってあげると、頭モードの質が上がる。頭が冴えるのである。

意図していなかったが、この体モードと頭モードを切り替えることこそが「体調の良い状態=スイッチの切り替えが上手くいく状態」そのものだった。

今になって思えば、きっかけは何でもいいのかもしれない。生活のリズムの中で、どこでもいいからパチッと切り替える瞬間を作る。一つでも切り替えが上手くいくと、そこを起点にして次々といいサイクルが回りだす。

さらに、体調がいいとつまらないことで思い悩む時間が限りなくゼロになる。つまり、

「あー風呂に入らないといけないけど洗濯もしなきゃ…洗い物もまだか…明日でいいかな…5分後には動き出そう」と考えて30分経つ

みたいなことが無くなる。スイッチの切り替えが上手くいく。


日々「何となく調子が悪い」人は、ぜひ体モードの時間を作ってあげて欲しい。急に毎日が輝き始めるわけではないが「何となく体調がいい」と感じる瞬間は確実に増える。

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