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アカペラアレンジャーや歌心に自信ないコーラスアカペラーの課金要素


AIボーカルに仮歌をお願いしてみた

時たまスタジオで誰に披露するわけでもないアカペラの練習をすることの贅沢さを噛み締めている坂田です。
近頃ありがたいことになかなか忙しく、音とりの時間を充分にとれなかったので仮歌(自分のパートを歌ってもらって、音源を聴いて覚える)を歌ってもらっています。AIボーカルに。

まずはこちらをお聴きください。
青のすみかのコーラスです。リズム隊がゴリゴリなのは僕のテンションが上がるからです。打ち込んでます。

調整はしていますが皆さんの想像より数段、歌えているんじゃないでしょうか。
新歓期やスタバンで先輩がお手本として歌ってくれるみたいな感覚に近いですかね。

サビの前半コーラス3パートAIボーカルで打ち込んでみました。3パート全部出し→各パートソロ出しでそれぞれ違うボーカルに歌ってもらっています。

musescoreアプリやmidi楽譜、音源で音とりする方は一定数いると思いますが
実際に使用してメリットだと感じたのは以下の点です。

メリット

情報量が多い

まず声なのが良い。
ピアノやシンセの場合、音程とリズム以外の情報がないため、歌詞やシラブル(スキャット)は楽譜を見ない限り分からない。
同時に耳に入ってくる分、覚えが早い。移動中にながら聴きしてもある程度覚えられる。
※本記事は”ながら音とり”を推奨するものでありません。

ニュアンスを詰めることができる

そもそもボーカルとして制作されているため、コーラスラインだろうがしゃくりやフォール、ビブラート、細かい表現やダイナミクスなど上手に歌ってくれる。
「歌」として音符を処理してくれるためニュアンスがボーカリストっぽい。
細部にこだわりたい場合、歌唱のキャラクター・ダイナミクス、ピッチ変化、ビブラート深度、フォルマントなど様々な要素をこだわることが可能。
デフォルトだとビブラート天国なので注意。

一例はこちら
ボーカルスタイルやビブラートの設定を調整すると印象が変わります

自分の発想の外から複数のアイディアをもらえる

特にコーラスが苦手な人向け。
midiやmusescore音取りの弊害とも言えるが、ピアノやシンセ音を自力で歌に変換する必要があるため、歌唱表現の引き出しに乏しい場合、ある種のお手本的な役割を果たしてくれる。
同じ音連打の字ハモとか難しいじゃないですか、棒読みになるというか。そういうのも歌ってくれるのは嬉しい。
箇所箇所で別のボーカルに切り替えることで歌のキャラクターを変えることができえるのもいいですね、先輩が何人もいる気分。

自分の意志が見えるきっかけになる

ピアノやシンセの音から歌唱表現のアイディアを出すのが難しい人でも、誰がが自分のパートを一度歌ってくれたことにより好き嫌いといった感情や、「自分ならこう歌いたい」という意志を育みやすい。(全肯定で鵜呑みにしない前提)

興味のある方は機能限定の無料版から触ってみると楽しいかもしれません。https://www.ah-soft.com/trial/synth-v.html

機能制限でokなら歌声も選び放題。多言語機能はなしみたいです。https://www.ah-soft.com/synth-v/sp/index.html

デメリット

思うように歌わせるには一定の技術が必要

例えばど頭のda la laはdaa laa laaと書いてます。母音の伸びが欲しかったから。
ピッチを手書きすることも可能だし、しゃくりやフォールを細かく調整してニュアンスをコントロールできますが、melodyne慣れしてたり頭の中にある音を噛み砕けた上で操作慣れする必要はあるかもしれません。
とはいえ「この曲のコーラスの歌い方一例」が欲しいだけならそこまでやらなくても大丈夫かも。

味付けが濃い

言い方よ。
アカペラのコーラスって楽器としての処理だったりみんなで揃えることを意識してすっきりとしたニュアンスになる場合がありますが、そういった意味では主張が激しいです。歌として全フレーズ歌ってくれるので。完コピしちゃうと他のメンバーとの調和が取れなくなる可能性があるので使用者の応用力は大事かも。

フルバージョンは有料、歌声も追加パック

出ました課金要素。しかも結構AIボーカル毎にキャラクターが異なります。
割と万能なMaiがSynthesizerV Proを買えば無料というのは嬉しいですが、
スターターパックを買うと歌声一つ無料で手に入るのでそっちのがいいかも。

今回使用したのはRyoとJin。
最初Kevinを使ったんですけど収録言語英語の影響もあってか日本語が微妙に不自然になったりしたので変更。英語歌わせる分にはかっこいいんですけどね。
Jinはソウルフルなニュアンスが欲しいフレーズで登場してもらいました。比較はこちら。結構変わります。

余談ですがRyoは近石涼君みたいな声で歌ってくれます(?)

ちなみに収録言語日本語でも英語一応歌えたり面白いです。技術すごい。
僕はお正月に課金して現在11人もお友達ができたよ!

オタクくんさー、SynthesizerV持ってるらしいじゃん

代わりに俺のパート打ち込んでくれない?友達だろ?
ちょっと忙しくてさぁ(飲み会とかデートとか)……は?何?
なんだよその目は……オタクくんそういうとこだよ?だからオタクなんだよ……

こうしてまたこの世に悲劇が生まれた…
みたいなことはあってはいけないので使いたい方は自分で落としたり買ったりしてください。
フィクションの割に解像度高くない?

さて、この課金要素ですがアレンジャー見習い社会人アカペラーなんかにもオススメです。いや学生にもおすすめですが、安い買い物ではないので。

なにせアレンジに迷った時に一旦歌わせることができる。男女問わず。
しかも声毎に得意音域、不得意音域があるので「これ高すぎるのか」とか、異性のコーラスラインを作る上でも助かるかも。
(ちなみにベースマン用の音源は存在しないので、当然ながら低音の音域に限りがあるのでそこは期待してはいけません。僕の感覚ではちょっとサークル事情で無理して頑張ってるベーシストくらい。逆にリアルで使いやすいのか?)

このボイシングにしたらどうなるかな?みたいなピアノやシンセだと実感しづらいタイミングでも活躍してくれます。
全パート打ち込んじゃってメンバーに「とりあえずこう歌ってくれ!」って共有したり、変なシラブル(スキャット)歌わせたい時に打ち込んで聴かせれるのも便利ですね。

「多録すればいいじゃん」
「音楽の楽しみってそういうのじゃないじゃん、自分たちで模索して作ってってさー」
という人も勿論いるでしょう。多録できる人はすればいいと思う。そのままのあなたでいてください。
でもそういう話をしているんじゃないんだ、僕達のような歌下手有象無象アレンジャーの味方として紹介してるからちょっと帰ってくれないか。
なんか嫌なことあった?

久々のnoteに今日もテンションを見誤りましたが、
最後に青のすみかを歌いまくる比較動画を貼ります。

Eri(実はラップ用)、Ayame、 Jinは新しいので公式ショップへGO
https://www.ah-soft.com/synth-v/dreamtonics/#cart

おすすめ

僕が持っている中でアカペラーにおすすめなのは

男性

Ryo(汎用性 声かっこいい)

Kevin(洋楽まかせろ、ベースパートはKevinにお願いしてます)

女性

Mai(汎用性 Synthesizer V Proを買えば無料でついてくる)

Megpoid(動画内でGumiと書かれている声。声優で歌手の中島愛さんの声をベースに制作されています。キラッ!

Natalie(洋楽 綺麗系)

最新のだとAyameも好きです。
本来ボーカルとして使うソフトだと思うので比較的使いやすさメインで並べてみました。

最後に、
一度書いてますが”ながら音とり”を推奨する意図はないです。
ただ歌い方に悩んだり、棒読みっぽくなっちゃって歌の上手い人のできる表現ができなかったり、どうしていいかわからないけど誰に聞けばいいかも分からなかったり。
困っている人はヒントになるんじゃないかなと思います。ではまたいつか!

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