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十津川村キャンプ

秋の調べに誘われた筆者。月に一度しかない貴重な2連休を有意義に過ごそうと思い立ち、キャンプに行くことを決めたのは遅くも決行日の前々日。急にキャンプ地探しのアプリを立ち上げて矢探しをはじめたのだった。おもむろに目が止まって何だかいいなぁと思った十津川村は"あさひキャンプ場"。静かなロケーション。小規模だけど一人あたりの区画は広い。ふむふむ。近くを川が流れているため川遊びができる。ふむ。そしてこの旭という地名ともみじ街道という隣接した道の名前に惹かれて即決。道中には十津川村玉置神社に参拝してから行くことにした。(キャンプへ行く日にはまずはその土地の守り神様に手を合わすことにしている)それから次の日には谷瀬の吊橋渡って十津川温泉にも入りたい。
そうと決まれば話は進む。翌日、キャンプ道具をぎゅうぎゅう鞄に詰めてから必要なレトルトの食材を買い込んで車のトランクに押し込み準備は完璧(何点かの忘れ物を含む)。

玉置神社への参拝

当日は晴れ。朝の7時にいざ出発!まずはガソスタ。Google先生のチカラを借りて、ぐねぐねの走りにくい山道を苦心しながら車を走らせること約3時間。着いたのは何だか寂れた鳥居が立つ入り口。
有名な神社にしてはえらい寂しい鳥居だなと思いながらここからは徒歩で行く山道。少し行くと犬吠桧という磐座。険しいけもの道をひたすら登ること30分。(今思えば入り口を間違えたのだろう本格的な登山道)すごい長く感じた参道だったけど、無事本殿に辿り着きお参りを済ますと杉の巨木に手を合わせ、そのまま山頂まで行くことにした。これまた険しい道を登る。降りに授与所に寄ると魔除けの札を授かる。ふと目に入った注意書。何でも最近、境内に熊が目撃されたらしいとの触れ書きだった。背筋に寒いものがはしる。しかし意を決してもと来た山道を降る。狭いけもの道に黒い物影と遭遇しないことを祈りながら…。
参拝を降りて車に戻ると道の駅を目指す。勾配のあるぐねぐねの坂道をひたすら走らせる。
道の駅でざる蕎麦を食べて休憩。足湯に浸かってパンパンに疲れた足を癒やし、いざキャンプ場へと出発である。

あさひキャンプ場

もみじ街道を延々と登っり辿り着いたのは日も暮れかけた17時頃のこと。遅くなった筆者を管理人さんが待ち侘びたように迎えてくれた。今日は三連休の最終日。ラッキーなことにキャンプ場は一人っきりの貸し切り。管理人さんも今日はここを離れるとのこと。嬉しい。寂しくはないかと聞かれたけれど、筆者は一人の時間を楽しむためにキャンプをするのだから寂しくはない。むしろ寂しさを求める。これも楽しみのひとつなのだ。
まずは暗くなるまでに急いでテントを張ってサイトを完成させる。3カ月ほど前に新調した初めて使うテントだから少々手間取ったが暗くなる前に設営完了。休む間もなく焚き火の準備。火を着ける頃に辺りは暗闇に包まれた。ここで蚊取り線香を忘れたのに気づく。川に近いので蚊が多く、火が着くまで何箇所も噛まれてしまった。
夕飯には自らスパイスをブレンドして現地で手に入れた燻製鹿肉と生椎茸を煮込んだカレーライス。それにレトルトのトマトソースで作ったスパゲッティ。
カレーは残念のことに鍋をひっくり返してしまう大惨事に。食す事ならず。こんなトラブルもキャンプの醍醐味である。
スパゲッティで何とか腹を満たしてあとはのんびり焚き火を眺めながらディジュリドゥを吹き鳴らしながら夜が更けるのを満喫。焚き火の片付けと食器を洗ってから消灯。川のせせらぎと鹿の鳴き声に耳を傾けながら眠る。

翌朝

早朝6時起床。川で顔を洗ってから朝食にインスタントラーメンとカンパン。
川遊びにロックバランシングに挑戦した。川のせせらぎを聴きながらひたすら石に意識を集中しているとまるで石と一体化するかのような、川に融けていくような、我は無くなり無心となっていく。まるで瞑想してる時みたいになる。
我を忘れ時を忘れる至高の幸福感に包まれた。
いい時間を過ごすことができたのだった。
そうこうしている内に撤収時間。素早く片付けを済ませて11時にキャンプ場を後に谷瀬の吊橋へと車を走らせる。

谷瀬の吊橋

谷瀬の吊橋は怖かった。平日とはいえ観光客は絶えず20人が限界の吊橋を10人で渡る。思った以上に橋は高く、揺れる。ふらつくほどに揺れる。しかも長い。2、300mはあったと思う。前を行く年配の男達は途中に記念撮影。その度に留まる揺れる。子供などは無邪気に楽しそうだった。向こう岸に渡ると展望台があるというので行くことにした。これまた遠い。ハイキングとなった。展望台の手前に神社があった。おみくじを引くと筆者にとってとても為になる内容だったので財布に仕舞うことにした。展望台までは思ったよりハードであった。
展望台を降りて橋を恐々渡るとすでに温泉に行く時間は無く、十津川温泉は諦めることにして帰途についた。
とても充実した楽しい旅であった。

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