バレンタインは誰のものか

2月14日はバレンタインデー。実家から何やら荷物が届いて、開けたらチョコレートが4箱。配偶者にはモロゾフのチョコレート詰め合わせ、息子にはポケモンのチョコレート詰め合わせ。娘と私には、息子の箱の1/3ぐらいの大きさのポケモンのチョコレート。どれが誰用かなぜわかったかというと、荷物が3個口で届いたからである。
なんで私のよりもタロウ(仮)のチョコレートの箱が大きいのか、と娘からの野次が止まらない。大好きなポケモンのチョコをもらったことよりも、不公平感が勝ったのである。うーん。
それはたぶん、バレンタイン=男の子にチョコをあげるイベントだとばあばは認識しているからじゃないかなあ。と私がもにょもにょ答えたら、はぁ⁈何それ意味わかんない!!と娘にますます睨みつけられた。

小学生の娘やそのお友達の様子を見ていると、バレンタインはすっかり友チョコイベントだ。仲のいい同性のお友達とチョコを持ち寄って交換する楽しい日。男の子にはあげないの、と私が訪ねたら、なんで?男子にあげるの?と本気でキョトンとされた。バレンタインは変わったんだなあ。そもそも好きな男性にチョコレートをプレゼントするってのも製菓メーカーのマーケティングが起源だというし。時代とともに滅びてもおかしくないんだよな。

曲がりなりにも10年以上スイーツの業界で仕事しているので、バレンタインに漂う空気感の変化はなんとなく感じてきた。今年はそれまでと特に大きく変わったように感じる。
まず、出社しない人が世の中に増えたことで義理チョコが全然売れなくなった。今年はバレンタインが日曜日だったのでとくに激減。(この場合の義理チョコは、おもに会社員の女性がオジサンたちに配るちょっとしたチョコを指す)
2018年にゴディバが「義理チョコをやめよう」という広告を出したあたりから、義理チョコ廃止の流れが加速度的になったと思う。本当はとっくに辞めたかったけど、角が立つから表立って言えなかったんですよね。
あと、バレンタインをないがしろにしても男性社員はなぜかホワイトデーのお菓子をちゃんとくれるんだろうなというのが分かるから、こっちの都合だけでもうチョコやーめた!するのはなんだか心苦しくて…(注・ナズナ個人の感想です)。
そして、友チョコの広がり。これはもう、年々ものすごく増えている。友達同士の方がお互いの好みやセンスも熟知しているから、チョコ交換したらそれは盛り上がるよね。ご褒美としての自分チョコも。さまざまな娯楽がむしり取られたこの1年、美味しいチョコでも食べなきゃやってられませんよ。

さて、製菓メーカーの策略に見事はまった旧世代の価値観を持つ母に、チョコレートは男女平等にしてと言っても理解してもらえるだろうか。バレンタイン=男性をもてなす日、みたいに何十年もかけて刷り込まれているからなあ。そもそも好意で送ってくれたチョコレートに対してあれこれ突っ込むのもなんだか図々しい気がして、とりあえず娘の愚痴はこのまま胸の中にしまっておこうかと思っている。
ふと、森元総理のことを思い出した。老人の価値観アップデートをするのは大変だ。うちの母ならどうにかなるかもしれないが、森さんの年齢にもなると根本から考え方を変えるのは難しいだろうなあ。知らんけど。
古い価値観のアップデートに多大なエネルギーを使うぐらいなら、若い人のためにまず自分が変わった方がいい。これはこう、という固定観念はなるべく持たずにいたいけど、いつか私も年を取ったらおかしなことを言って誰かを困らせたりするんだろうか。とりあえず今日も、困ったように笑ってやりすごす芯のないぐにゃぐにゃの現役世代です。

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