生活者であることー社会人的演劇論ー
こんばんは。名古屋で活動する劇団、サカナデの代表の岡本です。12月の公演をより多くの人が見に来てくれるようにnoteにて稽古の様子、作品のことなど書いていこうと思います。
今回は、自分が「社会人しつつ演劇を作る」という生活の中で考えたことを書いていこうかと思います。前回のnoteに書きましたが、私は会社員をしながら演劇を作っています。このことが作品作りにどう関係するかといったことを書きながら考えたいと思います。
私たちのチームは20代の半ばくらいから30代くらいのメンバーを中心に構成されています。なので、すでにごく一部を除き学生を終えている人たちが集まっております。
そうなると、いくつかの課題があります。例えば時間の調整が難しい。
主には週末に稽古をしていますがスタッフさんの中には平日休みの仕事の人もいます。そういう場合はオンラインのミーティングをして、作業を進めています。
創作面でもとにかく余裕を持って動く必要が出てきます
私自身学生演劇から始めているので、あの時との感覚の違いに愕然とします。学生時代は無数に時間があるので、例えば2週間前に台本が上がっても、毎日朝から晩まで集まれば、ある程度作品が成立する、ということがあります。
しかしながら、現状は週末の決まった時間以上の稽古は物理的にできません。その中で最高のパフォーマンスを出せるようにひたすら綿密に準備し、戯曲も早めに書いていく、家でプランを組んで稽古に臨むといった工程になっていくのです。
ひたすら難しいという話ばかりしていしまいましたが、いくつか決定的に学生の頃よりも豊かだと思えていることがあります。それは作り手である私たちが「生活者」として昔より長い時間を過ごしているという経験です。
会社に行ったり、アルバイトをしたり、働くことから離れたり、親との関係がこじれたり、パートナーと喧嘩したり、不安で眠れない夜を過ごしたり。
そういう誰もが過ごす時間を私たちも積み上げています。演劇だけをすごく長い時間毎日作れていた頃と比べると、あまりに長い時間、私たちは「生活者」の時間を過ごしています。
そしてその経験をもとに今、作品を作っています。今回の作品はカップルののすれ違い、セックスがうまくいかない、家族との確執、といったごくごく日常的に起こる題材を核に作っています。
「創作者」として作品の面白さを追求し、同時に
「生活者」として経験したことを作品に盛り込んだり、リアリティを担保したりする。
その両輪で今回の作品は作られているように思います。
↓どんな作品か気になってくださったら、
ぜひ予約して見に来てください。小さい団体ですが非常に丁寧に、作っています。よろしくお願いします、
〇予約フォーム(Safari推奨)
https://www.quartet-online.net/ticket/hurenai
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以下公演情報
劇団サカナデ 第2回公演
『触れない』
○作・演出
岡本拓也
〇出演
坪尾光起
林千紘
星野奈々
12月
4日(土) 15:00~/19:00~
5日(日) 11:00~/15:00~
〇会場
円頓寺 Les Piliers
〇料金
一般:2500円
U22:2000円(先着15名限定)
※開場時間は開演の20分前です。
※上演時間は70分程度を予定しています。
近い人にほど、触れられない
『友達』だった人が、『恋人』になって、『家族』になっていく
関係が近づくほどに、身体と心がぎこちなくなっている
私たちは少しずつずれていって
そのずれは、ある日、形をもって私の前に現れた
そばにいる人との折り合えない『対話劇』
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