あなたに観てもらうための文章その1「作品について」
こんにちは。サカナデという演劇を作る団体の主宰をしています岡本と申します。
このノートでは数回にわたって、作品について、企画について、作っている私たちについて綴っていこうと思います。
稽古を進めて行く中で、観てほしいと思える作品のクオリティになってきました。出来るだけ多くの人に観てほしい。
とはいえ、団体として1回目の公演です。どんな芝居をやるのかわからん団体です。それではいくらチラシが可愛いとはいえ、とても可愛いとはいえ、なかなか足を運びづらいと思います。
なので出来るだけ踏み込んで作品のこと、作っている私たちのことを伝える文章を書きます。あなたに観てもらえますようにという祈りを込めて書きます。
文章の書き手である、僕の自己紹介を簡潔にしてから作品の話をします。
岡本拓也と言います。演劇ニッケルという岐阜の劇団に所属して、俳優活動をしています。岐阜の劇団所属ですが、生まれも育ちも愛知です。
学生時代は、南山大学の演劇部「HI-SECO」企画に所属していました。その間に二本演出して作品を出しました。鹿目由紀さんの「フィーリングカップル」中谷まゆみさんの「ラブハンドル」というとても好きな2人の作家さんの本を演出しました。
今回は脚本から自分で書きました。
これくらいにして本題へ入りましょう。
「作品について」
陶酔というタイトルのお芝居です。
チラシにも書きましたが言葉がなくなって、制限されていくお話です。
作家のもとに文章を習いにやってきた女の子の言葉が喪失していきます。
例えば「あ」がなくなってしまったとします。すると、ありがとう、アイス、愛などの言葉が言えなくなります。
勿論「あ」りがとうが言えなくても、
感謝を伝えたければ、「どうも」とか、「サンキュー」とか言えますね
でも「ど」も「さ」もなくなったら、次はなんて感謝を伝えるでしょう。
「かたじけない」とか「感謝します」とかまだまだあるんですけど、少しかたい表現になりましたね。
言葉が制限されていきます。
言葉が変われば、身体も、感情も変わります。
彼女が25分間いかに変化するのかを楽しんでいただきたいです。
先日ツイートしましたが、
この作品はいくつか参考にしている書籍があります。
言葉がなくなるという部分は、筒井康隆氏の「残像に口紅を」という小説を参考にしています。
言葉が消えていく世界で酒を飲んだり、講演会に出たり、セックスをしたりする男の話です。
章が進むにつれて50音が消えていくのですが、50音から20、30個と消えていってもなお美しい文章が続くんです。あらゆる言葉の言い換えや、みたことない表現の連続で、筒井康隆氏の天才ぶりを感じられます。
大変参考にして書いているわけですが、「残像に口紅を」と差別化を図っている部分も当然あります。
「言葉が消える」話か
「言葉が奪われる」話かという部分です。僕は奪われる話を、舞台に立ち上げようと思っています。
第1回はこの辺りで。
読んでいただきありがとうございました。
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