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限りある時間の中で

仕事から帰ってピンポーンすると
子供達が我先にとドアを開けに駆け寄ってきてくれる

「おかえり!」と言って
重い仕事のリュックを持ち
手荷物を運んでくれる

お風呂に入っていた時は
お風呂の窓から覗き込んで変顔してくれる(やめなさい)

専業主婦がシングルマザーになり
社員となり仕事して帰る

玄関を開けておかえりが降ってくる

インコを握って連れてくる

その声を聞きながら時々
(この日々は永遠じゃないんだよな)と、ふと思う

幼かった子供達は大きくなり
それぞれの道を歩んでいる

家族の為に生きた母は
認知症となり
出来ていた事より
出来ない事の方が増えていく

別れた後元旦那は再婚した理由を言った

「おじいちゃんになって
1人だったら寂しいじゃない」

別れて間もなくだったから
子供達の気持ちはよ…と思ったけれど
彼は彼の人生だ

そして子供達はあと数年で巣立つだろう

年老いた母も旅立ってしまう日は
そう遠くないのかもしれない

一人っ子の私

親戚もいない
父親は別に家庭を持っている

今聞こえてくる温かい「おかえり」を
知った私は
きっとそう遠くない未来に
1人がやってくる

忙しい今は
1人の時間が欲しい
1人の時間も最高

そんな風に1人の時間を楽しみ欲するけれどそれは今
家族がいてくれるからかもしれない

いざ1人きりの時間がくるのは
あと何年後か

元旦那が言う
「年老いて1人なら寂しいから」

その理由で再婚をする希望も勇気も
強さも私には残っていない

皆がそれぞれの道を歩き始めた時
ドアを開け
「ただいま」と言って帰る家

私は私の時間を生き抜き
楽しまなければならない

その為に今出来ることは何だろう

ずっと考えている。

すぐ釣りが出来る海沿いに暮らしたい

古民家の平屋がいいな

シンプルな暮らしをしたいな

友人と会って歳を重ねる楽しみを語り合いたいな

好きな事をして生きていたいな

ライブには行ける程よい場所に住みたいな笑

この 「なにをしたい。」

その自分の心から出た想いを
実現させていく為に
メンタルを鍛え
働いて
少しずつ少しずつ
そろそろ下地を作っていかなければならない

「ただいま」
「おかえり」

この当たり前ではない日々を
しっかりと胸に刻みながら…

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