母のこと。
母のこと。
81歳の母は要介護1がついて今
週3でデイサービスに通っている
最初の気付きは
食器棚に乾いた食器を戻す時だったと思う
あった場所に置けない
奥からお皿を出しては
毎回パズルのようにバラバラに入れるようになった
何回か伝えてもやはり次の日には
ぐちゃぐちゃになる
引越しをして母は
出歩いた場所から家に帰れなくなった
何度皆で一緒に歩いて
近隣の地図を書いてもダメだった
近くの公園に散歩に行った帰り
家に帰れなくなり
真夏に隣駅まで2時間かけて歩き
隣町のコンビニで保護された
仕事中早退をして
警察に連れられた母を迎えにいく
ある日パトカーから出てくる母を見た時は
すごく衝撃的だった
もしかしてこれから徘徊になってしまうのかな…
仕事していけるかな…
けれど母は逆に
迷惑をかけてはいけないと思い
出歩かなくなった
今でも近くのスーパーにしか行けない
前は足腰が弱くなって
あなた達に迷惑をかけてはいけないと
早朝毎日散歩にいく母だった
それが全く無くなった時
これではいけないな、と思って
市に相談をした
母のプライドを傷つけない為に
柔らかく説明をした
最初は嫌がった
それはそうだよね
けれど懸命に伝えた
物忘れ外来や脳神経外科に通い診断を受け
結果を母にも伝えた
ケアマネジャーをつけ
デイサービスをいくつか周り今は
トレーニング機が充実している
デイサービスに通っている
長い机があって
各自プリントを解いたり
折り紙やお絵描きしたりして過ごし
呼ばれるとトレーニング機を
ひとつずつ順番に回っていく
トレーニングをしながら
目の前の壁には
脳トレプリントが貼ってあって
なかなかストイックな場所だ
自分の事は大半まだ出来るし
そこを活かしつつ
足腰を鍛えられる
母はいつも
「あの人たちとても良くしてくれるの。
隣のお婆ちゃんはよく話しかけてきてね…」
と話してきてくれる
「とても楽しいよ」と。
お風呂も毎日入らなくなっていたので
お風呂も時々お世話になるのだけれど
帰ってきた母の髪が
綺麗な編み込みされていたりもする
最近の母は
同じ服を着たり
トイレの回数が異常に多かったり
玄関のドアの鍵の開け閉めの練習を
朝の6時から繰り広げたりしている
ガチャガチャガチャガチャ
バタン
ガチャガチャガチャガチャ
バタン
デイサービスは週3なのに
毎日毎日用意をして
ソファに座っている
そして何か伝えるとすぐ「うん」と言い
全く内容を理解はしていないようだ笑
逆を言えば
服をきちんと着るし
トイレも粗相をしないし
玄関のドアの閉め忘れもしない
いつもその裏を思えば
母は、いまでも母なのだ
やれる事より
やれない事が増えてきている
でも共に生活する私達が
少しのゆとりを持って
「逆」を見れたとしたらそれは
母は母
家族の為に今も昔も生きる、母
これから何が起こるかな
足腰が弱って歩けなくなり
トイレもうまく出来なくなって
もしかしたら徘徊してしまったりするのかな
子供達2人を抱えるシングルマザーの私にとって
その状況で3人を養えるくらい
働いていけるのかな
仕事はしていかなきゃ暮らしていけないけれど
外に出る仕事できるのかな
難しいよな…
在宅介護…もしくは
老人ホームに入るとして…
…………
って先の事を考えすぎて
不安に押しつぶされてしまうと
今の一歩が強張って動かせなくなるの
だから私は
常に、今。
今日。そして明日。
毎日ドキドキ過ごしてるけど
忘れてないのは笑い
忘れてても見つけちゃう、笑い
本当に辛い時は落ちるとこまで落ちるけれど
なんとか取り戻せるのは子供達がいるから
有り余るお金もない
ましてや父親も側にはいない
家も狭い
探してみればないないないと続いて
電気グルーヴちらちらしちゃうけれど
子供達はよく笑う
いつどんな時も
少しの笑いと楽しみを見つけられる
そして
この日々に流れてくるのがサカナクション
4人で行った幕張の初日は沁みたなぁ
一郎さんの何があっても面白い方へと
挑戦し続けるその姿
手抜きのないこだわりと深掘りと
音楽への愛情
人への接し方
心から尊敬している
一郎さんも言っていたよね
まずは今日、明日。
その今日と明日が
ふと振り返ってみれば続いていって
「毎日」になるんだよね?
忘れたくない
「両親」であった時も
母がシングルマザーとして私を育て上げた時も
母は、母。
家族の為に
生きた、母。
これから母はきっと子供に返っていく
そこを支えていくのは
大人になっていく私と(もう43ちゃい笑)
子供達
子供達にとって唯一のお婆ちゃんの姿は
きっと酷で大変だけれど
それはきっと経験になる
優しく強く、逞しく。
私が死んだとき
この子達が支え合って前を向いて生きていけるように
いつどんな時も
心に笑いとお楽しみとそして良い音楽を…
サカナクションは私達家族の光
揺れる足元を照らす一筋の光
また母をライブへ連れて行こう。
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