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「自主研のススメ」1. 自主研とは?

多くの自治体で、様々な世代で「自主研」が行われることを期待し、その一助になるよう、これから自主研について連載します。
って、そもそもお前は何奴だ?自主研とはなんぞや?と思われることもあるでしょうから、初回の今回は簡単に自己紹介、そして自主研とは何ぞやについてお伝えします。

まずは簡単に自己紹介

わたくし、大卒後1年間の民間経験、1年間の公務員受験生活を経て、平成11年度に自治体に入庁。いきなり財政課に配属されるという、異例の役所スタートとなりました。
わずかながら社会人経験があるも、役所のことは右も左もわからない中での財政課。最初の3年ほどは「お前使えないから異動」とならないよう、必死に先輩方についていったら、庁内の財務会計システム更新の主担当まで任され、結果として6年間も在籍しました。
そして、7年目にして異動したのは障害福祉課。ちょうど、障害者自立支援法の施行時期にあたり、異動してきたばかりのペーペーが何故か法改正対応メンバーとなり、相当に苦しい思いをしながらも、何とか複数の新規事業の立ち上げも行い、成果を残すことができました。

そんなハードな2部署でそれぞれ成果を残すことができたこともあって、その頃の自分は、少々調子にのってました。まさに、井の中の蛙!!
そんな蛙は、市への愛着のようなものは正直あまりなく、純粋に「もらう給料以上の働きはしてやるぜ!」的に、優秀なサラリーマン公務員になることを意識していました。
そんなわたしは、それなりに仕事はできていたので、たまにビジネス書を読んだりすることはあっても、積極的に自己啓発をしようと考えることは全くありませんでした。
そんな中、ほんと些細なきっかけでたまたま出会ったのが、県内自治体に勤める若手職員で構成する自主研「K33ネットワーク」。その出会いは衝撃的でした。

運命を変えた「自主研」との出会い

自治体職員として押さえておくべき情報について、自分は本当に目の前にあることしか学んでこなかったんだと気付かされ、また、SNSやオンラインストレージの活用なども、世の中こんなことになっているんだと学ぶことができました。
そこで得た自分の視座の低さへの気づきから、K33に入会し活動することとなりました。その後、目の前に出現する様々な“キッカケ“をうまくキャッチすることを続けているうちに、気づいたら全国規模の自主研イベントを開催するにいたりました。(本当に何がキッカケで人生変わるかわからないものですね・・)

自主研とは?

続いて「自主研」とは何ぞやについてお伝えします。
自主研の定義は明確に定められているわけではありませんが、これまで自主研活動の活性化を目指し活動してきた「関東自主研サミット実行委員会」から情報発信する際は、次のように定義してきました

「業務時間外に、複数人で、自主的に行われる研究活動又は研修活動」

ここでのポイントは大きく2つ。
1つ目は、一人ではなく複数人での活動ということ。
これは、単に学びあう仲間がいるというだけではありません。というのも、自主研における学びのテーマは、組織や地域が抱える課題解決をめざすことに起因することが多いことから、単なる仲間というよりも、同じ方向性を向いて課題解決を一緒になって目指す同志のような存在になります。

2つ目は、「研究」と「研修」という、微妙な違いです。この違いは活動の内容によるものですが、自己啓発の手法として、前者は特定の事項を深く掘り下げ研究することで資質向上を図るものです。この代表的な例は「政策法務研究」で、法規・例規の学びを通して政策立案能力を高めることが期待されます。一方、後者の研修については、様々な分野についてどちらかというと広く浅く学ぶスタイルが多いのが特徴ですが、人事異動が転職級の自治体職員にとっては、時間外にこうした学びを得る機会があるというのはとても価値があるといえます。

ちなみに、定義に「人材育成に寄与する」との一文も加えたいところですが、これに関しては最終的な目的が人材育成でない場合もあり、よくあるケースとしては職員が仲間と一緒になって地域に飛び出し課題解決を行っていくという例もあることから、限定化した表現は避けていますが、これらの活動も結果として人材育成につながる面が多分にあるので自主研の枠で括っています。
最後に、定義の中で微妙なものに触れますと「自主的に行われる」とありますが、自治体によっては人事主管課が主導して立ち上がった半分業務的要素が含まれた自主研も存在します。これに関しては、設立のキッカケは自主的ではないにせよ、活動で得られる効果は大差ないので、業務時間外に行われているのであれば自主研に含めて考えるて差し支えないと捉えています。

ここまで、定義について少し細かく書いてきましたが、これはあくまでこれから立ち上げを検討している方に対してわかりやすくするために整理したもので、グループになって自己啓発につながる活動をしていれば、それはもう自主研です!

では、自主研をするとどのような効果があるのか、次回はそのあたりを掘り下げてお伝えしていきます。

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