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オースティンは日本で活躍できるのか?

ここまでのオープン戦でオースティンは7打数6安打、3本塁打、3打点、打率.857の好成績を残しています。

オープン戦では期待通りの活躍をしているオースティンですが、シーズンでもこのまま好成績を残せるのかについて書いていきます。



ざっくりとしたオースティンの紹介

プロフィール

タイラー・オースティン 年齢28歳 身長188cm 体重99.8㎏

投球・打席 右投右打
ポジション ファースト、レフト、ライト 

MLB時代の球歴 
ニューヨーク・ヤンキース(2016~2018)
ミネソタ・ツインズ(2018~2019)
サンフランシスコ・ジャイアンツ(2019)
ミルウォーキー・ブルワーズ(2019)

2010年のMLBドラフト13巡目(全体415位)だヤンキースに指名され、2016年8月13日に7番・ファーストでメジャーデビューし、同日にプロ初打席初本塁打を放ちました。

この試合が同じくメジャーデビューのアーロン・ジャッジもプロ初打席初本塁打を放ち、1試合2本のプロ初打席初本塁打というMLB初の記録を残しています。

2018年には、ヤンキースツインズに在籍し17本の本塁打を記録しています。

選手としての特徴

本塁打になりやすい打球速度と打球角度の組み合わせの指標であるバレルの割合がMLBの打者の中で優れており、2019年に50以上の打撃イベントがあった478人のメジャーリーガーの中でバレルの割合が12位の15.9%を記録しており、これはオースティンが6回に1回は本塁打性を打っているということです。

本塁打を打つ割合は多いですが、その反面三振率が高く2019年に150打席以上の打席に立ったメジャーリーガーの中でワースト5位の37.4%を記録しています。

変化球への対応も悪いです。

簡単にまとめると、パワーがあり本塁打を多く打てるが三振が多く変化球への対応が悪いというのが特徴です。


紹介はこちらから引用しています。

バレルついて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでください。



オースティンは日本の投手に対応できるのか?

MLB時代の成績を見ながらオースティンは日本の投手にどう対応していくのか個人的な予想を書いていきます。

ストレート系への対応

昨シーズン、オースティンに投じられたストレート系のボールは407球あり75打数20安打、打率.267、7本塁打、長打率.587、wOBA.402、K%31.8%の成績を残しています。

参考までに日本とMLBのストレート系の球速比較
   フォーシーム  ツーシーム  カットボール
日本 144.2キロ   141.1キロ   136.7キロ           
MLB 149.9キロ   148.1キロ   141.9キロ

日本とMLBのストレート系のボールの球速差は5~7キロあります。

対ストレート系の内訳
フォーシーム(252球)
47打数14安打 打率.298 本塁打5 長打率.660 wOBA.442 K%35.7%
ツーシーム(121球)
19打数2安打 打率.105 本塁打0 長打率.105 wOBA.174 K%31.8% 
カットボール(34球)
9打数4安打 打率.444 本塁打2 長打率.1.222 wOBA.679 K%10.0%

フォーシームの空振り率は高いですが長打を打てているので問題はなさそうです。
投じられた球数は少ないですがカットボールを打つのは得意そうです。
ツーシームは苦手なようですが、日本ではツーシームを投げる割合が7.7%とMLBの14.7%よりも少ないのでそこまで気にすることはないと思います。

日本のストレート系のボールの平均球速はMLBよりも遅いですし、元々ストレート系のボールは得意なので日本でも問題なく対応できるように思います。


ブレイキング・ボール(カーブ、スライダー)への対応

昨シーズン、オースティンに投じられたブレイキング・ボール系のボールは286球あり、53打数4安打、打率.075、本塁打1、長打率.196、wOBA.172 K%44.1%の成績を残しています。

参考までに日本とMLBのブレイキング・ボールの球速比較
   カーブ  スライダー
日本 116.6キロ 129.0キロ
MLB 126.6キロ 135.7キロ

日本とMLBのブレイキング・ボールの球速差はカーブが10キロ、スライダーが6.7キロの差があります。
全体として、日本のブレイキング・ボールはMLBよりも緩く膨らみながらドロンとした変化をしていると言った感じです。

対ブレイキング・ボールの内訳
カーブ(116球)
16打数1安打 打率.063 0本塁打 長打率.186 wOBA.215 K%50.0%
スライダー(170球)
37打数3安打 打率.081 1本塁打 長打率.200 wOBA.140 K%41.0%

オースティンはブレイキング・ボールをかなり苦手にしていることが分かります。

日本で投じられるカーブの割合は6.7%とMLBの10.4%より少ないので、この点はオースティンにプラスに働くかもしれません。
MLBよりも球速が遅く、ドロンとした変化をするボールが多いので対応できそうな気もしますが、この点はもう少し様子を見る必要があると思っています。
外に逃げていくボールに手を出さないかがポイントになると思います。


オフスピード・ボール(フォーク、チェンジアップ)への対応

昨シーズン、オースティンに投じられたオフスピード・ボールは93球あり 26打数5安打、打率.192、1本塁打、長打率.346、wOBA.278、K%41.9%の成績を残しています。

参考までに日本とMLBのオフスピード・ボールの球速比較
   フォーク チェンジアップ
日本 134.6キロ 129.3キロ
MLB 136.2キロ 135.7キロ

チェンジアップの球速差は6.4キロありますが、フォークの球速差は1.6キロとそこまでの差はありません。

対オフスピード・ボールの内訳
フォーク(5球)
2打数0安打 打率.000 0本塁打 長打率.000 wOBA.000 K%100.0%
チェンジアップ(88球)
24打数5安打 打率.208 1本塁打 長打率.375 wOBA.297 K%37.9% 

ブレイキング・ボールと同じくオフスピード・ボールも苦手なようです。

日本で投じられるチェンジアップの割合は6.0%とMLBの11.1%に比べると少ないですが、フォークを投じる割合はMLBが1.5%、日本は8.6%と日本の方が多く投げられているので日本でも落ちるボールに苦戦することになるでしょう。
日本ではフォークを投げる投手が多いですしMLBと球速差があまり変わらないので、ブレイキング・ボールよりもフォークへの対応の方がポイントになると思います。

まとめ

ストレート系のボールには強いですが、曲がる系のボールや落ちる系のボールが苦手といった感じです。

カーブやスライダーの見極めも日本で活躍するうえで重要ですが、日本ではフォークを投げる投手が多いので、こちらへの対応も気にかけないといけません。

横浜スタジアムは本塁打が出やすい打者有利な球場なので、変化球への対応次第で筒香の抜けた穴は埋める活躍をしてくれるかもしれません。


守備、走塁はどうか?

打撃での貢献がメインになると思いますが守備、走塁も大事ですので見ていきます。

守備面

オースティンはファースト、レフト、ライトを守ることができます。

MLB時代のUZRを参考にしながら、昨シーズン、ベイスターズで主にこの3つのポジションを守った選手と比較していきます。

レフト比較
オースティン Inn130.0 UZR‐0.5
筒香     Inn10701/3 UZR-17.4

守備機会は少ないですが平均をやや下回ると言った感じです。

筒香よりも守備が劣るということはないので、レフトの守備についても大幅なマイナスにはならないと思います。

ライト比較
オースティン Inn43.0 UZR-1.3 
ソト     Inn660 UZR-15.1

こちらはより経験が少ないといった感じです。

比較しているソトの守備もだいぶ酷い数字を記録しているので、期待はそこまでしてませんがオースティンが守ることでもしかしたらプラスになるかもしれなません。

ファースト比較
オースティン Inn700.0 UZR-0.8
ロペス    Inn1237 UZR0.3

オースティンはMLBでは主に一塁手で出場していましたが、ベイスターズはであまり一塁手での起用は少ないでしょう。

ロペスよりも守備は劣りますが、ロペスが休養する場合に守る分にはそこまでのマイナスにはならないでしょう。

走塁面

オースティンの走塁はチームにどのような影響を与えるのかを見ていきます。

UBRBsRという指標を使って、先ほど守備で比較した3人の選手と比較していきます。

走塁の比較
オースティン UBR2.0 BsR3.2
筒香                  UBR‐2.3 BsR‐2.3
ソト     UBR‐3.4 BsR‐3.4
ロペス    UBR‐4.7 BsR‐4.7

オースティンは3人と比較するとプラスの数字を記録ていますが、昨年の数値が例年よりも高かったので注意が必要です。

オースティンの走塁は平均的といったところが正しいように思います。

まとめ

打撃よりも貢献は少ないですが守備、走塁でチームの足を引っ張るということは少ないように思います。

守備ではプラスを生み出すことは期待できませんが、走塁では多少のプラスを生み出すことができるかもしれません。


守備、走塁で使用した指標について詳しくは下記参照


おわりに

変化球攻めにあうと厳しいようにも思いますが、個人的にはオースティンは日本で活躍することができるように思います。

まだオープン戦の段階ですし相手チームも探り探り投げているといった感じだと思いますが、期待込みで活躍できるというのが今のところの見解です。

ざっくりとした感じ書いたので、間違っているところがあるかもかもしれませんので、詳しく指標を見たい方は下記を参照してください。

お読みいただきありがとうございました。

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