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バス停の風景と旅立つ思い!
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6車線も有る道路のほとんどの車線を占有して乗降している それだけ多くの路線が乗り入れている。
2023.09.30 さかい 悠
あなたはバス停の風景をどの様にイメージしますか?
そもそも昨今、バスに乗ることそのものが減っている。
都市、地方に限らず重要な移動手段で有る 車社会とは言え、まだまだ利用価値が有り重宝する。
昔ほど利用は少なく成り、財政的に厳しいとの情報が聞かれて久しいが何とか持ちこたえて欲しい。
さてバス停の種類はどんなものが有るか? 改めて定義すると概ね、2通りある。
一つは街中に存在する個々のバス停、そしてもう一つはバスターミナル。
街中にあるバス停も、バスターミナルも大きさを別にすればバス停である。
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日本のバス停の風景は、駅前の一角に人が一列に並び、バス待ちする風景が一般的。
郊外のバス停も昨今は同様に整備され、綺麗に成っている。
昔ながらのまる型(若しくは四角)の中に停留所の名称が書かれたポールが立っている。
昨今、殆どのバス停ではスマホを見ながら、静かにバス待ちする乗客の姿が多い。
お互いに会話をすることも無くスマホを見る姿は変化も無く、寂しい限りの風景。
今回は人それぞれに思い入れのあるバス停が有るはず 近場のバス停で有り、何か特別の理由で利用したバス停も有るだろう、それぞれに思い入れのバス停を思い起こし、当時の出来事を思い浮かべるのは如何でしょう!
では異国ではどんなバス停が有るのだろう!
少し違った風景もある その話題を紹介しよう。
そもそもバス停に行くには、何処か目的が有る為、バス待ちをする。
一人で行く 親子、夫婦 友達同士など、組合わせは様々。
仕事、通学、観光、それ以外にわくわくする事も有ろう、悲しみをこらえ、出かける事だってある そして未来の為の旅立ちも有る。
人生は旅そのもので有ると多くの先人は 述べている まさに大袈裟に言えば旅立ちの場所である。 今の時代は駅、空港に置き換えるかもしれない でも我々、古い世代は身近な出発がバス停で有った
中国 駐在時代に体験したバス停のある風景は2000年〜2015年頃の風景。
駐在初期(2000年代)今の様に中国も車社会でない、バスが貴重な移動手段。
遠くに出掛けるときは列車も使うが、中長距離を含めて身近な移動はバスが定番。
路線が数多く走り、日本に比べると格安の運賃で乗車が出来る。
駐在の会社は車を使える立場にあったがあえて、プライベートは自分の考えられる範囲でバスを選択した バスが最も身近にあり、利便性が良かったからである。
他の会社の駐在員(日本人)、更に中国人でさえ、治安上の観点から『気を付けなさい!』と何度か注意された。 事実、ズボンのポケットを切られ、危うく財布を取られそうになった経験もある。
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現地の雰囲気を体験するには同じ行動、環境が最も身近な方法である。
当時の中国のバス運行システムを紹介しておこう。
※私が体験した事例の為、地域により違いが有る 最も多い行動範囲は中国南部が主流、たまに観光で他の地域で利用することも有る。
まずバス停に行くと幾つかの路線番号と行先表示の看板が設置されている 同じバス停でも様々な行先のバスが到着する。
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それぞれ路線の表示が有り、終点の表示と途中に留まるバス停が路線ごとに表示されている。
但し日本の様に発車時間の表示は無い 所により何分間隔の運行と表示されている停留所も有るにはある。
しかし時間通りに来ない 道路事情、途中の乗客の混み具合で時間運行は困難。
始発時間と終了時間は表記され、その間で目的のバスが来るのを待つしかない。一般的に都会では10分〜30分位の間隔で運行される それ以上待つ場合は何らかの事情で遅れが発生したと考えた方が良い。
乗車にあたり行先と路線番号をよく確認する 目的地が同じでも番号が違うと、とんでもなく大回りをする、時間が掛かり、料金も余分に払う事に成る。
駐在初期の頃は車掌が乗っていて、『どこまで?』と尋ねてくれる 目的地に合わせて料金を払う。
初期の頃は現金支払いが基本 2010年以後少しずつ、オプトカードの普及が始まり、現在はほとんどがカードタッチの支払いに移行した。
まず驚くのはコインが普及していない頃、少額紙幣がとんでもなく汚い、破れている(中にはテープが貼り付け)、しわだらけの紙幣が多い。
当時、お財布を持つ人は少なく、ポケットに無造作に突っ込んでいる為である。
私は出来る限り、つり銭の要らない様、あらかじめ少額の紙幣を用意しておく。
おつりで渡される紙幣は決まって汚く、しわだらけ 触るのも躊躇(ちゅうちょ)する紙幣が多い。
昨今は何処でもワンマンの為 料金投入箱が乗車入口に設置され、そこに投入するかオプトでタッチで済む。
乗客の中に小銭を持ち合わせていない者がいると乗客同士がお金を両替しながら、支払う場面もよく見かける ワンマンの運転手はつり銭のやり取りはしない。
金額は路線で均一の為(そのバスの沿線内で有ればどこで乗降しても均一) 解りやすい。
金額は当時2元(30円)3元(45円)、中には1元(15円程度)で済む身近な路線も有った。
(当時のレートでの換算)
中長距離に成るとバスターミナルでチケットを購入して乗車する 途中で乗車する場合は車掌が乗っており、行先別に料金を支払う。
途中で停車するバス停もほとんどがバスターミナルの為 チケット購入が基本。
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深圳から開平までの往復のチケット
私は日帰り観光に中距離バスをよく利用した 目的地近くのバスターミナルまで移動 更に市内バス若しくはバイタク(バイクタクシー)、三輪タクシーなどを利用し目的地に向かうことが多い。
昨今、車が多く成り、バスに乗る人も減った。
わずか20年程の間で劇的な移動手段の変化に成った。
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次にバスに乗る場合の注意点を幾つか紹介する。
バス停でバス待ちをする場合、必ず乗る意思を態度で示さない限り 停車してくれない。
例えば手を上げる 大袈裟に両手を広げ止まってほしいと態度で示す バス停に人がいるだけでは運転手は止まらない。
更に停車して乗り込む場合 もたもたしていると直ぐに発車する 中に入って直ぐに何かにつかまらないと転倒する 乗客の事などあまり気にしてくれない。
日本は停留所に人がいれば乗る乗らないは別にして必ず止まる 更に乗客が席に座るまで発車しないのが原則と聞く 時間も余裕をもって、運行スケジュールを設定している。
中長距離バスの運転手は時間に追われる 距離が長く成れば予想外の時間ロスが頻繁に発生する、交通事故の渋滞 その他の要因で渋滞する 当時は高速道路もまだまだ十分整備されていなかった 時間ロスが常に発生 時間通りの運行は大変 その為にスピードも出す、粗い運転にも成る。
最悪決められたルートを外し、ショートカットなど混雑回避も当たり前に行われていた。
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街中の大きなバス停は人の乗降が多い 我先に乗り込むこともしばしば 日本の様に一列に行儀よく並んでいてはいつまでも乗れない。
急ぎの場合、ある程度強引に乗り込まざるを得ない
乗客同士でトラブル、喧嘩になる事も珍しくない 特に休日の混雑は尋常でない。
これ以上乗れないと解っていても乗り込んでくる、車掌や運転手とトラブルになる事日常茶飯事。
支払は前払いの為 通常は料金投入口の有る前ドアから乗車する。
しかし混雑緩和の為、中央の下車ドアを開け乗車させることも有る 中央口から乗り込んだ乗客は混在の為、支払い投入口まで移動できない、その時はそれぞれ乗客同士がオプトカード若しくは現金を料金箱迄手送りで運んでタッチ若しくは投入してくれる。
オプトカードは再び手送りで乗客の手元まで戻してくれる。
中には混雑を理由に料金を払わない者がいる すると運転手が大声で『料金を払え!』と怒鳴る!
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関心な事はお年寄り、子供ずれなどは結構な割合で席を譲ってくれる 私など髪も白く成りかけた頃、度々席を譲ってもらった経験が有る 本当に疲れている時は感謝。
中長距離で移動する乗客はバスが走り出すと同時にすぐ、椅子を倒し寝る者が圧倒的に多い 私などは折角知らない土地に来れば車窓の眺めを楽しむのが常である。
しかし、そんな乗客はほとんど見かけない 見慣れた風景で単調すぎる理由も有る。
中長距離のバスの乗客は大きなスーツケースを持っている。
都会から出かける場合はほとんどが帰郷が主な目的 スーツケースの他に、たくさんの土産物、高価な包装の贈り物を持参している。
一方、地方のターミナルから都会に向かう人達は同様に大きなスーツケースをもつ。
更に日用品を無造作に大きなバケツの中にぎっしり詰め込んでくる者もいる。
扇風機、ゴザ、中には小さな布団まで持ち込む者もいる、これから都会に働きに向かうのであろう? それとも転職先の寮に入る為なのか? 荷物の種類を見るだけでも行先が想像できる。
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流石に現代はそんな風景も見なくなった すっかり荷物も小さく成り、鞄一つとスマホだけの乗客も多くなった。 これから益々車社会と成り、私が体験したバスターミナル、バス停の風景も懐かしい風景と変わりつつある。
コロナの関係でここ3年ほど中国に出かけられない 以前にも増して車社会と成っている事だろう バス停の風景、バスに纏わる景色も随分と様変わりしている事だろう。
今年も国慶節休暇が近い どの観光地、どの故郷に向かう道路も大混雑に成る。
自家用車だろうがバスを利用しようが停滞は避けられない。
日本と同じく、昨今はあれだけたくさん有った路線バス、遠距離バスが全盛期の頃に比べ、乗車率は下がる一方。
私の子供の頃のバス停のイメージは、何もない田舎暮らし場所 どこかに出かけるにはまずバス利用が必修だった その他の選択肢は歩くしかない。
父親が何ヵ月に1回、本を買ってくれた記憶が有る その買物すらバスで出かけるしかない。
私にとっては夢を運んでくれる乗り物に見えた。
中学を卒業し都会に就職が決まった時も出発はバス停 父が見送りに来てくれた。
何となく気恥ずかしい気持ちに成った事も鮮明に覚えている。
盆正月の休暇にはこのバス停を利用して帰郷 近くのおばさんが『○○ちゃん お帰り!』
と迎えてくれる。
バス停で誰かがバス待ちをしていると決まって『何処行くの?』『良いな!』そんな会話が交わされた。
当然このバス停も、何十年も前に既に廃止に成り、面影すらも無い。当時のバス停にはあらゆる夢が詰まっていた。
小学校の通学途中、街に向かうバスに何度も手を上げ運転手の反応を期待した。
何回かに一度、運転手が手を上げてくれると友達同士、歓喜したものだ。
海外赴任を経験し、赴任先でバスに乗ると子供の頃のあの高揚感が湧いてくる、夢のあるバス乗車は自分にとって子供の頃の一番の記憶である。
日本でバスに乗る事はほとんど無い 車で有ったり、電車が圧倒的に多い
バスは今でも、特別の乗り物かもしれない。
中国で体験したバス停とバスに纏わる体験は古き時代を思い起こすきっかけである。
以前は行動を起こす出発点はバス停で有り、ターミナルで有った。
事を起こす為には移動の起点が必要、気持ちを新たにする出発の場所である。
この歳に成ってもまだまだやりたい事は山ほどある。
人生には限りが有る 若い頃は時間を随分と無駄遣いしたと反省 この歳になれば尚更時間は貴重。
今更遅いと感じるかもしれない、しかし先が見えないだけにまだできる時間は有ると思いたい。
その為にバス停に立って未来に出かける気力だけは持ち続けたい、当然体力、健康が優先する事は当然である。
日本で久しぶりに当時を思い出し、どこかの路線バスに乗って見よう。
あの頃の気持ちが少しでも湧いて来るなら、自分にもまだやる気が有ると判断できる。
そんなことを思いながら乗って見よう!
あなたにもきっと、旅立ちのバス停が有るはず! 純真な気持ちに成って乗って見ては如何だろう!
旅立ちの時は昨日でもなく、明日でもない 『今しかない!』
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